(※以下、記憶違い等あると思いますがご容赦を)



『未来へのOne Step!~世界を結ぶ愛の歌声~』大阪公演2日目、5月26日12時半公演を観てまいりました。(公式サイトはこちら



GWに関西万博で行われた公演を2幕仕立てにブラッシュアップ、ウタコさん(剣幸)、ヤンさん(安寿ミラ)、一路さん(一路真輝)、マリコさん(麻路さき)、マミちゃん(真琴つばさ)、ズンコさん(姿月あさと)、タカコさん(和央ようか)、わたるくん(湖月わたる)、ユウコちゃん(風花舞)、グンちゃん(月影瞳)と、私が足繁く宝塚に通っていた頃のスターさんが目白押し! しかも構成・演出は大好きな中村一徳先生!!!

貧乏なので3階席にしたけど、ケチケチせずに1階席買えば良かったです。S席だからと言って舞台に近いとは限らないけど、客席降りもあったし、3階だと映像が見切れるし、何より運悪く前の人の背が高くてちょうど舞台中央が見えず……ううう。せっかく楽しい舞台だったのに、かなり見づらかった……。

元が万博会場での上演ということで、舞台装置は非常にシンプル、階段があるだけで、セットの転換などはなく、世界をめぐる背景はすべて映像。とても美しい映像で、冒頭にはキャスト紹介も流れたんだけど、この紹介動画が3階からはことごとく顔が見切れてて。

見事に首から下しか見えない。

……3階からの構図も考えて映像をですね……いや、お金払わない人間におもねらなくてもいい、それはそうなんですけど……胴体と名前しか見えなくて、面白すぎて笑っちゃうくらいでした。ははは。

幕開き1曲目は全員登場でこの公演のために書き下ろされた曲「未来へのOne Step!」――いや、ウタコさんの挨拶が先だった??? ちょっと順番わかんないですけど、ウタコさんの挨拶のあと、「It's Show Time!と行きたいところですが、まずはこちらの映像をご覧下さい」というわけで、万博の歴代開催地を紹介する映像。最後は1970年の大阪と今の大阪。この映像のBGMが「世界はひとつ」なんですよね~~~~~。あああああ、大人形館があった頃、宝塚ファミリーランドがあった頃(泣)。

万博開催地を歌でめぐる、ということでまずはロンドン。いきなり『ME AND MY GIRL』ウタコさんのビル! ウタコさん版、残念ながら生で観てないんだけど、「街灯に寄りかかって」を聞くと、歌だけで胸いっぱいになってしまいます。街灯のコート掛け(コート掛けじゃない)がけっこう高い位置で、「よいしょ!」って感じになってるのがお茶目でした。

そしていきなりガラッと変わってパンチの効いたイントロ、聞き覚えあるな~と思っていたら『ミリオン・ドリームズ』。ヤンさんメインの場面。あ~~~~~、俺のヤンさん今日も格好いい~~~~~♡

でも『ミリオン・ドリームズ』って天海さんの公演じゃん?と思っていたら、「私たちのロンドン公演の演目を」ということで選ばれていたのでした。1994年のロンドン公演、ヤンさん主演で『花扇抄』『扉のこちら』『ミリオン・ドリームズ』を上演している。……全然覚えていませんでした。もちろんそんな公演観ていませんし。ヤンさんの『扉のこちら』、すごく良さそう、観てみたかったなぁ。

ちなみにロンドン版『扉のこちら』のヒロインはグンちゃんだったらしいのだけど、マミちゃん、ユウコちゃん、わたるくんもロンドン公演メンバーなんですよね。ということで、続いてマミちゃんとユウコちゃんによる「DANGEROUS」。マミちゃんは1999年全国ツアーでも『ミリオン・ドリームズ』を上演していて、その時の娘役トップはもうユウコちゃんではなく檀れいちゃん。

で。

この「DANGEROUS」のユウコちゃんがハイパー格好いい! 台詞のところからもうドスが効いてる上に、低音の歌がアホほどパワフル!!! しかもうまい!!!!! え? 何? どうしたの!?

