シティハンター
『エンジェル・ハート2ndシーズン』第16巻(完結)/北条司
うーん、そーか、そんなに長く続いてたのか。
あの『シティハンター』が復活、しかもいきなり香が死んじゃってるという衝撃展開に驚いたのももうそんなに昔のことだったとは。
連載初回、宝塚観劇から帰る途中、尼崎のブックキオスクで雑誌を立ち読みしたことを覚えてます。あの時まだ息子ちゃんたったの2歳とかそんなんやったんか……。
いい加減コミックスの置き場所にも困るのでそろそろ終わってくれてもいいよ、と思ってはいたものの、いざ「終わる」と聞くとやっぱり寂しいのが人情。発売日直後に買ったものの一週間以上読まずに寝かせていました。
覚悟を決めて頁を開いたら、「あれ?楊さんの結婚式???」。唐突だなぁと思いながら最後まで読んでしまった後で。
なんか腑に落ちず15巻を読み返そうと思って探したら、ない。14巻までしかない。
あれ?
もしかして、15巻買い忘れてる……? 飛ばして16巻読んでもうた?
まぁ楊さんの結婚の話は15巻飛ばしててもわかるし、問題はなかったんですが。
うーん。
17年の連載を締めくくる最終巻にしては面白くなかったかな……。香は着られなかったウェディングドレスを楊姐さんが着る。そしてそれを香瑩やリョウが見守るっていうのは素敵な話だとは思うけど。
二十歳になった香瑩が、「香の幻」ではなく、自分自身として大人の女性になって楊さん達を見守り、カメレオンの生き方に涙を流す。
香瑩、最初15歳だったっけ? 殺し屋として生きていくのに疲れて自殺した女の子、「殺し屋としての自分」以外には生き方を知らなかった女の子が、5年経って「自分の人生」を手に入れた。香とリョウの娘、シティハンターとして生きていく人生。自分の意志で歩いて行く道。
「香の幻」が出てこない、すべては成長した香瑩自身の感じ方なんだ、っていうのは良かったけど、でもカメレオンの話は「はぁ?」という感じでした。
外見も声も変幻自在という設定からして反則なカメ子、これまでもリョウや香瑩に異常な執着を見せていたし、今回のようなことをしでかす心理もわからなくはないけど、でもあんなことしても一過性でしかないよね?
だってすぐに香瑩が駆けつけるのは目に見えてる。
むしろ香瑩を急がせて、少しでも早く着くように自分で仕向けてる。
まぁ、カメ子ちゃんに理屈を求めてもあれだし、香瑩にも「見せつけたい」「見てもらいたい」だったんだろうけど、お話としてあんまり面白くなかったなぁ……と。
最後、セリフなしで「みんなのその後」が描かれる数ページ。これまでずっと信宏の片思いっぽかったのがちょっと進展したらしいのは良かった♪
これまでだってもちろん香瑩は信宏のこと大事に思ってたわけだけど、その想いは家族や仲間に向けるものとは少し違うんだ、って自覚したのかな。そういう意味でも香瑩、成長したってことなのかな。
巻末にはこれまでコミックス未収録だった新宿鮫とのコラボ作品。香ってどんだけ色んな人と知り合ってんの、しかもことごとく愛されてんの、って思いました。もう香の「いい人伝説」はお腹いっぱいだよ、みたいな(^^;)
ともあれ17年。
楽しませていただきました。毎回泣かせていただきましたよ、ほんと。
さて15巻、どうしようかな……。
【関連記事】
・『エンジェル・ハート2ndシーズン』第12巻&実写ドラマ
・実写版『エンジェル・ハート』覚え書き
・『エンジェル・ハート2ndシーズン』第7巻/北条司
・『エンジェル・ハート』第29巻/北条司
・有限の時間の中で(『エンジェル・ハート』28巻絡みの記事)
・『エンジェル・ハート』ミキの声
0 Comments
コメントを投稿