3年生になると、毛筆の学習が始まる。
なので、「お習字セット」を買わなければならず、学校から斡旋のチラシが来るわけだが。

その数なんと約40種!
この写真に写ってるチラシ(兼申し込み袋)は7つなのだけど、既に申し込みに使った物が1枚あるので、実際は8つ。
8つのチラシで販売会社が6社、種類が約40。
ひょ〜、私らの時代、赤と黒の四角いのしかなかったやん!

いつから世の中こんなことに……。

友人によると、現在6年生のお姉ちゃんの時は、赤と黒ともう数種ぐらいしか選択肢がなかったらしい。
しかし近所の現在5年生はもうサッカー日本代表チームオフィシャル書道セット(書道とサッカーに何の関係があるんだか)を持っている。

この間の参観の時に、一応実物見本が廊下に並べてあった。
もちろん40種全部じゃなくて、各メーカーの代表が6つぐらい並んでいたわけ。
要は外の容れ物(バッグ)が違うだけで、中身(筆とか文鎮とか下敷きとか)はどれも大差ない。

多少の使い勝手の差はあるとしても、ほとんど「どの見た目を選ぶか」でしかない。
うちは子どもが自分で「コンドルかドラゴンかソウルオブサラマンダー(注:そーゆーデザイン名がついているのです)」と言ったので、一応実物も見たけどあまり考えず、「じゃこっちのがちょっと安いしこっちでいい?」とあっさり決定。

しかし中には見本を前に「どーしよー。どれにする?」と悩んでいるお母さんも。
「子どもはこれかこれって言ってたけど、こんなん中学なったら恥ずかしくて使えへんやん。私の趣味で勝手に選ぼかな」

そこのお子さんが選んだ“恥ずかしくて使えない”奴は「コンドルかレオかドラゴン」だったらしい。
わはは。うちとほぼ一緒やんか。

うちの子の場合、勝手に親が違うのを買おうものなら怒りまくるに決まっているので、中学になって恥ずかしくなっても自己責任である。

それにしても。

今って「書道セット」に硯、入ってないのね〜。
プラスチックの丸い「墨池」ってのがついてるだけなのよ〜。
……と夫に言ったら、「そらそやろ。僕らの時代でも硯なんか使てへん。学校で墨なんかすらへんやん」と言われてしまった。

えーーーっ!!!!!
そりゃ確かに学校じゃほとんど墨汁だったけど、一応「墨のすり方」っていうのも1回ぐらいはやったよ。
私の書道セットは硯だったぞ。

まぁ私は学校で毛筆をやる前から書道教室に通ってたんで、学校で買った書道セットではなかったと思うけど。
でも学校でもみんな硯だったような気がしたけどなぁ。違うかったんやろか???

地域性とか、あるんかな。
滋賀出身でない友達は、「硯だったよね」って言ってたけど……。

恐ろしいことに、物持ちのいいうちの夫は「僕の書道セットはこれ」と言ってあの黒い四角い素っ気ない懐かしの書道セットを出してきたりした(でも中身は空っぽで筆は違うとこから出てきた)。
絵の展覧会で表彰されてもらったらしい新品の「ぺんてる書道セット」まで出てきた。
そっちには硯と墨が入ってたし、封を開けてない墨汁も入っていた。あの墨汁、まだ使えるんだろうか。かれこれ25年ぐらい昔のやと思うけど……。

しかしホントになんで書道セットっちゅうか容れ物にあんなに種類を揃える必要があるんだか。そりゃ「女の子は赤、男の子は黒」ってのもどーかと思うけど、「赤、黒、緑、黄色、青、オレンジ」ぐらいあったらええんちゃうの。
個性尊重、多様性がどーのこーの言うんやったら、中身だけ買うて袋は別に好きなん用意したらええやん、って気がするし。
もうほんま、今ドキの学習用品、オバサンには理解できんわ〜。