(※以下ネタバレあります。これからご覧になる方はご注意ください。記憶違い多々あると思いますがご容赦を)

正式タイトルは『仮面ライダー THE WINTER MOVIE 仮面ライダーガッチャード×仮面ライダーギーツ 最強ケミーガッチャ大作戦』かな? いつもながら長い~~~~~。(公式サイトはこちら


12月22日公開のこの映画、なかなか見に行く時間が作れず、年の瀬も押し詰まった29日にやっと鑑賞しました。
すでに観てから一週間以上経っており、年末年始のバタバタもあって、もはや映画の記憶は曖昧。「ネタバレあります」と書いたけど、ネタをほとんど覚えてないかも(^^;)

全体の印象としては可もなく不可もなくというか、正直そんなに面白いとは思わなかったけど、めっちゃ退屈というわけでもなく、「こんなもんか~」みたいな。
近くに座っていた子どもたちがいわゆる「てんこもりフォーム」を見て「格好いい~」と声を上げたり、最後に「面白かった。全然怖くなかった」と言ったりしていたので、小さいお友だちには楽しかったのではないでしょうか。
「怖くなかった」ってとこ、重要かもしれない
大きいお友だちとしてはレベル10ケミーの造型があまりに幼児向けっぽいと思ったけど、あれで正解なのかも。

物語は、とあるレストランにりんねちゃん達がケミー退治に来るところから始まります。りんねちゃん、錆丸先輩、蓮華ちゃん、スパナの4人。スパナ、普通に仲良しっぽく参加してた。
本当は宝太郎もいるはずだったけど、彼は寝坊
「どうして起こしてくれなかったんだよ!」と朝からナンノちゃんと親子喧嘩。ナンノちゃんはナンノちゃんで、宝太郎の部屋で見つけたひどい点数のテスト答案を抱えて「ちょっと、これは何!?」と息子を詰問。
「勝手に部屋に入るなよ!」
「あんたが起きてこないからでしょ」
などとひとしきりやり合った末、「もう、お母さんなんか大っ嫌いだ!」と宝太郎が飛び出していってしまうんですが。

やり合いの途中にナンノちゃんが「お母さんが高校生の頃は」とヨーヨーを構えるシーンがあって、大きいお友だち大歓喜! いいぞ東映、もっとやれ東映。このシーンだけでチケット代の元取れたと思いました。

で、宝太郎が慌てて駆けつけた時にはもうりんねちゃん達がケミーを封印してしまってたんですが、そこへなぜかジャマトが現れ、ジャマトを退治するため道長たちも現れ。
いきなりライダーvsジャマトの大乱闘、ここのアクションは見応えありました。
宝太郎とスパナ、景和、道長、ねおんちゃんが変身、5人のライダーが入り乱れる。(スパナのヴァルバラドは厳密には“仮面ライダー”と呼べないのかもしれないが)
俯瞰で撮る絵とか、アクションシーンのカメラ割り良かったなぁ。

どのタイミングでか忘れたけどエース様も参戦。道長が「神の降臨か」とか言うの良かった。良かったけど、エース様、いつでも好きな時に人間態に戻れるの? ごく普通に、その辺通りすがったみたいに出てきて、「あれ?いつでも逢えるんかーい」ってなりました。
まぁ神様だし、なんでもできるんだろうな。そんでいつでも景和たちを見守ってて、ピンチになったら降臨してくれるんでしょう。

あらかたジャマトは片づけた、と思ったらどこやらから謎の光線が飛んできて、その光を浴びた景和、道長、ねおんちゃんがケミーになってしまう。それぞれタヌキ、牛、猫のぬいぐるみみたいな姿に。
「神様には効かないのか」ということでエース様は無事だったんだけど、なぜかギーツそっくりのキツネケミーが出現。

人間のケミー化、実はレベル10ケミーであるクロスウィザードの仕業。クロスウィザードは「3人を元に戻してほしければ5体のレベル10ケミーをすべて捕まえてこい」という条件を出す。
錆丸先輩&蓮華ちゃん&ねおんちゃん、スパナ&道長、宝太郎&景和、そしてりんねちゃん&エース様&ギーツケミーの4チームに分かれて「ポケモンGetだぜ!」な冒険に繰り出すことに。

