昨日の昼には日本名だった
容疑者が、夕方のニュースでは
中国籍と報じられ、「ことばの
問題もあり他のお母さんたちとの
付き合いに悩んでいた様子だ」
という話が出ていた。

動機については、まだ何も供述
していないらしい。

理由を整然と説明できるぐらい
落ちついていたら、とても殺人
なんてできないだろうとは思う
のだけど。

99年に起こったいわゆる「お受験
殺人」でも、結局動機ははっきり
解明されなかったと、今朝の新聞
に載っていた。
当初言われた「受験の合否」という
理由は、裁判では斥けられたと。

たぶん、そういうのは実際に犯行に
及ぶ「きっかけ」に過ぎないのだろう。
そこに至るまでに蓄積された色々な
もやもやが、あるきっかけで臨界に
達して爆発する。

今度の容疑者にも、子どもやママ
付き合いのことで色々悩みはあった
のかもしれない。
でも、だからといって人を殺しても
いいことにはならないし、まして
圧倒的に弱い立場の子どもを、
逃げ場のない車中で20箇所も刺して
殺すなんて、とても許されること
じゃない。

昨日、帰ってきたうちの子に事件を
話すと、「えーっ、許されへん!」
と言ったあと、ちょっと考えて、
「自分の子どもがその子にいじめ
られてたんかなぁ」と言った。
私:「だからって普通殺さへんよ」
子:「お母さんと仲悪かったんかも
  しれんで。例えば相手のお母さん
  がきれいで、どうしたらきれいに
  なれるか教えてもらおうとしたら、
  教えてくれへんかったとか」
私:「……そんなんで人殺さへんって」
(ある意味必要以上に“女”という
 ものを理解している気はするが…)

最初、容疑者が日本人だと思って
いた時は、「本当にもう何歳でも、
男でも女でも、都会でも田舎でも、
そういうことをやらかす人間がいる
んだな」と思った。
若者だけじゃなくて、何十年も前に
教育を受けたおじさん達だって平気
で悪いことをするし、「今の教育は」
とか「今の家庭はしつけが」とか
いう問題じゃなくて、世の中そのもの
が本当に壊れてきてると感じる。

容疑者が日本で育った人ではないと
わかって、
「どこでどういうふうに育っても、
そういう破綻はやってくるのか」
と思った。
もしも動機が、“関係が苦しいから、
関係を断つために相手を殺す”という
ようなものだったら、この間の塾講師
の事件と同じ短絡がそこにあると思うし。

この事件の記事の隣には、「高校生が、
その高校の生徒の保護者に刺される」と
いう事件が載っていた。
こっちは自分の車と接触した自転車の
学生を刺したというもので、やっぱり
車には自分の子が乗っていたらしい。

はぁ。

一人一人がおかしいから、世の中が
壊れるんだろうか。
世の中がおかしいから、一人一人も
壊れていくんだろうか。