(※以下、ネタバレあります。これからご覧になる方はご注意ください。セリフ等はうろ覚え、「こんな感じだった」というだけで、まったく正確ではありません。記憶違いも多々あると思いますがご容赦)



はい、見に行ってきました、映画「トロピカル~ジュ!プリキュア」。
ついにプリキュア映画にまで手を出してしまった……。

仮面ライダー映画を一人で見に行くおばさんとプリキュア映画を一人で見に行くおばさん、さぁどっちがキモい!? どっちも???

まぁ人目を気にしていたらヲタクなんてやってられません。好きなものは好き、好きなものを楽しんで何が悪いの、私、最高にトロピカってるでしょ!?

てなわけで。
楽しかったです!
楽しいばっかりじゃない、ちょっとせつないお話だったけど、それも込みで良くできてて、素敵な作品でした。
なんというか、ヒーロー物の王道な感じがしたなぁ。「敵を倒す」ことと「敵を救う」ことがイコールで、友情もアクションも、そしてコミカルな部分もたっぷり

物語は、まなつ達のところに不思議な招待状が届くところから始まります。それは雪の王国シャンティアの王女シャロンからのもので、「私の戴冠式に是非おいでください」という内容だったのだけど、持って来たのはふわふわした雪玉のような謎の生き物だし、手紙は立体映像のような奇妙な代物だし、明らかに怪しい

怪しいけど、「戴冠式なんてめっちゃトロピカってる!」「私、本物の雪見るの初めて!!!」とまなつが盛り上がり、他の面々もそれぞれ興味を惹かれてみんなで招待に応じることに。

誰も聞いたことのない国、どこにあるかもわからない国シャンティア。よく親御さん達許可してくれたなぁ、と思うんですが、そこに引っかかってると話が進まない。
しかし「どこにあるかわからない」のにどうやって行くか、というと、ヨーロピアンな雰囲気の白い専用列車が「招待された人々(まなつ達の他、大道芸人や音楽家たちなど)」をシャンティアまで運んでいってくれる。

国境はどうなってるんだー、パスポートはー!? てか、いかにも怪しい謎の列車、乗り込んだが最後眠らされて鬼に喰われるのでは???

オープニングタイトルが流れる間、みんなの電車内での様子が描かれるんですが、意外にお茶目なあすか先輩。2人ずつ向かい合って4人掛けのシートに無理矢理5人目として座ろうとして座れず、「ならばじゃんけんだ!」とチャレンジするもじゃんけんに負け、一人寂しく隣のシート、でもみのりん先輩も隣に移ってきてくれて、「ありがとう~~~!」と抱きつこうとしたらサッと本を開かれ、「私、一人で読書に集中したいだけだから(キリッ!)」と無言で表明されがっくり。

誰かぁ~あすか先輩の隣に座ってあげて~~~~~。

大道芸人さんたち他の乗客とも触れあいながら楽しく進んで行く電車。そうして。
「国境の長いトンネルを抜けると、そこは雪国だった」

雪の国、シャンティアに到着。
まなつがはしゃぐのはもちろん、ここでもあすか先輩、雪だるま作っててみんなに置いてかれそうになったり、雪合戦を率先したり。

お茶目なあすか先輩の姿を見るだけでも映画館に来た甲斐があった(笑)。

で、雪合戦でローラがうっかり雪玉をぶつけてしまったのが「ハートキャッチプリキュア」のえりかちゃん。
「ハートキャッチプリキュア」側はもっぱらえりかちゃんがメインでしたね。そしてトロプリ側はローラがメイン。えりかちゃんはキュアマリンなので、キュアラメールのローラとは「海」繋がり、性格的にもちょっと似た感じ。

雪合戦のあともローラとえりかちゃんが言い争って、でもちゃんと「さっきはごめん」と謝れるえりかちゃん偉いし、それを受けて「私もごめん」と言えるローラ。

えりかちゃんとまなつが2人で話してて、「私にはつぼみがいるから」とえりかちゃんが言うと、「ローラには私がいるよ!」と屈託なく言えるまなつもすごくいいよね。この映画のヒロインはローラだけど、でもまなつがいるからこそローラもローラでいられる。

常々「グランオーシャンの女王になる!」と言っているローラ、シャンティアの女王になるシャロンと心を通わせ、シャロンから「相手の幸せを願う指輪」を贈られ、シャンティアに伝わる歌も教わり、互いの国の繁栄を祈り合うのだけど。