ケミーにされたねおんちゃん達、人間には戻れないけど、一旦カードに封印して「ケミーライズ」すれば仮面ライダーの姿には戻れるという、「なるほど!?」な仕様。それぞれのチームのキャラの絡みは面白かったです。スパナと道長の組み合わせとかいかにも反りが合わないと見せかけて似たもの同士、みたいな。
ねおんちゃんチームにはボディガードのジョンも登場。あれ「トップガン」か何かのパロディーだったのかな、滑走路で飛行機(映画ではレベル10ケミー・エクシードファイター)を誘導するやつ。トムさん、冬映画にも出られて良かったね(何目線)。


りんねちゃん&エース様チームのことが気になって気になって、あとをつけていく宝太郎、レベル10ケミー・テンフォートレスの城塞内部でやたらにトラップに引っかかる。そして城塞の中で優雅に赤いきつねを食べているエース様……。CMだけじゃなく映画にまでそのネタ出してくるとは!

5体全部Getしてクロスウィザードのところに戻り、景和たちは無事人間に戻った…んだったかな。戻ったけど、今度は夢の世界に閉じ込められてしまう。
宝太郎は「半年後。ギーツに出会ったことで俺の人生は変わった!」とかになってて、「ケミーのいない世界」になってたような。
自分ちのお店で、キャラ変した錆丸先輩、蓮華ちゃん、スパナに懐かれてて――3人ともいつもと違う格好&キャラで楽しかったんだけど、具体的にどんな衣装だったのかもう忘れてしまった。ナンノちゃんとも仲直り、すっかり宝太郎に甘くなっているナンノちゃん。
そこではたと「あれ?おかしいな」と違和感に気づく宝太郎。

ナンノちゃんと最初に仲違いしたことが物語の一つの芯としてあるの、良かったな。
「ちゃんと母さんに謝らなきゃ!」って思うことで夢の世界を脱するの。

道長はまた夢の世界で「焼き肉食い放題だーっ!」ってやってたし、景和は例のうどん屋さんできつね蕎麦を食べていたような。
そしてりんねちゃんは夢の中でお父さんに会う。「お父さん生きてた!」と喜んだのもつかのま、それは夢だった……。

クロスウィザードの魔法でみんな夢を見せられていた。「それぞれの願いがかなった世界」「ずっとそこにいる方が幸せでしょ?」という夢。
でももちろんみんなはそんな夢の世界よりも「現実」を選んで、えーと?どうなったっけ?

唐突に「そろそろ頃合いか」とか言っておもむろに釘宮調査官が現れて、クロスウィザードの黒幕は釘宮でした、になる。
釘宮、序盤でミナト先生が「みんな、どうした?」みたいにレストランでの出来事をモニター(?)で見ている時にもちらっと出て来て、意味ありげなこと言ってたけど内容は覚えてない。
ミナト先生があそこで「明らかにマルガムではない変な怪人(ジャマト)が出てきて生徒たちが戦ってるのに様子を見に行こうともしない」のはちょっと気になりました。何と戦ってるのか、ジャマト自体は見えてなかったのかもしれないけど、当初のケミー退治だけで終わってなさそうでもほったらかしなのか~と。

で、釘宮調査官の狙いは宝太郎ではなくエース様。
実は釘宮さん、2000年前にエース様に闘技場で負けてて、その復讐のために転生を繰り返し、錬金術を習得し、機会を窺っていたとかで。
古代ローマっぽい衣装で筋肉ムキムキの2000年前の釘宮さん、エース様の方もムキムキだったけど顔が映らなくて、どうも別人のようだった。
釘宮さんが宝太郎をマークしていたのも「彼が力をつけていけばそのうちギーツも現れるだろう」みたいな狙いだったらしく。いや、それ、「別世界のライダーとも映画で共演する」を知りすぎたメタ発言では??
「おまえもデザグラの参加者だったのか!」と景和たちはすぐ納得していたけど、デザグラ参加者なら「いくつもの並行世界」を知っているのも当たり前、「こっちのライダーをマークしてればいずれ…」と思うのは普通なのかな。

