びははせんたい・みんきーまま
★美母戦隊ミンキーママ★
その4『若さと美が世界を救う!?』 Vol.3
[E:danger]この物語はフィクションです。実在の人物・団体等には一切関係ありません。
「そうせずにすむように、我ら白仙人はずっと人間の良心を導いてきたんじゃ」
ぷいっ。聞く耳持たぬ、という風情で芳美ちゃんがそっぽを向く。
「とにかくあんたのこと100%信用するのはやめにする! それに玲ちゃんも! この目で美青年を見るまで、玲ちゃんのことも信じない!」
ええええええーーーーっ。なんでそうなるの。
思うに。
黒仙人が正体を現した理由はただ一つ。
あたしらミンキーママを仲間割れさせるためだ!
はぁ。そうとしか考えられないよねぇ。ゴミ置き場の火事も、あれからぴたっと収まっちゃって、ホント、何の意味があったのかわかんないし。そりゃ、色々と住民の間にしこりは残ったのかもしれないけど、うちら3人の間に入った亀裂に比べれば……。
つくづく。はぁ。
芳美ちゃ〜ん、メールの返事はしなくていいから、お迎えで会った時ぐらい挨拶しようよぉ。
淳子ぉ、口きいてくれるのはいいけど、その事務的かつ冷淡なしゃべりはなんとかならないのぉ。無視される方がまだましじゃん。
「ねぇ、ママ。夢月ちゃんのお母さんとケンカしたの?」
子どもにだってチョンバレなんだから。
「うーん、そういうわけじゃないんだけど、女の友情って色々難しくてね」
「翔太くんとこは? 遊びに行ってもいい? ママ、翔太くんのお母さんと顔合わせるの嫌だったら、ぼくふみちゃんに連れてってもらうから」
あああああああ。よく気のつく子だねぇ、おまえさんは(涙)。
あたし達の冷戦状態は2週間も続いたろうか。
意外にも、というかなんというか、その緊張状態を破ったのは芳美ちゃんだった。
あれ以来音信不通を装っていた芳美ちゃんから、メールが来たのだ。ん?写真付き?
「ちょっとぉ、見たわよ、黒仙人!!これでしょ、ほら!矢沢と一緒にいたわよぉ、もう、悔しいーーーーーーっっっっっっ!!!!!!!」
という文面とともに、矢沢と美青年のツーショット写真。
芳美ちゃん、あんた何フライデーしてんの。
もちろん、遠くから隠し撮り(?)、しかもケータイのカメラだから、矢沢も「言われれば矢沢」ってわかる程度。美青年の方は、「若い兄ちゃん」ってぐらいで、はっきり言って顔はよくわからない。場所がユアーズストアだってことはなんか、やけによくわかるんだけど。
うーん。この映り具合で断言するのもどうかと思うけど、違うと思うよ、芳美ちゃん。
「なんで? じゃ、なんで矢沢があんな美青年と一緒にいるのっ!?」
そんなことあたしに訊かれても。
連載小説『ミンキーママ』
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