映画の公開も迫ってきたかの有名な
ファンタジーの傑作
『ナルニア国物語』
の第1巻。

実はずっと読んだことがなかった。
大学の頃、友だちに「えーっ、
あんた『ナルニア』も読まずに
ファンタジー作家になるつもり
なの!?」といたく怒られたものだ。
『モモ』も大学に入るまで読んだ
ことなかったし。

映画の予告編に刺激されたのと、
図書ボラ関係で子どもの本に対する
興味が強まっていたこともあって、
昨年末ようやく手にとった。
現在、3巻目の『朝びらき丸
東の海へ』まで読破。

なんとなく、「押し入れの中に
入ると別世界がある話」と思って
いたが、実際は「タンスの奥」
だった。
たくさん吊られた外套の中を
分け入っていくと、いつの間にか
腕に触れるものは布ではなく木の
枝になり、足は雪を踏んでいる。

そこは物言う獣たちの住む不思議な
世界ナルニア。

なるほどなぁ、と思った。
最初、4人兄弟の末っ子ルーシー
だけがナルニアに入って、他の兄弟
たちには信じてもらえないところとか、
兄弟のうちの1人、エドマンドが魔女
にそそのかされて兄弟を裏切って
しまうところとか。

ついついページを繰ってしまう。

百獣の王ライオンの姿をした
英雄(?)アスランもめちゃくちゃ
魅力的だし。

ナルニアの話を聞いてちゃんと
「そういうこともあるかもしれないね」
と信じてくれるお屋敷の先生。
3巻目に出てくる、物語を読んだこと
のないいけすかない少年に対して、
「つまらない本ばかり読んでいるので
彼は知りませんでしたが、竜という
ものはそういうものです」といった、
心憎い地の文。

ある年齢になるとナルニアには
行けなくなってしまうという設定。

子どもだけが見ることのできる
この世の真の姿。


私がこの本を読んでいる時、
「何読んでるの?」と横からのぞき
読みしていた息子は結局そのページ
から後(全体の2/3ぐらい)を
一気に読んでしまった。
2冊目は「いいよ、ぼく読まへん」
と言っていたが、3冊目の時は
やっぱり横からひったくった。

引き込まれるものがあるらしい。

この間図書館で低学年向けに絵本
にされた『ライオンと魔女』を
見つけた時は、「借りる!」と
言って嬉しそうに読んでいた。
オールカラーの絵がきれいで、
確かに読みやすかったけど、原作の
長さを考えるとやはりはしょりすぎ
だったなぁ。

あと4冊、がんばって読もう。