「な〜んや、バレンタイン特別メニューやないんか」と言った息子に、「じゃあ君が考えるバレンタイン特別メニューって何?」と訊いてみた。

「うーん、今日やったらスパゲティ。明日作ってくれるんやったらハンバーグ」

なぜバレンタインメニューに「今日やったら」とか「明日やったら」があるのかよくわからないが、ともかく「じゃあ明日ハンバーグにしよっか?」というわけで、昨日の夕飯はハンバーグだった。

私と息子がさっさと夕飯を食べてお風呂に入っている間に夫が帰ってきて、ハンバーグを食べかけていたので、「今日は一日遅れのバレンタインメニューやねん」と言ったら、「それでか。何があったんかと思った」。

……って、そんな珍しいですか、ハンバーグ……。

めんどくさいので、月に1回作るか作らないか、ではあるのだけど。
そしてまた、「クリスマスは必ずハンバーグ」のクリスマス特別メニューでもあるのだけど。

私が獣肉がダメなので、普段はほとんど魚ばっかりで、クリスマスもローストチキンだのステーキだのではなく、ハンバーグが「特別メニュー」になっている。
なんか、わびしい……?

でも、ハンバーグは、ちょっと自信ある。
自分で言うのもなんだけど、おいしいと思う。
っていうか、本当はおいしいのであろう高級レストランの「ハンバーグステーキ」は肉肉しくて私の口には合わないので、自分で作る「あんまり肉肉していない」ハンバーグが一番おいしいのだ。

と言っても半分豆腐、とか「実は肉じゃなくていわしハンバーグ」とかってんじゃないですよ。
ちゃんと合い挽き肉100%。
生協の「国産合挽ミンチ」で作るのが一番おいしい。
牛6:豚4。
+玉葱と人参のみじん切り。

これを切って炒めて冷ましておくのがめんどくさい。
いつもより早く用意を始めないといつもの時間に食べられない。

嫁に来てびっくりしたことの一つに、義母がハンバーグを作る際、「玉葱を炒めない」というのがある。
義母のハンバーグは、玉葱やら人参やら韮やら椎茸やら、野菜がたくさん入っているんだが、生のままミンチに混ぜて焼くので、なんというか、私の思っているハンバーグとは別の食べ物になっている。

餃子の中身が余ったのをそのまま焼いちゃったみたいな……。それはそれでおいしいんだけど、別の食べ物。
オムレツとかミートソーススパゲティも、私と義母では別の食べ物になる。

そーいえばこの間、新聞にも載ってたな。
今どきは「オムレツ」というと「プレーンオムレツ」で具が入っていないか、「スペイン風オムレツ」みたいに具は入っているが「卵でくるんであるわけではない」みたいなのが一般的だけど、昔は「中にミンチが入っていた」という話。

義母の作るのはこの「ミンチと玉葱などを炒めた具」が入ったオムレツ。
私が作るのは「ミンチと玉葱を炒めて、ゆでたじゃがいもに混ぜた具(つまりコロッケの中身)」が入ったオムレツ。
実家で母が作ってくれていたのがそうだったから、私もそう作るのだが、ひょっとしたらこれは「私の肉嫌い」に合わせて「肉よりもじゃがいもが多い」にしてくれていたのかもしれない。

ミンチと玉葱を炒めた上に、じゃがいももゆでねばならず、さらにそれを卵でくるまなければならないので、これもハンバーグと同じくらいめんどくさい。
でも時々どうしても食べたくなって作る。

自分で作るオムレツも、すごく好き。

まぁ、自分で作るものは、自分の好きな材料で、好きな味で作るんだから、「自分がおいしいと感じる」のは当たり前かもしれない。
料理は全然好きじゃないけど、「自分の好きなハンバーグ」も「自分の好きなオムレツ」も、他では売っていないので、自分で作るしかしょうがないのであった。

ああ、今夜は何を食べよう……。