びははせんたい・みんきーまま
★美母戦隊ミンキーママ★
その4『若さと美が世界を救う!?』 Vol.2
[E:danger]この物語はフィクションです。実在の人物・団体等には一切関係ありません。

「何とでも言えるわよねぇ。あたし達はお目にかかってないんだから」
 ああ、いい男の前に女の友情とはなんと儚くもろいものであろうか(涙)。あたしはパチンコ屋の広告の裏に奴の似顔絵を描きながら、弱々しく反論した。
「そんなに心配しなくたって、きっとこれからいくらでも会えると思うよ。あいつがホントに黒仙人で、この街をターゲットにしてるんならさ」
 うーん、ダメだ。全然似ないぞ。こんなもんじゃないんだ、あいつの魔的な美しさは。ホント、洒落になんないよな。“黒仙人に会ってみれば、絵にも描けない美しさ♪”、だなんて。
「すごぉい、玲ちゃん、絵、上手〜」
 ぱっと紙をひったくった芳美ちゃん、美青年イラストにChu!――って、おいおい。
「それ、似てないよ。本物はもっとなんていうか、『悪魔(デイモス)の花嫁』のデイモスをもうちょっと丸顔にしてCLAMP描くところの美青年を足して2で割って、昔涼風真世が宝塚でやったメフィストフェレスをさらに足したような……」
 って、どんなんやねん!
 まぁ皆さん好きなように想像してちょうだい、好きなタイプの美青年を。
「それにしても恫漣士(とうれんじ)の奴、なぜわざわざ正体を現しおったのか」
 今度はじじぃが似顔絵をひったくり、ふっと息を吐きかけた。たちまちイラストに角が生え、牙が生えてホントにデイモスのようになる。
「そういえばあんた前に言ってたよね。奴はそうそう姿を現したりはしない。あたし達がじかに戦うのは奴に操られた人間と魔物達だ、って。全然話が違うじゃん!」
「バカにされてんじゃないの? 格の違いを見せつけようとかさ」
 はは、淳子様ったらホントに辛辣。
「あたし思うんだけど」
 再び芳美ちゃんが似顔絵を取り返した。やけに神妙な表情で言葉を継ぐ。
「白と黒って、実は逆なんじゃないの? あたし達、このじーさんに乗せられて正義のヒロイン気取りだったけど、実はいい仙人なのは向こうの方で、それをわからせるためにそのお美しいお姿を現してくださったんじゃないのかしら」
 はは。
 はははは。
 そこまで言うか、芳美。
「何をバカなことを!」
「だって若くてきれいな方が悪くて、チビのじーさんの方がいいもんなんて、そんなの全然お話としてつまんないじゃないっ。そんなののヒロインやったって全然つまんないっ!!」
 まぁ気持ちはわかる。あたしだってホントにしみじみと、心の底からそう思うけど、でもあいつは、あいつの発するぞっとする気配は、残念ながら“善”の側のものとは到底思えなかった。
「何が正義で何が悪か。白仙人が仙人の中ではいいもんだったとしたって、あたし達人間にとってホントにいい存在かどうかはまた別問題だもんね。場合によっては人類を滅ぼす、ってこともありなんでしょ? 人類の上に立ってるんならさ」