昨日のエントリにan-an様がコメントしてくれて、私も「涼しい目」についてコメントを書いた。

“私的には「遠いところを見てるような目」が好きで、百鬼丸も派手な表情がなくて、「遠くを見てる」感じが良かったのかも ”と書いたのだが、よく考えたら百鬼丸は目が見えてなかった。

残り30分近くになってやっと百鬼丸は目を取り戻すのであって、それまでの彼の目は「作り物」なのだ。
だから、見ているようで何も見ていない。

そうか、だから好きなんだ。
と思ったんだけど、でもそれを演技でちゃんと見せてるってことだよね、妻夫木くん。
すごいな。

もちろん、「目」以外の全体の表情が、「宿命を引き受けた者のせつなくも美しい静謐」という感じで、とても好みだったのだけれど。

前にも書いたかな。
国生さゆりが薄幸の女郎の役をしてる時の、「全部わかってて、遠いとこを見て微笑んでる」みたいな目が好きだっていう話。
色々な重圧から火付けをしてしまう武家の奥さんの役の時も、炎を見つめながら何も見ていないような「目」がとても好きだった。

大好きな宝塚の春野さんも、演技全体がそうなのよねぇ。
何か、全部引き受けて、一人で違うところを見てる、っていう。

ちなみにGacktさんの場合は、普段はサングラスなので目はよく見えない。
ライブで歌ってる時のGacktさんの目は、完全にイッちゃっている。全然違う、歌の世界というか物語の中を見ている目。狂気の美。
美は乱調にあり。
カレンダーとかの写真の目は……挑戦的な目?
近くは見てないよね、あの人は。こう、精神的な意味でも、すごく高いところを見ている人だから。

そんなわけで。
『どろろ』に関する続きはまた明日になってしまうのだった。引っぱるなぁ。