昨日「明日が楽しみ」と書いた以上、何かコメントしなくてはいけないよなぁ、今日の千秋楽。
いや〜。なんと言ったらいいんだ?

なんじゃそりゃ!?

という呆気ない、白鵬2度目の優勝の瞬間だった。
本割りでは琴欧洲を難なく斥けた白鵬。
そして、はたき込みで千代大海を降した朝青龍。
まぁ、この結びの一番も「そりゃないぜ」ではあったのだが、相手が突き押しの千代大海、突っ込んでくるところをはたく、というのは常套と言えなくもない。
目の前で白鵬が勝つのを見て、「絶対に決定戦!」という気持ちもあったろうし。

しかしその優勝決定戦で、「はたき込み」を使うとはなぁ。
しかも「え?」という一瞬の勝負だった。
横綱も怒らないで笑ってたもんな。

きっと白鵬は横綱のはたき込みを見て、「横綱自身がやったんだから、俺がやったって怒られないだろう」と思ったんじゃないだろうか。
そうじゃなかったら、やっぱ決定戦で横綱相手にはたき込みを使うのは勇気いるぞ。

逆に言えばそれだけ白鵬の「優勝」に対する執念が強かった、ってことだろうし、これから横綱を目指し、その地位を維持し続けようと思うなら、それぐらいのしたたかさは必要だろう。

横綱贔屓の私としては、「初日から2連敗での史上初の逆転優勝」というのを成し遂げてもらいたかったけれど、まぁいい加減誰かに横綱になってもらわないと、という話もある。
綱取りのプレッシャーの中、来場所白鵬がどれだけの成績を残せるか。そこでこそ、今日の「はたき込み」の真価が問われるだろう。

にしても。
ホンマに今場所も他の大関陣は……。
横綱にはたき込まれた千代大海は負け越してまたカド番。
魁皇と琴欧洲はかろうじての8勝。
初日から7連勝で優勝争いのトップを走っていたはずの(もうすっかり忘れられ気味)栃東は8勝した後休場。
怪我が完治していないとはいえ……なんだかねぇ。

万年大関でカド番の新記録を争っている千代大海と魁皇はともかくとしても、琴欧洲はホントに精彩を欠いた。もっと大きな相撲、「さすが大関!」という相撲をとってほしいものだ。

一方、新入幕で優勝争いに絡む堂々たる相撲っぷりを見せた栃煌山。そして豊真将。二人とも見事な11勝。
栃煌山は今日、7勝7敗と勝ち越しのかかる人気者、高見盛を負かしてしまったし、同じく豊真将も7勝7敗の時天空に引導を渡した。

初日に横綱を破った時天空も、終わってみれば負け越し。
2日目に横綱に勝った雅山も、途中休場で4勝しかしていない。
勝ち続けることがいかに難しいか。
また、怪我をしない相撲を取ることがいかに重要か。

15日間の自分との闘い。
8勝7敗と7勝8敗。たった一つの勝ち星の差が、来場所の番付に大きく影響する。
ホントによくできた、なんて面白いシステムだろうと毎場所思う。

前頭筆頭で勝ち越した豊ノ島。
小結で勝ち越した安馬。
こーゆー個性的な小兵が活躍するとホントに楽しい。

大関の実力があると言われながら万年関脇だった若の里は、怪我で十両まで落ちて今場所幕尻に這い上がってきた。見事な11勝。
怪我で連続休場だった把瑠都は来場所は出られるかな。出ても十両に落ちているだろうが。

また、来場所も楽しみだ。