実写版『エンジェルハート』も4話まで終了。せっかく原作を読み返しているので原作とドラマの対応関係等ちょっとメモしておきます。(原作コミックスの巻数はバンチコミックス版)

【第1話】

・原作コミックス16巻~17巻で描かれた未来予知のできる占い師麗泉さんが、香の存命中の事件として登場。原作の麗泉さんの事件は信宏の見せ場でもあったのでここでこういうふうに使われてしまったのはかなり残念。

・香瑩が新宿にやってきて、原作では新宿大戦争みたいなバトルになるけどそこはかなり簡素化。李大人が香瑩の実の父という話はまだ出てこず、「リョウパーパ」や「香マーマ」という呼び方もまだしていない。香瑩はリョウと香りのアパートではなくドクの花園診療所に寝泊まりしたままリョウと行動をともにするようになった感じ。

・原作では「青龍のおまえは今死んだ」と李大人にお墨付きをもらって正道会を抜けた信宏。ドラマでは「殺しが嫌になった。だから俺も組織を抜けた」としごく簡単に抜けられたもよう。

・李大人の双子設定はなくなっているようだが、彼とリョウが知りあいというのは残っているもよう。少なくとも李大人はリョウの腕を知っている。

・正道会はレギオンという謎の秘密結社に。正道会の暗殺部隊は青龍、朱雀、白虎、玄武と4班に分かれていたが、レギオンにはそういう区分はないもよう。っていうかカリートさん以外にめぼしい暗殺者がいるのかどうか疑問。

・陳侍従長の出番はなし。

【第2話】

・信宏が朝から勝手にキャッツ・アイの掃除をしてパジャマ姿のファルコンに怒鳴られるというのは原作4巻に出て来るシーンにほぼ忠実。原作では「私のパパになって!」と言ったりしているけど、ドラマではそもそも香瑩がまだリョウに「パパになって!」を言ってないので信宏も言わなかった。

・香とリョウの出会い、シティハンターは香の兄である槇村が始めたもの、という「回想」はドラマではドクや冴子が話して聞かせるふうになっていた。原作では香瑩の夢。5巻の終わりから6巻の始め

・香瑩がケバブの屋台の親子を助けるという話は原作にはない。でも最後にリョウが香瑩に言った「おまえはいいことしたんだよ。あの子にとってもおまえ自身にとっても」という台詞は5巻にある。信宏がひっかかったデート詐欺の女の子を救う話絡み。(信宏ってホント、青龍部隊ではピカイチの暗殺者だったはずなのに、あっという間にただのもっこり君に成り下がったよね(^^;))

【第3話】

・幸運の少女ミキちゃんのお話。原作では13巻から14巻にかけて。原作ではまず冴子がミキちゃんの虜になるけど、ドラマではそこは省かれてファルコンがミキちゃんにメロメロになるところから。

・原作のミキちゃんはファルコンに引き取られてから小学校に入学して、17巻時点で小学1年生。ドラマでは10歳になっていた。原作では父親が某国国王という話が出て来るけど、ドラマ版はその設定はなさそう。母親と二人で隠れて生活していた年数も少ない感じだった。新宿に流れてくるまでは普通に学校通ってたのかな。ドラマ4話目で復学してたけど、もし一度も学校行ったことなかったらついて行くのが大変だよね。10歳なら小学4年ぐらいだもの。

【第4話】

・自分に移植された心臓の家族を探す高畑と、綾菜のお話。原作では12巻~13巻。原作では綾菜と姉のサオリは双子だったけど、ドラマでは特に双子という感じではなかった。双子だと15年前に16歳だったから高田里穂ちゃん31歳の役ってことになるもんね。(現実の里穂ちゃんは21歳)

・原作では増水した川の濁流に飲まれての事故死。ドラマでは崖からの転落死。水難事故は映像化が大変そうだし、現実に水害の多い昨今、放送がはばかられたのかな……。

・高畑が残した「祝!生還!」のアニメ(?)の再現度高かった! スタッフの原作への愛を感じました。

【第5話】

・白蘭と早川の話。原作11巻~12巻。果たして「白蘭は信宏のことを好きだった」設定は生きているのでしょうか? ちゃんと信宏の見せ場回になるといいなぁ。

・白蘭は今は正道会の「白虎」にいて、白虎章を信宏に託す、というところはドラマでは省略かな。そもそも白虎とか青龍とかないただの「レギオン暗殺部隊」だもんねぇ。

・それにしても「嫌だから抜けた」で足を洗ってしまった信宏はレギオンに狙われてないんでしょうか。香瑩のこと心配する前に自分のこと心配すれば?と思うんだけどどうもレギオンは信宏のこと何とも思ってないみたいで……。もしかして白蘭は「信宏を釣る餌」として描かれたりするかな? 11月8日の放送を楽しみに待ちましょう。


