この間実家に行ったら、キャビネットに
仰木監督のサインが飾ってあった。
昨年の9月、北海道で書いてもらった
ものだそうだ。
既に病魔がお体を蝕んでいたのか、
ひどく弱々しい筆跡に見える。
背番号70の「0」が「6」になって
しまっている。

なんと貴重なサインであろう。

しかし父ちゃん、あんた北海道なんて
行って大丈夫なのか。
ここで何度も書いている通り、父ちゃん
は病持ち。小康状態にはなっても完治
することはない病気である。
野球仲間との日ハム戦観戦。
そりゃ楽しかっただろうが、案の定
体調を崩して、11月末に左顔面にヘルペス
が出て入院したらしい。

聞かされていなかった私はあ然……。

まだ顔に残る水疱のあと。
しかし年末には母ちゃんと一緒に奄美大島
に行っていた。おまけに帰ってきたその足
で同窓会にも行ったらしい。
私たちが遊びに行くと、朝から酒を飲んで
いる。最初のうちは厳格に守っていた塩分
の制限もどこへやら。たくあん食ってたし。

いいのか、それで。

まぁ、人生楽しみがないと生きてる値打ち
もあるまいが。
どんなに節制しても死ぬ時ゃ死ぬんだし。
じーっと大人しく家に引きこもって、
みずくさい料理を食べて長生きするのと、
早死にとはいえ美味しいもの食べて好きな
ことして暮らすのと、どっちが幸せかと
いう話だ。

もちろん好きなことして長生きできれば
言うことはないんだが、きっと鬱々として
いるとそれだけで寿命を縮めるに違いないし、
そのように楽しめる、楽しもうという気力
がある、ということはありがたいことなの
であろう。

でも酒と煙草はほどほどに。