釘宮さんはクロスウィザードも取りこんでマルガム化。すぐには倒せなくて、りんねちゃんが「私に考えが」とか言って、夢の世界で「お父さんに聞いてみる」を実行する。
あそこ、りんねちゃんがどうやって再び夢の世界に入ったのか謎だったなぁ。単に「寝ればお父さんの夢を見る」ではなく、クロスウィザードに見せられた夢の続き、夢の中で起きたことが現実にもリンクする特殊な夢だったのに。
屋上みたいなところでベッドに横たわって眠るりんねちゃん、彼女を守って戦う錆丸先輩たち。なんでわざわざそんなとこで寝てるんだったっけ……。

ともあれ夢の中でお父さんに無事変身の力(?)を託され、目覚めたりんねちゃん、いきなり変身。
「この一言で私は変わる。字(あざな)は仮面ライダーマジェード!」
いい名乗りだよね。格好いい。「この一言で~」が「変身!」という言葉を意味するのかと思っていたら「あざなは」って来るのも面白い。「名付けることによって存在のあり方が変わる」「別のものになる」っていうの、錬金術にも言霊思想があるのかな。

マジェードもかなり強かったんだけど、最後はやっぱりギーツとガッチャード。爆発バックで並走するバイク、絵面が良かったです。気合い入ってた。
こんなふうにライダーがバイクで並走するの数年ぶりだそう。最近の仮面ライダー、そもそもあんまりバイクに乗らないもんねぇ。

マルガムは無事倒され、釘宮はミナト先生に連行されていってめでたしめでたし。

宝太郎は家に戻ってちゃんとナンノちゃんに謝り、和解。宝太郎が一晩帰ってこなくて心配していたナンノちゃん、「おかえり」ってハグするのなんかほろっとしちゃった。現実問題として高校生の息子が実は仮面ライダーで、日夜悪の組織と死闘を繰り広げてたら大変だよね…心配どころじゃないわ……。

そして、最後に明かされるギーツケミーの謎。「コーン!」しか言ってなかったギーツケミー、最後だけちゃんと喋っていた気がする。それでエース様が「コン、おまえだったのか!」って。

ごんぎつねか(´・ω・`)

映画の冒頭でエース様が雨の中、キツネにしては大きくて毛の長い動物を看取っている映像が流れるので、「これがギーツケミーなんだろうな」とは思って見てたけど、その正体はエース様のかつての飼い犬コンスタンティン

犬なのか!
キツネじゃないのか!!

まぁキツネ飼ってる人はあんまりいないだろうけど。

割とデカい感じの、名犬ラッシー的な(古い)犬だったので、劇中で可愛い声でコンコン言ってるのとだいぶ印象違ったし、なんかこう、「えー」と思ってしまいました。
最初に景和たちがケミーにされてしまった時、エース様は神だからケミー化を免れたのではなく、とっさにコンスタンティンの魂がエースを守り、コンスタンティンがケミー化していたということらしい。じゃあなんで犬ケミーじゃないんだ!と言いたくなるけど、ギーツに変身していたエースを通り抜けてケミー化したからギーツの姿になったとかなんとか。

ギーツケミーも、ねおんちゃん達がケミー化したぬいぐるみも可愛かったし、これはこれで楽しめたけど、ギーツチームはあんまり「活躍した」印象がなかったなぁ。エース様、けっこう思わせぶりな目で宝太郎を見ていたけど、真意はよくわからなかったし。
りんねちゃんの変身、そして釘宮さんの退場と、ガッチャードの方はテレビシリーズと繋がる重要なエピソードで、「これはあくまでガッチャードの映画だなぁ」という気がしました。

うん、映画でここまで「テレビ本編にも思いきり影響がある話」をやるの、珍しいよね。2号ライダーでありヒロインでもあるりんねちゃんの初変身をテレビでやらないなんて。
釘宮さんもガッチャード本編で重要人物な感じで出てきたのに、映画の仕込みとして出て来ただけだったなんて。ドラマとしてはギーツ側の人間だったなんて。

斬新といえばそうなのかな。

公開一週間経ってたけどまだ普通に入場特典もらえて、パンフも売り切れてはいなかった。

最寄りでは最初から上映回数も多くなく、ライダー映画大丈夫か、ライダー人気大丈夫か?と思わないこともなかったです。
「楽しかった!」と言っていた小さいお友だちたち、毎週ライダー見てるのかなぁ。ケミートレカで遊んでるのかなぁ。