タイトル長いでっせ、お姉さん。

昨日『南京路に花吹雪』について書いたせいで、ついつい昨夜『蘇州夜曲』を引っ張り出してしまい(上海リリーはリリィが正解でした)、ついでにヴァレンチーノシリーズまで引っ張り出してしまって、大変なことになっているひゅうがです。

自覚がなかったけど、森川さんの作品はほとんど手許にあった。最近のものはフォローしていなかったものの、もう手放したと思っていた『セルロイド・ドリーミング』や『イスタンブル物語』までちゃんと本棚に眠っていた。
そういえば『自選複製原画集』まで持ってるし。

一旦好きになるととことんのめり込む癖はホント、子どもの頃から変わっていない。

『南京路』を読んだのは中学生の時。
友だちと黄や本郷さんの話で盛り上がったのが懐かしい。

同じくらい好きなヴァレンチーノのシリーズは、高校1年の時友だちに借りて読んだのが最初だと思う。
イタリア物が好きな友だちで、塩野七生さんも同時に勧められた(でも読まなかった)。
その子自身がちょっとヴァレンチーノ風、長身で理知的美人、確か剣道もやっていて、周囲から「姐さん」と呼ばれていた。私の書く小説もよく読んでくれて、卒業してからも一度だけわざわざ原稿のコピーを送ったことがあったなぁ。今どうしているんだろう。

中学・高校時代は、頻繁に友だちとマンガの貸し借りをしていたから、作品を思い出すと、同時にそれを借りていた友だちのことを思い出す。
自分で持っているマンガは――特に『南京路』なんかはどこの本屋で買ったかまで覚えていて、とっくの昔に再開発で消えてしまったその本屋の棚の並びまで目の前に出てきて、我ながらこの執着は何だ?と思ってしまう。

買いもしないのに本屋めぐりをするのが趣味だったんだよなぁ。

『蘇州夜曲』を読み返して、私の「腕の立つ美青年」好きの原点は黄だったか、と思ったり、ヴァレンチーノシリーズではあの独特のせつなさというかやるせない感じが、「やっぱりずっと私はこーゆー系統のものが好きなんだな」と再確認したりした。
ヴァレンチーノの初出って、28年も前なんだよね。
私が最初に読んだのも、もう20年以上前だし。

今、森川さんは「さすらいのマンガ家」になっておられて、掲載誌にあまり恵まれておられないらしい。
もともとは白泉社、その後「森川久美全集」が出たのは角川で、最近は朝日ソノラマとか……。
ケータイにばかりお金がかかるせいか、少年マンガ誌も少女マンガ誌も昔のようには売れないと聞くし、マンガの場合「単行本書き下ろし」というのはほとんどないことを考えるとある程度しょうがないことかもしれないけど、しかしあれだけ実績のあるマンガ家でも発表の場に苦労するのかと思うと……う〜ん。

今ドキの少女マンガ、一方ではすご〜く低年齢化というか、「いかにも子ども向けで内容がない」とか、逆に小・中学生向けのはずなのに性描写がすごいとか、色々噂は聞くのだけど。
実際に読んだことはないから、どーゆーのが今ドキの子に受けているのか全然わからない。

『南京路』とか、今の中学生が読んでも面白くないのかな?
どうなんだろう。

森川さんのサイトをつらつらと見ていたら、元宝塚トップスター紫苑ゆうさんのことが書いてある個所があって。
え〜〜〜〜〜っ、森川さんもファンだったんですかぁ!!
早く言ってくださいよ!!!(笑)
紫苑さんは私を宝塚に引っ張り込んだ張本人で、最も宝塚らしい、最も愛するスターさん。彼女の体現していたものは、なるほど森川さんの描く世界とも通じているよなぁ。
(でもシメさんは黄じゃない……。どっちかっていうとヴァレンチーノか……。そういえばサヨナラ公演はイタリア物。ヴェネチアだったよね、舞台)

自分の好きなものがちゃんと繋がって、一貫性があるのがなんか嬉しい。

森川さんの最近の作品も、買わなくっちゃなぁ。