私はずっと、万年筆で日記を書いている。
初めて買ったのは、パイロットの700円の物。中学の時で、今でも使っている。しょっちゅう液漏れというか液溢れして、手が真っ青になる(この万年筆ではずっとブルーブラックのインクを使っている)が、「初めての万年筆」なので捨てられない。書き味は決して悪くないが、軽すぎる感じ。インクも水っぽいと感じる。

その後、高校入学だったか大学入学だったかの時に、親戚からお祝いとしてMorisonのペンセットをもらった。万年筆、シャーペン、ボールペンの名入りのセット。
この万年筆がものすごく使いやすくて、書き味良くて、ずーっと愛用していたのだけど、数年前に軸が割れてきて、インクがしみ出してくるようになった。それでもだましだまし使っていたんだが、いよいよ一年ぐらい前に使えなくなってしまった。

軸が割れ始めた頃、「代わりに」ということで夫にモンブランの万年筆を買ってもらった。
しかしこれが使えない。
細軸を買ったのが悪かったのか、どーも書き味が良くない。紙に引っかかる感じがする。おまけにモンブランのブラックインクは黒くない。青っぽいというか、薄いというか。
Morisonではプラチナ製のブラックインクを使っていて、この「黒!」という色がとても良かったのだな。箱に「より黒く!滑らか書き味」って書いてあるけど、ほんとにこう、鮮明なのだよ。ああ、まだカートリッジ5本も残ってる……。

そのうち慣れるかと思ってモンブランをしばらく使っていたが、やっぱりどうしても気に入らなくて、最近はuni-ball Signo(水性ボールペン)の超極細で日記を書いていた。(パイロット万年筆と一日交替で)

で。
先日、通販カタログでラミーの万年筆を見て、衝動買いしてしまった。
デザインが良かったし、ネットで検索すると「書き味が良い」と褒めている人がいて、まぁそんなに高い値段でもなかったので、注文してしまった。
が。

やっぱりしっくりこない。

たぶん、私の持ち方が良くないんだと思う。
ペン先の角度が、私の持ち方ではきっと最適にならないのだ。
私はペン先を斜めに向けて書く癖があって、Morisonではそれでもちゃんときれいに書けるのに(パイロットでも大丈夫)、モンブランやラミーでは書けないのである。
ラミーの場合、ちゃんと持ちやすいよう軸に窪みがつけてあるが、これがまた私にはよけいだったりする。真っすぐ持ちたくないねんってば。

そのうち慣れるだろうか。
慣れない気がする……。

やっぱり私にはMorison、と思って調べてみたら、もうMorisonの万年筆は売っていないらしい。がーん、そうなのか……。
じゃあせめてプラチナの万年筆を買えば良かったんだよな。インク残ってるんだから。ああ、馬鹿な買い物をしてしまった。
まぁ、インクが切れるまではせっかくだから使うけど。
その後は使わないかもしれない。きっと近所でインク、手に入らないだろうし(その点ではモンブランもお取り寄せなので不便。パイロットが一番無難だ)

もう一本、退職する時餞別にもらった万年筆があって、これはパーカー製。インクが付属していなかったので、未だ未使用。なので書き味は不明。
プラチナのインクカートリッジが使えるといいのになぁ。そしたらすぐに試し書きできるのに。
なんでいちいちメーカーによってカートリッジの形が違うんだか。統一しといてくれよ。
コンバータが付いてるから、別にパーカー製のカートリッジをお取り寄せしなくても、パイロットの「インク壺」を買ってくれば使えるんだが。
いっぺん試してみようかな。
一生このまま抽出の肥やしってのも何だしな。

昔は手紙も年賀状も小説の応募原稿も万年筆で書いていたが、今では日記以外で使うことはまずない。
だから、別にそんなところにお金をかけなくてもいいようなものなのだが、しかしあのMorisonの書き味が忘れられない。

手に馴染んだ愛用の万年筆……物書きの浪漫なのだ、うう。

(ちなみに写真は左からパーカー、Morison、ラミー、パイロット、モンブラン。Morisonのみ、ペン先に「ポチッ」とした突起がない。これが書きやすさの秘密か?? まぁ書き味やインクの色は結局好みの問題なんやろね)