初めて少女マンガを読んだのは、確か幼稚園の時だったと思う。雑誌を買ってもらった。何だったかは覚えていない。『なかよし』や『りぼん』ではなかったと思う。

小学2年の時に友だちに『ベルサイユのばら』1・2巻を借りて感動し、3巻以降を自分で買った。
その後、4年生になる頃には、『別冊マーガレット』を毎月買うようになっていたと思う。
4年生の時に『ちゃお』が創刊されて、本屋でチラシをもらった私は『ちゃお』も買うようになったのだが、『別マ』はそれ以前から買っていたはずなのである。

おそらく『ベルばら』が「マーガレット」で、でも週刊誌を買うのは大変だから月刊の『別マ』を買うことにしたのだと思う。
うちの親はマンガに寛容だったが小遣いはくれなかった。
しかし毎月のようにおじいちゃんが遊びに来て「本でも買い」と千円札をくれるので、それで私は雑誌を買ったりコミックスを買ったりしていた。
今考えるととても恵まれた子どもだったと思う。

『別マ』で覚えている作品といえば。
(以下敬称略)
河あきら:『いらかの波』『山河あり』
くらもちふさこ:『いつもポケットにショパン』
槇村さとる:『愛のアランフェス』
大谷博子:『星くず』シリーズ
西条美恵子:『愛がすべて』『君だけに愛を』
沖倉利津子:『木曜日はひとり』(セッチシリーズ)
茶木ひろみ:『私の首領』『17の赤くなる病気』
多田かおる:『工事中ですよ!』『あこがれ色のキャンパスに…』
市川ジュン:『あじさい色の風の中』

「覚えている」というか、河さんとくらもちさん以外の作品はコミックスを持っていたのだ。好きだったし、何回も読み返してたから、ストーリーもけっこう覚えてる。
市川さんの『あじさい色の風の中』は友だちに貸したら行方不明になって戻ってこなかった。
哀しい思い出。

多田かおるさんはその後『愛してナイト』でブレイクするが、初期の短編が私はとても好きだった。

西条美恵子さんは活躍していた時期が短かったようなのだけど、私は彼女の絵がとても好きで、お話も好きだった。
長身の女の子がチビの男の子を「芽キャベツ!」と呼ぶあのお話はなんでしたっけ?それが「君だけに愛を」? う〜ん、わからん。
別の作品だけど……『中村さま方林礼二さま』!……今検索したら出てきた。そうそう、タイトルが面白かったから覚えてる。これ、『デラックスマーガレット』だ。そんなのまで買ってたのね(^^;)

柴田昌弘さんの『紅い牙』シリーズも最初は『別マ』だったし、和田慎二さんの『超少女明日香』も『別マ』だったよね?
どっちもコミックス持ってたなぁ。
さすがに今はもう手許にないけど。

『別冊マーガレット』の対象年齢は、一体何歳だったんだろう? 学園恋愛ものももちろんあったけど、『山河あり』は戦争がらみの話だったような。
『星くず』シリーズなんて、ヒロインが死んでその娘が成長していくのをずっと追っていたし、すごくしっかりした、「人生」について考えさせられるお話だったように記憶している。
小学4年生や5年生の自分がどれくらい「考えていた」かは覚えてないけど、感動して泣いてはいたよな……。

今、自分の子どもが小学生になって、学校の図書室にも関わって、児童書を見る機会が多いのだけれど。
「子どもが読む本」という位置付けをされているものは、主人公も子どもということがやはりとても多い。
「動物」とか。

文章だけで物語をのみ込まなきゃいけないのと、「絵」の説得力があるマンガとでは違いはあるけど、マンガなら小学2年生でフランス革命がちゃんと読めるし、幼稚園で明治剣客浪漫譚が読める(←うちの息子です。『るろうに剣心』、幼稚園の時に読みました)。
主人公が自分よりずっと年上で、国や時代といった置かれた環境が全然違っても、感動できる。

今の小学生がどーゆーマンガを好むのかわからないけど、「読者は小学生だからこんなもんでいい」みたいな作り方はしないでほしいな、と思ったりする。
もしうちに女の子がいたら、堂々と今の『マーガレット』買ってみるんだけど……きっとついていけない世界なんだろうな……。