森川久美さんの新作が出ました!
帯がすごいです。
曰く、
「森川久美の完全新作!!
恋とロマン、そして夢を求めてやまない男たちの
冒険活劇歴史超大作!!!」

え〜〜〜〜〜〜〜っ、って感じです。
完全新作なのはその通りだし、「冒険活劇」まではまぁ、そう言えないこともない。
でも「歴史超大作」っていうのはちょっと……。
そういうふうに言われると、同じ森川さんなら前に紹介した『信長』とか『南京路に花吹雪』、こないだ読んだばかりの青池さんの『アルカサル』みたいのを想像するじゃないですか。実際の歴史をモチーフにした、大河ドラマだと。

これ、コメディだと思うよ、絶対。

時間的には中世で、場所的にはまぁヨーロッパのどこか。
お調子者だがそれなりに腕は立つ遍歴の騎士マルコと、錬金術師のエクトールが出逢って、繰り広げるドタバタ劇。
主に、マルコが一人でドタバタしています。
前に紹介した(こればっかり)『危険な席』と雰囲気が似ている。
あれも、お調子者の遍歴の騎士が異教徒の錬金術師のところに転がり込んできて……という話だった。

違うのは、こっちの方が長いことだ。
1巻ではまだ発端だけ。
やっと最後に旅に出る。
マルコとエクトール、そしてマルコが惚れている美女リベカ。リベカはエクトールに惚れている三角関係。

「遠い昔、人々の望む幻を作り出す人々がいた
彼ら迷宮職人は今もひそかに存在し、活動を続けている」

その「迷宮職人」の秘密を求めて、教会から異端視され、色々とやばいことになっているエクトールは旅に出るわけです。それに、エクトールに片思いしているリベカと、すっかりエクトールの用心棒になってしまったマルコがくっついていくと。

この先どうなるんでしょう。
「歴史超大作」になっていくのでしょうか。
1巻だけではまだ、よくわからない。
「ああ、森川さんだなぁ」と思って楽しめるけど、「すごく面白い!」というわけではない。
まだ、今は。
「迷宮職人」がどういうふうに出てくるかだよねぇ。
もしかしたら「旅の目的」だけで出てこないかもしれないしな……。

この作品は朝日新聞社(元は朝日ソノラマだったが、つぶれたので)の季刊コミック誌『夢幻館』で連載されています。
朝日新聞社がこの雑誌をつぶさないよう祈るばかりです。
買い支えた方がいいでしょうか、たとえ1部でも。
3ヶ月に1回の発行って忘れそうやけど……。
この話の2巻が出るのも、2年後ってことになるんだろうし。(気の長い話だ。ほんとに雑誌、つぶれないことを祈る)

帯に、来年1月22日発売の『夢幻館』の広告が載ってます。
「大人の心で読む少女マンガ」というキャッチフレーズ。
なるほど、なんかわかる気がする。
森川さんとか池田さとみさんとか、竹本泉さんとか、私が子供の頃読んでた漫画家さんやもんなぁ。
1月号には中山星香さんも登場するそうだ。
おおっ、見事にその世代ですわ。

ちょっと、買ってみようかという気も、うん、してきた。
この話の続きも気になるし。