5月場所も白鵬の全勝優勝で終わりました。

というか、魁皇の1000勝で終わったというか……。

ドルジがいなくなってももちろん相撲自体は好きだし、楽しみに見てるんだけど、やっぱりドルジのいない土俵は寂しい。

張り合いがない。

相撲中継を見てると、不意にドルジのあの「ぺしっ!」とまわしを叩く姿が目の前に浮かんできたりします。

今場所は特に途中から白鵬が「一人旅」になって、今に始まったことではないとはいえ大関陣がピリッとせず、ホントに魁皇の1000勝しか話題がないような感じで。

ドルジがいたらなぁ、という感を強くしました。

それほど相撲ファンではないうちの息子ちゃんでさえ、「やっぱり千秋楽結びの一番は横綱同士の対戦じゃないとなぁ」などと言っているもの。

一人横綱で、一番寂しいのはきっと白鵬だろうけど。

周りが不甲斐ない中、きっちりと落ち着いて自分の相撲を取りきる白鵬はすごいと思う。

ドルジと白鵬だったら断然ドルジの相撲の方が好きだけど、でもこうして一人横綱として土俵を背負う立場になった白鵬を見てると、応援せずにはいられません。

「負けたら面白いのに」と言われる立場。

強すぎて、嫌われるぐらいの立場。

それでいて、勝ち続けなければいけない横綱という特別な地位。

横綱って――特に「一人横綱」って、ホントに孤高の存在なんだよね。


今場所はドルジがいなくなって二場所目で、そして父がいなくなって初めての場所。

私が今こうして相撲ファンになってるのは父のおかげだから、そういう意味でも、特に寂しかった。

ちょうど今年の初場所の途中で入院して、あれだけ好きだった相撲も見る気をなくしていた。だんだんと意思の疎通が難しくなって、こちらからの問いかけに反応することも少なくなっていたけど、3月の終わりにお見舞いに行った時、「春場所は白鵬が優勝したよ。把瑠都は大関になるよ」と言ったら、「へぇ、そうか」とちょっと顔が明るくなった。

うちの父は白鵬ファンだったんだよね。

白鵬の師匠である竹馬山のファンで、だから彼の弟子である光法のこともずっと応援していて、白鵬もまだ番付が下の時から応援していた。

私と父が相撲を見に行くと、父が「白鵬日本一っ!」と叫び、私が負けじと「朝青龍日本一っ!」と叫ぶという(笑)。

おととしの春場所が、最後の観戦になってしまいました。(その時の記事はこちら

車椅子でもなんとかもう一度観戦に……と思っていたのになぁ……。

阪急(オリックス)グッズと一緒に、その春場所のパンフレットも棺に入れたのです。

あの世で今場所の白鵬の優勝を見ていたかなぁ。


……すいません、湿っぽくなってしまいました……。


今日は「映像で見る国技大相撲Vol.9朝青龍七連覇」のDVDを見て、ドルジ全盛期を懐かしみました。



ま、Amazonレビューにもある通り、例の「髷つかんで反則負け」とか、「別にそれは見たくない」的な相撲の方が多かったりもしますが、でもやっぱり土俵上のドルジはいいな。

「朝青龍全決まり手」とか「朝青龍全軌跡」とかいうDVD、どっか出してくれないかなぁ。

あの集中力、あの反射神経、あのスピード。

今年初場所の、把瑠都を片手でお土産のように放り投げた取り組みとか、琴欧洲戦の見事な「腕ひねり」とか。

最後の場所の取り組みはすべて納めてほしいなぁ。

あの魅力的なドルジの相撲をもう一度見たいです……。

ちなみに初場所のドルジ。嗚呼(涙)。