事務次官も辞めて、大臣も辞めて、農水省は大変でしょうね。

本当は対策を取ったり、色々なことをやっていかないといけないのに、なぜ「辞める」ことが「責任を取った」ことになるのか、不思議といえば不思議です。
まぁ太田さんは、「消費者がうるさいから」とか、色々失言が多くて、会見での態度を見る限り、あまりトップにいてほしい人ではなかったけど。

しかし農水大臣って、この2年間に入れ替わり立ち替わり、6人もいたらしい。松岡さん(だったっけ?)の自殺から始まって、事務所費問題で辞めた人多数……。

これじゃあ腰を据えて「農政」をやることなんてとても無理という気がする。

首相自体、2年で3人ということになるし、「政策の継続性」というのを期待する方が間違っているのか。

結局官僚が動かしていくほかないのも、本当に仕方のないことのような気が[E:gawk]


それはそうと、事故米の不正転売。

食用にしてはいけない米を不正に売ってボロ儲けしていた人達は決して許せたもんではないんだけれど、「食べようと思えば食べれなくもない米がゴミ同然の扱いを受けて山積みになっている」と思うと、なんか複雑な思いになる。

「食べられなくもない」と言うのは間違いかもしれない。でも、実際に口に入って、農水大臣も「大丈夫だ、たいしたことない」とか言ったわけで。
食べない方がいいけど、でも食べられないこともない食料が、厄介者のゴミになっているっていうのは、こう、落ち着かない感じ。

いや、まぁ、そんなこと言ったら、「普通に食べられる」食料自体、「残飯」としてアホほど捨てているじゃないかって話もあるんだけど。

事故米の多くは輸入米で、「ミニマムアクセス」として、「別に要らないんだけど買わされてるお米」だってところがね。

なんか、根本的に間違ってるような。

事故米じゃなくても「ミニマムアクセス米」の在庫はだぶっているみたいだし、保管しておくだけでもお金がかかって、事故米に至っては焼却処分にするにもお金がかかる。
そのお金って当然「税金」なわけで、農水省が「誰でもいいから持ってってくれりゃ幸い」と思うのも、まぁ、気持ちはわかるというか……。

「工業用」としての需要なんか、もともとほとんどないって話だもんね。

なんか、「食糧危機」が叫ばれるこの御時世に、「ゴミ同然の米」ってなんなんよ、って思うねんけど。


メタミドホス汚染米の方は、輸入した後でチェック項目に入って、遡って在庫を調べたら基準値を超えていて、倉庫の米がどーんと「事故米」になってしまったらしく、今更返品もできず……ということだったらしい。

これからは、輸入時のチェックで引っかかったものは「返品」することにするらしいけれども、「返品」するにもお金がかかるので、それを誰が負担するかは難しい問題。

……っていうか、そもそも「事故米」じゃなくてもだぶっているらしい「輸入米」。

今は77万トンのミニマムアクセス、100万トンに増やされる可能性も高いそうで。

要らないのに[E:sweat02]

そんな要らんとこに食べもん売らんと、要るとこに売ったったらええやん。
要るとこ、なんぼでもあるんちゃうのん?
そんなもったいなことしてたら罰当たんで、って思うねんけどなぁ。

貿易収支の問題で、日本は輸出で儲けてるから輸入も相応にしろって話なんだろうけど、食料に限って言えばめちゃめちゃ輸入してるはずでしょ?

自給率40%程度でしょうが。

そやのにまだ「米買え!」って、おかしいやん。


昨日紹介した橋本治さんの本(『ぼくらの未来計画』)の中に、「成功する資本主義の中で、農民は必ず貧乏になる」という一章があって、農業に対する補助金の話とか、貿易収支の関係で「もっと米を買え!」と外国から言われてしまう話とかも出てくる。

外国から「もっと米を買え!」と言われないためには、「工業製品の輸出で大もうけをしないことだ」とか。

それが「貿易収支」の問題だったら、まぁそーゆー話だよね。
そーゆー政策は、まず絶対取られないだろうけれども。
とにかく「景気をよくしないと!」なんだから、むしろもっともっと輸出して稼げ、って話になるんだろう。

そしてもっともっと「要らなくても買え!」と言われるのか……。

工業製品と食糧を同じレベルで考えないでくれ、って言いたいけどなぁ。


原油高で農業や漁業はほんとに危機にあって、大臣辞めてる場合とちゃうと思うけど。(そんなこと言ったら、首相を辞めてる場合でも全然ないが)