初舞台からダンサーとしてその実力を遺憾なく発揮していたユウコちゃんだけど、「歌がうまい」という印象はあんまりなかったし、現役時代はふわっとした声で歌ってたよね? あれはキーの問題で、地声キーだとこんなにパワフルでうまかったと、そういうこと!? あまりの衝撃で、マミちゃんのダンスがあんまり頭に入らなかった、ごめん。

ロンドンパートの最後はまた『ME AND MY GIRL』、「ランベス・ウォーク」。鉄板だよねぇ、盛り上がるよねぇ。客席降りもあって1階の人羨ましい。でもロンドンなら是非『大いなる遺産』の「ロンドン♪ロンドン♪あれがトラファルガー♪」もやってほしかったなぁ。万博会場のお客さん向けということで、基本的にスタンダードナンバー(海外ミュージカルナンバー含む)が選曲されていたので、まぁ仕方ないけれども。

続くパリパートはタカコさんの『ファントム』で始まったような? いや、『ファントム』は途中かな? ともあれ「サ・セ・パリ」とか「I LOVE PARIS」とか、スタンダードなシャンソンをたっぷり。マミちゃんは「愛の賛歌」で、えーっと、大好きな「パリ・カナイユ」もあった。「夜霧のモンマルトル」はズンコさんだったかな。シャンソンメドレーというとナツメさん版『ベルばら』のフィナーレを思い出すし(あのフィナーレ大好き)、1989年のバウ公演『シャンテ・シャンテ・シャンテ』も思い出します。あれも素敵だったのよねぇぇぇ。

グンちゃんの「幸福を売る人」は『華麗なる千拍子』、そしてヤンさんの「愛の幕切れ」。階段に座った状態で歌うヤンさん、格好いい~うまい~素敵~~~~~

パリの次はウィーン。ウィーンといえば、もちろん一路さん「君はわが心のすべて」――『微笑みの国』ですよねぇ。ン十年前のバウ公演、1回見ただけなのに「たぶん『微笑みの国』」とわかった俺偉い。一路さんと純名ちゃんでのオペレッタ、歌もお芝居も、お二人のバランスも良くて、「このままこの2人が雪組のトップコンビになる」と思っていたのに……。

そしてウィーンといえば、鉄板『エリザベート』一路さんによる「愛と死の輪舞」マリコさん「最後のダンス」、さらにズンコさんも加わっての3人トート。初演、再演、再々演のトート閣下そろい踏み。さらに大鳥れいさんのシシィも登場。大鳥さんのシシィも素敵なんですよね~。

一幕目の最後はスペイン。ヤンさんの「グラナダ」で始まった気がする。ヤンさんでスペインなら『哀しみのコルドバ』じゃないんかーい、と思いましたが。スペインコーナーは他に「ボラーレ」とかあったような???

25分休憩のあと、二幕目はアメリカから。ニューヨーク在住のタカコさんによる「ニューヨーク・ニューヨーク」。ああ、ナツメさんが生きていらしたらなぁ。こういう曲はナツメさんに歌い踊ってほしい。

Jazzのスタンダードナンバー色々、ここでもユウコちゃんのパワフル歌唱が格好いい、「42nd Street」ヤンさんのしっとり「So In Love」も良かった~~~。そうそう、マミちゃんが歌ってヤンさんが踊る「Fever」も格好良かったなぁ。

最後はラテンアメリカ。ウタコさんのエネルギッシュな「エル・クンバンチェロ」、ブラジル在住マリコさんによる「ブラジル」マリコさんとグンちゃんによる「アガジュベベ」グンちゃんってトドちゃん(轟悠)の相手役というイメージが強すぎて忘れてたんだけど、マリコさんの相手役でもあったんですよねぇ。『誠の群像』1作きりとはいえ、シメさんサヨナラ公演の時に星組に移ってきているから、それまでも娘役二番手としてマリコさんを支えている。

『エリザベート』の時は少年ルドルフでしたもんねぇ。ウィーンコーナー、マリコさんトートと少年ルドルフも是非再現してほしかったなぁ。(→参考記事:『エリザベート・ガラ・コンサート』’96星組バージョン万歳!



