昨日は永源寺に行ってきた。
「寂室禅師奉賛茶会」というのがあって、息子の茶道教室(1年生の時から通ってる)の先生が参加されるというので、チケットを買ってあったのだ。

チケットは、前売り2500円!!!
永源寺入山料と、昼食の永源寺そば、お茶2席分に番茶席券がついているので、まぁ妥当な値段なのかもしれないが、しかし息子が「行きたい」と言わなければ絶対自分では買わない値段。
二人で行くと5000円だもんね。

私と息子、それに義妹の3人でいざ永源寺へ。
お茶会は10時から3時。私達は11時くらいにお寺に着いた。
お茶席は息子の習っている遠州流、裏千家、表千家に煎茶の泰山流が参加。
まずは遠州流をよばれようと受付に行くと、160番の整理券を渡され、「12時くらいになると思います」。

え? 今、11時15分くらいだよ。45分も待つの??

しょうがないので先にお蕎麦をいただいて、12時ちょっと前に遠州流の方へ戻る。
かなり広い部屋に、1回50人ずつぐらい入ってお茶をいただくのだが。
皆さんやはり関係者が多いようで、服装こそ割とカジュアルなものの(もちろん着物姿の人もいたが)、扇子や懐紙、黒文字(お茶菓子をいただくための楊子)はしっかり持参。

え? 私達そんなもの何にも持ってきてませんけど……。

すごく軽いノリで、よくなんかのイベントでお菓子付きのお抹茶をふるまっているだけのような、そーゆーイメージで出かけてきたものだから、お菓子はお皿に載って出てくると思っていた。

違うんですよ。
ちゃんと本式に、次の人に「お先です」と挨拶して懐紙に自分で取っていくんですよ。
懐紙ないと、取るとこがないわけ。

ぎゃぼ〜、ティッシュじゃダメっすか〜〜〜!?

周りの人が見かねて懐紙を分けてくれました。
すいません、ありがとうございます。

持ってきてない人、私達ともう1組ぐらいしかいなかった。
常識なのね……。
黒文字ないので手でかぶりつき。ああ、恥ずかしい。
でもお菓子もお茶も大変にけっこうなお味でした。




次は煎茶席へ。
こちらはそれほど混んでいず、タイミングも良くて10分程度の待ち時間。
煎茶道というのは本当に初めて見るものだったので、作法が面白かったし、ちょこっとのお湯に「そんなに入れるの!」という大量のお茶っ葉を使うのにびっくり。
家で「よく出した」お茶よりさらにしっかりと出ていて、息子はさすがに「渋い。苦い」と言っていたけど、煎茶好きの私には実においしいお茶だった。

午前中は曇っていたものの、その頃には陽が照って、新緑が実に美しく、少々強すぎるものの風も爽やか。
山を借景にしたお庭はずっと見ていても飽きない心地よさ。

いや〜、典雅ですな〜。

でも最後に行った「番茶席」が実に普通の「お茶とお菓子がもらえる休憩所」って感じで、なんか一番ほっこりしたけど(笑)。

「会記」というパンフレットにはちゃんと茶碗は誰の作とか、花器はどういうものとか、細々と書いてあって、本当に本格的な、こんなド素人が混じってていいんですか、というお茶会であった。

一応当日券もあったし、一席券というばら売りの券も売っていたので、ふらっと永源寺観光に来ただけの人もお茶をいただけたのだけど、しかしそんな人はやはり懐紙なんか持ってないだろうから困ったと思う……。

永源寺といえば紅葉の名所で、シーズンにはホントにすごい人で賑わうのだけど、あまりの人出で落ちついて見られない。
昨日は新緑も気持ちいい上に、人出はそれほどでもなく、のんびりと景色を愛でることができた。

子どもがお茶をやっていなければ、そして「行きたい」と言わなければ絶対に行かなかったと思うので、すべて子どものおかげ。

良い「母の日」でありました。