昨日は久しぶりに梅田の
シアター・ドラマシティに行って
まいりました。
花組公演『Appartement Cinema』。
(公演詳細等は歌劇団のサイトへどうぞ)

その昔は大劇場・バウホール全公演制覇、
なんてこともやった私ですが、最近は
花組トップ春野寿美礼さんしか
見ておりません。
最後の砦です。
もう春野さんやめたら見に行くことも
ないかも……。

いつ見てもかっこいいのだけど、
今回もかっこよかった!!
なんというか、雰囲気のある人なの
よねぇ。香気というか。

お話も、これがデビュー作という
新人演出家のものだったけど、
けっこううまくまとまっていて、
中だるみとかもなくて、2時間楽しむ
ことができた。

まぁ、「余命いくばくもない元殺し屋」
とか、「記憶喪失ネタ」とか、
道具立て自体はありきたりなんだけど、
アパルトマンホテルにたまたまその時
泊まっていた人間たちの間に結ばれる
絆のようなもの、というのがうまく
生かされていたと思う。

ストーリー自体は「一昔前」っぽいのに
ケータイやネットビジネスが出てくる
ところがちょっと苦笑いですが。

現代でも「戸籍を失った殺し屋」って
いるんでしょうかね。
私ら知らないだけ……?

あと結局主人公の病気は何だったのか
とか。余命3カ月の割には元気やん、
っていう。
そもそもこんなかっこよくて性格もいい
殺し屋がいるかよぉ、っていう話も。

いや、でもホントに面白かったよ。
春野さんが演じるとそういう
「嘘っぽいキャラクター」にも
妙に説得力があるから。

なんていうか、春野さんってもともと
何か悟ったような、「すべてを引き
受けて遠くを見ている」みたいな
感じがあるんだよね。
こう、バーンと明るいわけでも、
翳りばっかりでもなく、生きることの
矛盾や哀しみをすべて引き受けた上で
微笑んでいる、っていうか。

春野さんのセリフ回し、間、仕種、
表情……どれも本当に好きだ。

これがコンビお披露目となる
桜乃彩音ちゃん。
なんとなく、見た感じ花総さんに
似てる? カツラがちょっと……。
前髪をもうちょっと考えた方が良かった
ような。化粧ももっときれいにできる
んじゃないかな。
芝居自体はよくやってたと思います。

優等生な彩吹さんも、主人公のイキのいい
弟分の真飛さんも、いかにもぴったりな
役で。真飛さんの役はおいしかったな。
似合うね、あーゆーの。

次、大劇場は『ファントム』……。
春野さんにはもっと違った役をやって
ほしいなぁ。宙組版見たけど、あんまり
面白くなかった。
別に宝塚で見たい話じゃないな、と。
再演とか、よそのミュージカルとか
じゃなくて、オリジナルで面白いものが
見たいです。