お国めぐりが終わると、プチトークコーナー。ここは日替わりで出演者が変わっていたようですが、26日の公演はウタコさんの司会でマミちゃん、ズンコさん、ユウコちゃんの3人とトーク。

全員月組関係者ではあるのですが、ウタコさんは1990年に退団、マミちゃんとズンコさんが月組に来たのは1993年。……忘れてたけど、二人同時に花組から月組に組替えだったんですねぇ。マミちゃん71期、ズンコさん73期。その後マミちゃんは月組トップになって、マミちゃんとユウコちゃんのトップお披露目公演『EL DORADO』ではズンコさんが2番手。しかしこの3人体制は1公演限りで、ズンコさんは宙組の初代トップに。

宙組誕生時、組名発表の時に「え?寅組!?」と生徒たちがザワザワしたというお話をウタコさんが披露。「宙」で「そら」と読ませるなんて、すぐには思いつきませんもんねぇ。他の組とおなじくひらがな二文字読みならもう何画か付け加えて「寅!?」と思うのも無理はない。しかも宙組ができた1998年は寅年、ホワイトタイガーは宝塚ファミリーランドのシンボルだったし、「寅組」でもおかしくなかったよね(おかしい)。

ウタコさんとユウコちゃんは生粋の月組っ子、マミちゃんは花組と月組、それぞれちょうど8年半ずつだそうで、「ハーフ」を自称。で、ユウコちゃんは1990年入団で、ウタコさんのサヨナラ公演『川霧の橋』『ル・ポアゾン』に組回りで参加するはずだったのが、怪我で休演してしまったらしく。

「出させていただきます!って挨拶に来てくれたのにお稽古行ったらいなくて」と言うウタコさんに、「この後『ル・ポアゾン』のシーンに参加させていただきます!35年越しの『ル・ポアゾン』です!」と答えるユウコちゃん。おおおおおお、なんだその熱い展開、心憎い選曲。

しかし35年
ウタコさんが退団なさってもう35年。
あの衝撃の純名ちゃん初舞台エトワールとユウコちゃん初舞台ソロダンサーから35年!!!

マジか。

今回の出演娘役さんの面子だと、ユウコちゃんとグンちゃんが「長」なんですもんね。めっちゃ下級生だと思っていたのに……。時は流れた。

トークのあとは「日本」。万博公演では日本各地の民謡を歌い継いだらしいのですが、東京&梅芸公演では各スターさんゆかりの宝塚の曲ということで、トップバッターは確かズンコさん。曲は「夢人」。あ~~~、カナメさんも歌ってらっしゃるやつ。最初は汀夏子さんかな? ズンコさんは『レビュー’99』の時に歌ってらっしゃいますね。

続いてわたるくんで『王家に捧ぐ歌』タカコさんはたぶん『ネバーセイグッバイ』。娘役さんは二人ずつで「宝塚行進曲」とか。ユウコちゃんとグンちゃん(たぶん)は「心はいつも」でした。「これ何の曲だったっけ?」と思ったけど、『パパラギ』の曲ですね。ちょっと意外な選曲。やしきたかじんさんが提供された名曲だけど、そんなに繰り返し使われてる曲じゃないですよね?? 男役さんはそれぞれご自分のトップ公演の曲を選んでらっしゃる(ご自分で選んだのか、一徳先生のご趣味なのかわかりませんが)けど、娘役さんの歌唱曲はどういう基準で決まったんだろう。