【11月10日追記】

※第5話補足

・5話の放送終わりました。残念ながら「白蘭が信宏を好きだった」設定は生きていませんでしたね。レギオンの暗殺部隊で親しかった、信宏は白蘭の存在に救われていた、というところまでで、白蘭が信宏に「好き」と告白した回想シーンはなかった。まぁ暗殺部隊の設定がそもそも違いますし、しょうがないですね。

・白蘭がカジノでディーラーを務めている設定もなく、早川が襲われるのも別荘ではなく自宅、最後に白蘭が心を癒しているのも海外の離島ではなく早川の生まれ故郷(ロケ地は相模湖だったらしい)でしたが、ストーリー自体はかなり忠実に再現されていて、よくできてました。早川邸が炎に包まれる描写がなく、爆弾で退路を断たれた割にうすぼんやり煙が漂ってるだけみたいなのだけが残念。いつでも逃げられそうな感じだったよね(^^;)

・あとレギオンの暗殺部隊が相変わらずしょぼすぎるのと、やっぱり信宏は裏切り者とも何とも思われていないというのが(笑)。少しは信宏のことも気にしてあげて、カリートさん!

【第6話】

・第6話予告を見て歓喜! また葛山信吾さん扮する槇村兄に会える~~~~♡ 原作8巻収録の冴子ストーカー話。ドラマ第2話で槇村さんの話してる時は「冴子と槇村さんが恋人同士だった」っていう設定はドラマでは省略かなぁと思ったし(あまり冴子がそういう素振りじゃなかったから)、けっこうエグいお話なのでドラマではやらないかと思ってたんです。冴子そっくりのヒロインが登場する伝説のゲーム「デビルクロウ」がどう再現されるのか楽しみ♪

・でも最後どーするのかな。原作の遠山、大動脈瘤破裂かなんかでブシャー!とスプラッタなんだけど……。


【11月17日追記】

※第6話補足

・伝説のゲーム「デビルクロウ」は出て来ませんでしたねぇ。ゲームのヒロイン・ヘレナと冴子がそっくりっていうやつ。「銀の弾丸」も原作ではゲーム由来で説明されてたけど、ドラマでは唐突だった感じ。なぜ10年経って今さら遠山が出てきたか、っていうのもちょっとわかりにくかったなぁ。

・「こんなに体が冷えて…」って冴子が中学生くらいの遠山を抱きしめる回想シーン、マンガで読んだ時はそんなに思わなかったけど、実写で見ると「なぜそこで抱く!」ってツッコんじゃいました(笑)。通りすがりの男の子を抱きすくめるとか冴子~~~~~。あんなセクシーダイナマイトなお姉さんにギュッとされたらそりゃ人生狂うよね(^^;)

【第7話予告】

・原作6巻~7巻収録の「夢ちゃん」のお話。香瑩がグラスハートとして最後に殺した相手マッド・ドッグの娘、夢ちゃん。動かない父親に「パパぁ!」と呼びかける彼女の姿に、香瑩は「もうこれ以上は無理!」と死を選んだ……。その夢ちゃんがシティハンターに父親の正体を調べてほしいと依頼しに来る。果たして香瑩は――。

・このお話もとても好きなんだけど、ドラマではまだ「リョウぱーぱ」になっていないので、「親より先に死ぬのは一番の親不孝」っていうあれが……どうするのかな。あと正道会と陳さんがいない部分はどう埋めるのか。

・6話の最後でレギオンのトップ李大人が「グラスハートを連れてこい」とカリートさんに命令していましたが、その件と夢ちゃん事件とは絡むのかしら??? 7話も楽しみです。


【11月23日追記】

※第7話補足

・夢ちゃんはバイオリニストからピアニストになっていましたね。ピアノの方が色々と楽なのでしょうね。最後の場面も空港ではなく夢ちゃんの家でのお見送り。空港でロケするのは大変なんでしょうね(^^;)

・「同じ不幸を味わわせるなら俺を撃て」というリョウの台詞。やっぱりまだ「リョウぱーぱ」になってないので今ひとつ説得力が……。「俺は香瑩の父親みたいなものだから」ってまぁ、わかるけど少し残念。陳さんや正道会がいない分、信宏がしゃらっとマッド・ドッグとドッグ・ウォーカーのことを説明していましたね。ほんと、こんなに内情をよく知ってる奴をなんでレギオンはほったらかしてるんでしょうか(笑)。

・6話最後で「グラスハートを連れてこい!」と言っていた李大人。7話最後でも同じこと言ってました。グラスハートを連れてこようと思って様子を見てたらマッド・ドッグの話が出て来たので先にドッグ・ウォーカーを始末して……ということだったのでしょうが、カリートさんが仕事してないように思える(笑)。ドッグ・ウォーカーを狙撃した後わざと薬莢を残していったようだったカリートさん。リョウと香瑩のストーカーやってるうちにほだされてきちゃったんでしょうかね。

・夢ちゃんの家庭教師にして後見人であるハルカさんが仮面ライダー電王の「お姉ちゃん」こと松本若菜さんでしたね。こないだは比奈ちゃんゲストだったし、なんか私得(笑)。

