事業仕分けが面白い。

というか、事業仕分けに対するTwitter上の反応が面白い、というか。

ネット中継を見始めると何もできなくなってしまうので、中継そのものは時々見るのにとどめて、TLを流れるハッシュタグ #shiwake1、#shiwake2、#shiwake3 のつぶやきを興味深く読ませてもらっている。

検索して、まとめてつぶやきを読むのも大変勉強になる。

11月13日(金)の第3グループのものはwikiページにまとめられている。(こちら

仕分け作業を見ていると、あまりにも「費用対効果」ばかりが重視されたり、仕分け人のいけずさばかりが目立ったりして、なんかイヤ~な気分になってくることも多いんだけれども、それもこうして公開されているがゆえのことだし、いわゆる一般国民がそれを見てあーだこーだ議論できるというのは、いいことだな、と思う。

私に関する限り、もしもTwitterを始めていなかったら、事業仕分けのネット中継なんてわざわざ見る気にならなかったと思うし、見たとしても自分であーだこーだ考えるだけで、狭い枠の中に留まっていただろう。

それが、Twitterでリアルタイムに色々な立場、考えの人の意見を読むことができて、本当に勉強になる。

Twitter様々だなぁ、と。


11月13日の#shiwake3では、スパコン事業とか、外国人研究者の招聘の問題とか、先端研究、若手研究者への支援、といったことが議題になっていた。最後、夜には日本科学未来館の問題で、館長である毛利衛さんが熱弁をふるっていらした。

「教育とは未来への投資」

そんなことあたりまえやのにな~。

この国ではあたりまえじゃないんだな~、というのが、毛利さんが登場するまでのその日の議論の論調だった。

「事業仕分け」の対象となっている事業はそもそも「これって無駄なんじゃない?」と思われたからこそ対象になっているので、「削減・廃止」が前提の議論になるのはいたしかたない。

これ以上国の借金を増やさないために、あちこち削られるのもしかたない。優先順位をつけられるのもしかたない。

でも教育や科学研究、芸術の分野で「すぐに結果が見えないから無駄!」というような議論をされると、「それは違うだろう」と思ってしまう。

「その研究にお金を出して、納税者にどんなリターンがあるのか」なんて言われるとなぁ。

教育とか研究とか、100万円投資したから必ず150万円になって返ってくる、という代物ではない。つぎこんだ時間やお金や労力が、どのような形で、いつ、どれくらい実を結ぶものなのか、そんなのわからない。

なにがしかの結果が出るまでには、10年、20年、もっと長い時間が必要かもしれない。

「お金がない」のはわかるし、「優先順位をつけなければいけない」のもわかるけど、あまりにも「目先の利益があるかないか」という論調に傾きすぎていて、国として「教育」や「科学」をどうしたいのか、という戦略が見えない。

ノーベル賞を何人出したいとか、科学技術立国とか、言ってたんじゃないの?と。

そのためには10年、20年、100年先を見据えた戦略・議論をしなければいけないんじゃないの、と。

「事業仕分け」は「削減・廃止」前提のものばかりが俎上に上がるからしかたないけど、「こども読書活動推進」とか研究資金とか、そーゆーのがばんばん「廃止」「削減」になっていく、その字面だけ見てると「教育・科学にはもうお金は使わないのか!?」というふうに思えて、気が滅入ってくる。

「存続・新規」の事業がどうなっているのかをきちんと見なければ、公平でないということはわかっているのだけど。

ここで削った分で「高速道路無料」なのか?ここで削った分で「子ども手当なのか」?「高校無償化」のためにみんな削られているのか?と、つい。

教育や研究に対する国としての戦略が見えずに、「すぐにリターンが見えないからカット」という感じの議論ばかり見せられると、「高校無償化」はあくまでも「少子化対策」で、「教育への投資」ではないのか、というふうに思えてしまう。

まぁ、もはや何かを「学ぶ」ため「究める」ために高校や大学へ行く人は少ないのかもしれないけど、それ、「国」として認めちゃダメでしょ。


あと、ねぇ。

やっぱり、ここまでお金がなくなった、つまりは「借金漬け」になってしまったのって、これまでの政治のあり方に問題があって、これまで政治家だった人、その政治家を選んできた国民に責任があるわけでしょ。

私も、もう選挙権持って20年経つから、20年分の責任がある。

こういうことを大きな声で言うのは何なんだけど、年金とか高齢者医療とか、そーゆーところにお金がたくさんいるから、若者や子ども達にはお金かけられません、ってゆーの、なんかなぁ。

世代間対立しても仕方ないし、「あんた達の責任だから俺たちはもう税金も年金も払わないぞ!」と言っても事態は悪化するだけとわかってはいるんだけど。


「そこは切るけど、その代わりこっちには力を入れますよ」というところを、教育・研究・文化の分野で見せてもらいたいなぁ。