昨日、レディースデーだったんで見てきました。

『容疑者Xの献身』。

福山雅治はもともと好きだし、ドラマの『ガリレオ』も面白かったし……ということで見に行ったんですが、いやぁ、なんか、堤真一がすごかった。

これは堤真一の映画!

原作はまったく読んでいないので、CMの「天才物理学者VS天才数学者!」というキャッチコピーに、「堤真一が天才数学者の役なのかなぁ」と漠然と思ってたんです。

それで、テレビドラマ版のような、割と軽いノリというか、ガリレオ先生の脳みそはすごいけれど、コメディタッチのとこもある、「わくわくする楽しいエンターティメント」を見に行ったつもりだったの。

こないだの『ガリレオ エピソード0』では長澤まさみがとってもうっとうしかったので(笑)、やっぱり柴咲コウの方がいいな、湯川センセと内海刑事の仲は進展するのかしらん♪とか。

したらごっついシリアスな話だったのね。

湯川センセと内海くんの絡みも少ないし。

二人の仲がどうともならなくて、私は非常に残念です(笑)。

まぁ、あの微妙な距離感だからこそ、あの二人はいいんですけれど。


んで。

堤真一。

湯川センセに「天才」と言わしめるほどの「天才数学者」役である。

天才なんだけど、家庭の事情で研究室に残れず、今はしがない高校教師。誰も聞いていない教室で、延々と黒板に数式を書き続ける、なんともうらぶれた、憐れを催すような、お気の毒で暗~い人。

その冴えなさ加減が、素晴らしい。

なんでこの人、こんなにうまいんだろうと思ってホントにびっくりする。

だって、堤さんって、その気になればいくらでもカッコ良くなれる人でしょ。『SP』の尾形さんなんて、めっちゃカッコ良かったもんなぁ。

それが、歩き方までうらぶれてる。

猫背かげんで、足も曲げて。

算数以外には取り柄のない、コミュニケーションも苦手で孤独な、同じ「天才変人」でも湯川センセとは真逆の日陰人生を歩んできた男だということが、もう全身から滲み出ている。

こないだテレビで『舞妓Haaaaaaan!(aの数はきっと間違っているでしょう)』を見た時も「なんでもやるなぁ、堤真一」と大いに感心したんだけど、今回も堤さんのお芝居に脱帽です。

いやぁ、もう、ホントに。

私、湯川センセ見に行ったはずだったのに。

堤さんの映画観て帰ってきちゃった。


お話も、良かったです。

ネタバレになるのでストーリーに関しては書きませんけど、「なるほど、この流れで『最愛』(KOH+による主題歌)を聴かされると泣くなぁ」と。

Mステや『ガリレオ0』で聴いた時は「ふーん」だったけど、あの流れだとなるほどという感じ。

……主題歌流れる前から既にうるっと来ていた私ではありますが。

容疑者Xのそれはそれは非常な献身ぶりに、まんまと泣かされちゃった。

だって堤さんがめちゃうまなんだもーん。


献身される「薄幸の美女」は松雪泰子。

「白鳥麗子でございます」の頃は、「この顔のどこが美人なんだろう?」と思ったりしてたんだけど、いい女優さんになったよなぁ、みたいな。

美人は男につきまとわれて大変だな、と思う役でした。


湯川センセと内海さんの絡みが少ないのも不満だったけど、内海さんと弓削さん(品川祐)の絡みが少ないのも不満(笑)。

品川くん、けっこう好きやねん(爆)。

今回、内海さんとコンビを組む感じになってるのは北村一輝演じる草薙刑事。

北村くんもけっこう好き(←結局なんでもええんか?)やから、それはそれでええねんけど、品川くんももうちょっと出番あったら良かったのにね~。

北村くんは、初めて見た時は「うわっ、濃いなぁ」と思って苦手な感じだったんだけど、最近はあの濃さが「癖になってきた」というか。

草薙刑事のキャラクターがまた、良いんだな。はまってる。

北村くんと福山さんって、同じ1969年生まれなのねぇ。へぇ。ホントにほぼ「同期」なんだ。


なわけで。

改めて堤真一さんのすごさを思い知った映画でした。

そーいえば『SP』の映画はいつ公開されるんでしょうね。冴えない堤さんも良かったけど、かっこいい堤さんも楽しみです。