【第8話予告】

・やっとカリートさんが「連れてこい!」という李大人の命令に従い、香瑩を拉致するもよう。ここからオリジナルストーリーになる感じですね。李大人が香瑩の父親でありリョウとも知りあい(どころかかなり親密)という原作の設定はどのように料理されていくのでしょうか? そもそもあと何話あるのか…。全10話ぐらいの予定なのかなぁ。




という上川さんSTAFFつぶやきによるとカリートさんの過去も描かれるようで……。実はカリートさんは香瑩の兄さんとか……ないよね?(笑)


【12月1日追記】

【第8話感想】

・オリジナルストーリーではあるものの、原作ではごく初期に置かれている新宿攻防戦のシーンが一部再現されていました。監視カメラ越しにリョウが冴子に向かって「言えよ、あの言葉を」と迫るところとか。その後の「これが最後の会話になるかもしれないっていうのにあなたって人は……!」という冴子の台詞とか。あの辺は原作通りなんだけど、実写でそのままやるとやっぱりむずむずしますね(^^;) 真っ昼間にそんな格好で歩いてるとかレギオンの戦闘員おかしいと思わずにはいられないし(笑)。原作では新宿攻防戦は夜だったよね??? せめて夜ならなぁ、と思いました。

・なぜか沖縄顔ゴリさん大フィーチャー回でしたが、あの沖縄のシーン要る?(笑) 帰ってきて「香瑩を助けたいでも怖い」と逡巡してるシーンも、正直要らなかった(爆)。

・毎回言ってるけど秘密結社レギオンがヘボくて……。戦闘員もヘボいし、グラスハートが閉じこめられていたのもなんかすごくヘボそうな場所で……でもレギオンの本部(というか李大人が普段いる場所)だったみたいだし。色々仕方ないのはわかるけどむずむずする~~~~~。

・そしてカリートさんの過去。もしや香瑩と兄妹設定!?と思ったけど妹は別人でしたね。暗殺者として育てられてる割には一緒におにぎり食べてたりして、妹ちゃんも無邪気に「お兄ちゃ~ん」と走ってきたりして、あげくに「敵組織が仕掛けた爆弾で死亡」……。そんな内部(戦闘員の訓練場?)に爆弾仕掛けられてる時点でレギオンやっぱヘボいし、むしろ「妹はレギオンに殺された」の方があり得るのでは。カリートさんに現世での未練を残させないために。

【最終話予告】

・全10話くらいかと思っていたらもう9話目で最終回でした。早っ! 最終回では李大人と香瑩の関係が明かされ、香瑩がリョウに「私のパパになって!」と言うんでしょうね、きっと。晴れて「リョウぱーぱ」になったリョウと香瑩が一層仲よく活躍するシーズン2があるといいなぁ(気が早い)。


【12月8日追記】

【最終話感想】

・うーん、微妙だったなぁ(笑)。李大人と香瑩の関係が明かされて、晴れて香瑩が「私のパパになって!」を言うわけですけど、「娘と話をしてみたかった」だけの理由で組織の人間をあんなに犠牲にする李大人がただの困った人にしか見えず……。いくらカリートさんが死んでなかったと言っても、ここまでのカリートさんの苦労は何やったん?という想いが拭えませんでした。原作でのもろもろを端折らざるを得ないのはわかるけど、やっぱり端折ると無理が出ますよねぇ(^^;)

・「俺はお前たちが……」まで言ってビルから飛び降りたカリートさん。続く言葉はやはり「羨ましかった」でしょうか。人間らしい心を取り戻しながらも、「幕は自分で引く」とばかり宙に身を投げる最期はなかなかにいいシーンのはずなのですが、しかしそもそもは李大人の我が儘が引き起こした騒動と思うと「カリートさん死に損」とつい醒めた目で見てしまいました。あの高さから落ちて生きてるというのもかなり無理があるし。最後、キャッツアイに女性の依頼人が現れた時は「え?まさかカリートさんオカマになった?」と思っちゃいましたよ。組織から身を隠し名実ともに生まれ変わるために性転換したかと(笑)。

・新宿攻防戦はおおむね原作第3巻に描かれ、李大人が香瑩を抱いて歩き、香瑩が「私のパパになって!」と言うシーンも3巻に含まれています。その後ドラマではクリスマスになり、リョウが香に渡せなかった指輪を香瑩にプレゼントしますが、これは原作ではどーんと飛んで第18巻の最後のエピソードですね。クリスマスなので原作では芳玉(ファンユイ)姐さんが現れるオチになりますが……シーズン2ではぜひ芳玉姐さんにも登場してほしいものです。

・レギオンがしょぼかった&最終2話に無理があったとはいえ、全体としては面白かったです。よく実写化しましたよねぇ、ホントに。最後の最後に100tハンマーも出てきましたし。リョウぱーぱ、香まーまになって、原作ではそこからが本編。連続ドラマでのシーズン2は無理でも、スペシャルドラマくらいで続編があるといいな♪


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