えーっと、それで、マミちゃんは『ル・ボレロ・ルージュ』。ユウコちゃんも一緒に踊っていたような??? ユウコちゃんの退団公演ですよね。

続いてサングラスをかけての登場、マリコさん。『ジュビレーション』! わたるくん、グンちゃんを従えて踊る!踊る!! 「J・U・B・I・L・A・T・I・O・N!ジュビレーション!!!」 わたるくんのダンスが若いっ!!! わたるくんとグンちゃんが参加していた公演の主題歌を持ってくるの、沁みますわ~。サングラスも、当時のままの演出。あ~、盛り上がる。

一路さんは『TAKE OFF』。トップ披露の時のショー、娘役トップは紫ともちゃんだったなぁ。ちょっと意外な選曲だったけど、『微笑みの国』も『エリザベート』ももう歌っちゃってるものね。

そしてヤンさん! 『ブラックジャック』から、「かわらぬ思い」。ああああああああ、ヤンさんの歌声、ほんとに胸に迫る。涙出てきちゃいました。

最後はウタコさんの『ル・ポアゾン』ユウコちゃんも35年越しにコーラスで参加。全員で「タカラヅカ・フォーエヴァー」「すみれの花咲く頃」を歌って幕。1幕目1時間、2幕目1時間5分――あっという間でしたねぇ、夢の時間。

しかしこの日はまだアフタートークがある!

ユウコちゃん司会で、ウタコさん、ヤンさん、一路さん、マリコさんという、「我が青春すぎる宝塚」メンバー。万博公演の裏話、大雨にもかかわらず率先して大屋根リングに登るウタコさん。すごいなぁ、ウタコさん、パワフルでアクティブ。歌もダンスも今年で71歳とは思えないすごい。

一路さんとマリコさんは会場向かいのカナダ館に行かれたらしく、一路さんがタブレットか何かの操作に戸惑っている間に時間切れ、ズンコさんに「戻りますよ!」と引っ立てられてしまったとか。

「ジュビレーション」終わったあとに袖でゼーハーしているマリコさんの話とか。「駅伝でゴールしたあとの人みたいになってる」とご自分でも。めっちゃ踊ってますもんねぇ。あんなに下級生(ネッシーさん&シメさん比)で、中卒で音楽学校に入られてるから若い若いと思っていたマリコさんももう還暦……。自分の歳を考えれば「そりゃそう」なんだけど、びっくりするなぁ、ほんと。そしてよくあれだけ歌って踊れる。

ヤンさんにしてもマリコさんにしても、現役時代よりバーンと声が出てますもんねぇ。現役時代は連日の公演、他の組への特出や海外公演といった殺人的なスケジュール、そりゃあ今の方が落ち着いて声を出せるだろうという気はしますが、それにしても素晴らしい。

マリコさんの「ジュビレーション」――というか、ジュビレーションでガンガンに踊るわたるくん、そして「TAKE OFF」という流れを稽古場で見ていて、「この後でブラックジャック歌えないよ!」と言っていたらしいヤンさん。ヤンさんもガンガンに踊りたい、血が騒ぎすぎるってことかしら?(笑)

万博公演での「民謡」の時、ヤンさんの「木曽節」の時だけバックの映像が「遠足みたいだった」と。スタッフさんが実際に映し出してくれて、木曽川の美しい風景で素敵だったんだけど、他の曲は大漁旗っぽいのとか、もっと「デザイン画」っぽい感じで(これまた実際に映してくれた)、「なるほど、なんで木曽川だけ実写」でした。でも「遠足みたい」って、ヤンさん面白い。

アフタートークは20分弱だったかな。思いがけず「民謡」コーナーの映像も見られたし、トークも楽しかった♡ 26日に行って良かったです。

出演者ならびにスタッフの皆さん、素敵な公演をありがとうございました。どうか皆さんお元気で、これからもパワフルでワンダフルなOG公演を見せてください!!! あの頃の宝塚をもっと、もっと――!