実はシャンティは「幻の国」なんだよなぁ。

映画を見ている私たち観客には、冒頭のシーンでネタバレされているんだけど、シャンティアにはもうシャロンしかいなくて、他に国民はいない。戴冠式に招待されたのは、そのままシャンティアの国民になるべく呼び集められた人々。
だから、彼らが帰ろうとするとシャロンは雪のモンスターを生み出して攻撃してくる。誰も外へは出さない、帰さない、「あなたたちは私とともに“幸せの国”を作るのです」。

まずはトロプリメンバーが変身、モンスターと戦うも、雪のように次から次へと降ってくるモンスター。倒しても倒してもキリがない。
そこへ「はーはっはっ!ついに我々の出番が来たようだな!」と高い塔の上から名乗りを上げるえりかちゃん。

「何もこんな高いところでやらなくても~」「高いところ、格好いいじゃん!」
えりかちゃん面白いなぁ。ハープリ見たことないけど、すっかりファンになっちゃったわ。

えーっ!?あなた達もプリキュアだったのぉーっ!?
「ライダーは助け合いでしょ」ならぬ「プリキュアは助け合いでしょ」、「プリキュアダブルキーック!」とか「プリキュアお尻アターック!」とか、2組のプリキュアによるアクションシーン、すごく格好いいし盛り上がる♪
変身バンクが長くてプリキュア一人一人しっかり見られるのも楽しい。

途中、ハープリの面々が地下牢みたいなとこに捕らえられちゃって、トロプリが助けに向かうものの扉を開けられない。みんなで渾身の力で押しても扉はびくともしない。
そこへくるるん。
気がつくとしれっと牢の中に入っているくるるん。
そしてしれっと尾びれで扉を引き開け出てくるくるるん。

「そっちかい!」

引き戸だったんですね~。こういう小ネタも楽しいわ、ふふふ。

シャロンが語るシャンティアの哀しい過去。シャロンの戴冠式の日、落ちてきた彗星によって壊滅してしまった王国。かろうじて地下に逃れたシャロンが、1万2千年の時を超え、彗星の力(?)によって蘇り、雪の妖精やモンスターを生み出し、幻の雪の王国を存在させていた。

もともとのシャンティアは別に「雪の国」ではなかったようなんだけど、シャロンの「心の花」スノードロップが哀しみのため凍りついてしまっていて、それで彼女が「雪の女王」のようになってしまっているぽい。
(企画意図としてはトロピカルや「まなつ」の反対で「雪」なんだろうという気はする)

同じように女王を目指す者として――そして同じように「自分の国(グランオーシャン)がピンチにある」者として、一度は心を通わせたシャロンを攻撃することにためらいを覚えるローラ。

「ローラは今、一番何がしたいの?」
まなつに問われて、シャロンを救いたい(シャロンと話がしたい、だったかな?)と答えるローラ。

他のメンバーは雪モンスターと戦い、ローラとまなつはシャロンのもとへ。
「あなたならわかるでしょう?」みたいなシャロンの言葉に一瞬揺れるローラの心。そこですかさずまなつがローラの腕(だったかな?)をパッと掴むカットがとても良かった。

「ローラには私がいるよ!」

家族も国民も何もかもなくして一人ぼっちのシャロンと、まなつ達プリキュアという仲間がいるローラ。同じように祖国がピンチで、同じように「女王」になろうとしている二人だけど、そこが大違いなんだよねぇ。

最終的にシャロンは倒されるんだけど、「私が倒れたらシャンティアが消えてしまう」と嘆くシャロンに、「私がシャンティアの歌を歌い継ぐわ。だからシャンティアは消えない、永遠に」と語りかけるローラ。

ここでシャロンが「永遠なんてない!」と即答するのがまたすごく良い。

彗星の衝突という理不尽な災難によって一瞬ですべてを失ったシャロン。愛するものも、自分自身も、一瞬で命を奪われ、彼らそのものは二度と蘇ることはないのに、何が「永遠」か、と思うよね。
諸行は無常、永遠に続くものなんて、ありはしない。

でも、ローラは確固としてる。きっぱりと、「あるわ! 私が歌って広めるのよ。誰もが知る歌になって、永遠に歌い継がれるわ」って答える。
そして「シャンティア~しあわせの国」」を歌い始めるローラ。まなつ達も(いつの間に覚えていたのか)和し始めて、その歌声の中で、シャロンは消えて行く……。「あなたに会えて良かった」という言葉を残して。

凍りついていたシャロンの「心の花」、スノードロップが花開く。その花言葉は――「希望」。

シャロンの消滅とともに魔法が解けて「幻のシャンティア」も消え、まなつ達は気がつくと出発地点、駅前みたいなとこに立ってる。実はまったく移動していなかったのかも???

