ショーの評価というのは、とても難しい。
ものすごーく、見る人の好みに左右される。

メルヘンっぽいのが好きな人、
カッコイイのが好きな人、
群舞が好きな人、
ひたすらご贔屓のスターさんの出番を
望む人……。

今回の『ネオ・ダンディズム』は
岡田先生の「ロマンティック・レビュー」
シリーズの第17弾。
衣裳が華やかでカラフルなのが特徴。
去年の『ASIAN WINDS!』はまったく
好みじゃなかったが、今回はけっこう
良かった。

幕開きから、やっぱり色彩豊かで、
ポスターと同じチャイナ風というか
アオザイ風というか、アジアンな衣裳の
わたる君が実に美しい。
あの衣裳にソフト帽というのがいかにも
タカラヅカでかっこいい。

ああ、わたる君って星組伝統の
長身美形トップだわね〜、とここで
思ってしまったので、あとはついつい
回顧モードに(笑)。
サヨナラだし、やっぱり必要以上に
感慨深くなってしまう。

中詰めの“キャリオカ”も大好きな
曲で、思わず体が動いてしまう
いいシーンだったけど、いかんせん
コーラスのWトリオの歌がひどい。
わざとか!?と思うほど下手だった。

歌に関してはトウコちゃんだけが
目立っていた。
というか、他に歌える人がいないから
トウコちゃんばっかり歌ってるん
だろうな。
もう全然声量が違うしねぇ。

最近は花組しか見ていないので、
ひょっとすると他の組には歌のうまい
若手がいっぱいいるのかもしれないけど、
もっとがんばってくれないとショーが
成り立たないよ。
ソロだけじゃなく、コーラスワークが
しっかりしてないと音楽に膨らみが
出ないんだから。

後半、わたる君を送る場面『惜別』。
ちょっと宇宙っぽい衣裳と背景で、
どうかと思ったけど、なかなか
ジーンと来た。
わたる君は長身美形だけど、割と
おとなしめで可愛い感じなので、
ちょっと少年風な衣裳とダンスが
とても合っていた。

そしてロケットの後のトウコちゃんの
『オール・バイ・マイセルフ』
ああ〜っ、あかんで、これは。
泣いてまうわ。
かつて『ナルシス・ノアール』で
ネッシー(日向薫)が歌った場面が
まざまざと甦る。
いい歌なのよね……。
トウコちゃんの歌でわたる君が踊って
くれるのかと思ったら違ってがっかり。

でもわたる君とトウコちゃん、
そろい踏みのシーンは多かった。
男役と娘役のデュエットダンスより、
トップと二番手の、男役同士の絡み
の方が個人的に好き。

トップと二番手のバランスが良く、
そこに娘役トップを加えたトライ
アングルがうまく機能していると、
芝居もショーも見応えのあるいいもの
になる(と思う)。

で。
つい『ナルシス・ノアール』の
ビデオを引っ張り出して見てしまった。
(仕事しながら背景で流してたんだけど、
仕事進まないって!!)
これも岡田先生のロマンティック・
レビュー。
ネッシーとシメさん(紫苑ゆう)の
「闘牛士の光と影」の名シーンが
素晴らしい作品だった。

ちなみにこれは1991年
この年、トウコちゃんは初舞台。
ビデオの続きにちょうど初舞台生
特集がくっついていて、15年前の
トウコちゃんがしゃべっていた。
現雪組トップの朝海ひかる、
花組トップの春野さんも同期。
春野さん、すごい可愛かった。
なんて貴重なビデオだ……(感涙)。

『ナルシス・ノアール』でもバリバリ
踊っていた組長・英真さんと
副組長・万里さんが15年経っても
やっぱり現役
で踊っているのに感動。
まだまだがんばってください。