(※以下、多少のネタバレあります。これからご覧になる方はご注意ください。記憶違い等はご容赦を)


はい、公開4日目、10月21日に観てきました、『ボルテスV レガシー』。思いがけず入場特典(超電磁ペーパークラフト)もGet。
地球にボアザン帝国軍が押し寄せる幕開き、ボルテスチームの初陣、そしてマリアンヌ博士の死まで1時間40分、フィリピンの“大きすぎる愛”を堪能しました。

いやー、ほんと、すごいな、フィリピン。よくもまぁ実写でこれだけ。

実は私、アニメ『ボルテスV』をちゃんと見たことがなくてですね。『コンバトラーV』は見てた&弟が超合金を持ってたのに、その後番組であるはずの『ボルテスV』を見た記憶がない。主題歌はよくよく知ってるし、プリンス・ハイネルのお噂はかねがね……だったのだけど、ストーリーは知らなかった。

なので東映特撮YouTubeでのアニメ配信を頑張って全話見て、この『レガシー』に臨みました。
ボルテスマシンや超電磁コマの再現度はもちろん、音楽もオリジナルを踏襲していて、「おおおおお!」ってなりました。戦闘シーンのあのBGM、オリジナルよりさらにパワーアップした交響曲みたいになってて、気分が盛り上がる。サントラ欲しいです。
初めて「ボルトイン!」する場面、映像以上に主題歌のあのイントロがね、「キタ━(゚∀゚)━!!!」ってなりますもん。音楽の力、強い。

ボアザン帝国側はズールがすごくズールでした。ズールだけ名前もオリジナルと一緒だし、見た目といい、小物感といい、ズールそのもの。マリアンヌ博士が石投げてる映像見て「なんと愚かな」と言いながら避けて、「愚かなのは避けるおまえだ」って言われるとこ、良かったなぁ。映像だから当たるわけないのに、「わっ!」ってとっさに避けちゃうの、素直だよね。

ハイネル様=プリンス・ザルドスの声は諏訪部さんだったんだけど、皇帝の声も諏訪部さんで、ザルドスが皇帝に「何やってんだ、不甲斐ない」とビデオ通話で怒られるシーン、一人で怒って怒られてをやってらして。ちゃんとザルドスは誇り高き青年、皇帝の方はいかにも性格悪そうな、器の小さそうなしょーもないおじさんの感じでねぇ。諏訪部さんすごい。

ボルテスチーム三兄弟の母親、マリアンヌ博士の声は堀江美都子さん。全然気づかないで見てて、クレジット見て「え!?」となりました。そういえばそういうニュースを見た気がするけど、全然気づかなかった……。『魔法少女ララベル』はじめ声優としても活躍してこられたミッチ、ほんとに巧くて自然で、しかも声がきれいで若々しい
50年近く前に主題歌を歌った作品の実写に声優として関わるって、それも1シーンだけとかじゃなく、がっつり出番ある重要な役でって、すごいですよねぇ。

「声」の話で言うと、楽しみにしていたのがキョウリュウジャーのノッさんこと金城大和さん。一平=マーク・ゴードンの吹き替えを担当。キャスト発表時のコメントで「青の戦士として地球を守る、僕には出来る気がします!」とおっしゃっていて、「ふふっ」となってしまいました。さすがノッさんですわ。
マークはノッさんよりずっとシュッとした青の戦士、思ったより台詞は多くなかったけど、金城さんの声も格好良かったです。

原作リスペクトでちゃんと馬に乗ってビッグファルコンに駆けつけるマーク。「いや、もっと急いで!」と思ってしまいましたがw 健一=スティーヴに「鞭は得意だろ」って言われるシーンもあったなぁ。
ボルテスVの初陣から凱旋してきて、アームストロング兄弟は母・マリアンヌ博士と抱き合い、めぐみ=ジェイミーは父・ロビンソン長官と抱き合い、家族のいないマークがその様子をなんとも言えない寂しそうな感じで眺めてるシーン、「ちょっと!誰か早くマークを抱きしめてあげなさいよ!!!!!」って思っちゃった。
最終的には浜口博士=スミス博士が「マーク、こっちに来なさい」とねぎらってくれるんだけど……博士、声かけるの遅いよ!!!
(今ググったら浜口博士は一平の母方の祖父らしい。ボルテスチームでは一人だけ家族がいないと思ってた一平、博士がじーちゃんだったの? じゃあなおさらスミス博士、早くハグしてあげてよ!)