そうして最後は、シャロンと約束したとおり、みんなで「シャンティア」の歌を歌い継ぐ。まずは商店街のお祭りのステージ。冒頭、シャンティアからの招待が来る前に、「最近出番が少ない」と嘆くローラに「こんなイベントあるよ?」とさんごちゃんだったかがお勧めしていたもの。

その時は「そんな小さな舞台じゃねぇ」と乗り気でなかったローラだけど、一人でも多くの人に聞いてもらわなきゃいけないもんね、シャンティアの歌。

ローラだけでなく5人全員でお揃いの衣裳着て歌うんだけど、あれ、途中でえりかちゃんがデザインしてくれてたやつだよね? みんな可愛い。特にさんごちゃんとみのりん先輩が可愛い! なのにアップが少なくて残念だった。すぐエンディングになっちゃって。

もっとあの衣裳のみんなを1人ずつアップで映して~~~。

「今やりたいことをやる!」というトロピカる部のテーマに対しての「永遠はある」だったりもするのかな。「今」はすぐに消えていってしまうけど、でも、残るものはあるというか。


「シャンティア~しあわせの国」はとても素敵な曲で、いまだに脳内ぐるぐる。


ハートキャッチプリキュアの面々も楽しくて、本編見たくなりました。1話目だけは公式さんで見たんだけど、実は夏休み期間に無料配信されてたというのを今知って激しく落ち込んでます。ええええ、そんなん知らんかったやん。知ってても映画見る前じゃ「まぁいいか」になるやん。映画のあとにも配信してください……東映さん、お願い

そうそう、東映作品なんだから当たり前なんだけど、映画の一番最初はあの「海ざっぱーん!東映!」映像で、ちょっとびっくりしました。私の中ではあの「ざっぱーん!」は特撮作品というイメージなので、「そーか、特撮だけじゃなく東映全部これなんだ」みたいな。

「ざっぱーん」の後に懐かしの「長ぐつをはいた猫ペロ」の東映アニメーションロゴ映像が入るところが特撮とは違う。
あれ見るとかつて梅田にあった「アニメポリス・ペロ」を思い出すんだよなぁ。まだ世の中にアニメショップなどほとんどなかった時代、ペロには本当にお世話になった……。

映画見る前、CMを見ている時に「入場者プレゼント、もらっても困るなー」と思ってたんだけど、あのプレゼントは中学生以下しかもらえないそうで、おばさんはもらえませんでした。もらっても困るけど、年齢でもらえないのはそれはそれで寂しい。
仮面ライダーは年齢にかかわらずもらえるのに(あれももらっても仕方ないんだが鑑賞記念にはなる)。

仕方がないので鑑賞記念にみのりん先輩をお迎えしました。可愛い。でも派手!

映画本編の話に戻ると、ローラがシャンティアの泉に飛びこんで泳いでるシーンがあって、雪の国シャンティアの泉、めっちゃ冷たいのでは!?と。グランオーシャンって南の海にあるイメージなんだけど、人魚は北極海だろうとどこだろうと、水温に関わりなく活動できるのかなぁ。(人間態としては普通に雪の国で寒そうにしてたような…)

なんかもうローラが人魚であること忘れそうになってるし、グランオーシャンが「あとまわしの魔女」にやる気を奪われてピンチ、というのも忘れかかってたんだけど、今回シャロンの物語を見て、改めて「あとまわしの魔女」の正体が気にかかりました。

「あとまわしの魔女」もやっぱり「倒す」のではなく「救わなくちゃいけない」のかなぁ、とか。

本当は彼女自身が「やる気」を取り戻して元の姿に戻りたいから人々の「やる気」を奪って自分のものにしようとしてるとか……。でも他人の「やる気」を注入してもうまくいかないってことが10月31日放送回でわかったし、「どれだけ人のやる気を奪っても、自分のやる気は自分で出すしかないんだよ!」と最後まなつに説教されるとか……(説教されても出ないもんは出ないよね)。

11月14日放送回ではみんなでグランオーシャンに行くらしいけど、グランオーシャン、全員やる気を奪われてへにょへにょになっているのでは???
夢の中のグランオーシャンなのかしらん。