全体的にひとつひとつのシーンをじっくり見せる演出になってて、「もっとテンポ上げて!」と思うところもありました。

スティーヴ達5人はシミュレーション訓練は受けていたけど、ボルテスマシンに乗るのは初めてという設定で、末っ子のリトル・ジョンは訓練すらも受けずにいきなり初陣。でも「シミュレーションシステムとボルテスマシンのシステムは同じ」と知っている。「なんで同じだってわかるんだよ」と突っ込まれ、「ハッキングしたから」と答えています。メカ全般に強いのはオリジナルの日吉を踏襲、でも日吉よりぽっちゃりしてて、「なるほど“ビッグ・バード”の弟っぽい」ビジュアルでした。

初めてボルテスマシンに乗り込み、「武器は音声で操作できる」と博士に言われて、「ボンバーミサイル!」「フリゲートミサイル!」などと叫ぶくだり、「ちゃんとしててすごい」と思いました。なんでわざわざミサイルの名前とか技の名前を叫ぶのか、という理屈がちゃんと通っている。オリジナルでも「声紋登録されたから他の人間たちではもうボルトインできない」という設定でしたが、「武器を音声で操作」は説明されていなかったような。

ボアザン側の「獣士」は「ビーストファイター」と呼ばれていて、地球人側がまず「ビーストファイター」と呼んだのを、ザルドスが「ほほぉ、ビーストファイターか」と逆輸入的に採用しているのが面白かった。
ビーストファイター、ボアザン側の最終兵器みたいな扱いされてたけど、でもあれ1体をどこか1地点に出現させるより、UFOみたいな戦闘マシン多数で空爆する方が絶対地球側にはダメージ大きいのでは……。
ボルテスVとはけっこう肉弾戦で、殴り合いみたいなことしてて、絵面としては格好良かったけど、やっぱり大量破壊兵器としては微妙なような(^^;)

ファルコン側の内部は空中ディスプレイとかホログラム通信とか、オリジナルよりも今風なシステムになってました。岡長官=ロビンソン長官がわざわざホログラムでファルコン内部に出現するんですよね~。ロビンソン長官役の人、ちょっと小澤征悦さん風味だった。

マリアンヌ博士の誕生日を祝うシーンで、「みんなどんな願い事したの?」と聞かれてリトル・ジョンが「お兄ちゃんがジェイミーと結婚しますように」とか言ってたんだけど、オリジナルではあんまりそういう「めぐみをめぐる恋愛模様」みたいなのは描かれてなかったよね? 一平はめぐみのこと好きなのかな~ってちょっと思ったけど。
マリアンヌ博士が命を落とすことを知って見ているから誕生日の団欒がせつなかったし、「こんな団欒をプリンス・ハイネルは知らずに育ったんだよなぁ」とも思ってしまいました。ハイネル様の人生、すごく哀しいよね……。

オリジナルでは最初からやたらに「父さん父さん」言ってた気がするけど、今回の映画では「父さんと母さんが開発したボルテスマシン」とちょろっと言及されてただけで、アームストロング兄弟の父親がどういう人物だったのか、なぜ不在なのか、ほとんど描かれてませんでした。圧倒的に「母と子」のお話。
最後の最後にボアザン星で囚われている江博士=フロスガーの姿が思わせぶりに映っておしまい。うぉー、続きを見せろーーーーー!

お母さんが死んじゃうの、オリジナルだと2話目だし、序盤も序盤。「これからもボルテスチームの戦いは続く」――というか、ここからが本番。超電磁リスペクト日本語吹き替えテレビ版、TOKYO MXだけじゃなく他でも放送して~~~~~。

フィリピン版は公式サイトの方で見られるようですが、言葉の壁が高い。東映さん、東映特撮YouTubeで日本語版配信してくれないかなぁ。