以前にご紹介した『宇宙への秘密の鍵』の第2弾がいつの間にか出ていました(笑)。

今回も、よくできています。

前作でおなじみの主人公ジョージとアニー、アニーのお父さんのエリックと、「宇宙につながるどこでもドア」を作ることのできるスーパーパソコン“コスモス”。そこへエリックの友人の子どもという9歳の天才少年エメットが加わります。

このエメットくん、天才すぎて他の子ども達とは相容れないらしく、「友達なんて一人もいない」という人生を歩み、夏休みを過ごすことになったエリック家でも何かとアニーと衝突。

アニーはアニーでなかなか強烈な女の子なので、その喧嘩っぷりは「どっちもどっち」、読んでると少々うざいです(笑)。でもその2人を仲良くさせてしまうジョージの一言がなかなか秀逸。

いつもはおとなしくて穏やかなジョージくんが「二人とも黙れ!」と叫ぶと、効果あります。

ジョージに理解があるとは思えないその両親をうまくあしらってジョージを助けるおばあちゃんや、物語の終盤、アニーが父エリックや“敵”に向かって言う台詞など、「外国っぽいなぁ」と思ったりしました。

なんか、日本の児童書だとこういう書き方はないんじゃないかなぁ、と。

おばあちゃんの造形はまぁ、日本でもあるかなぁ。

「地球以外に生命体は存在するのか?」という謎をめぐるジョージ達の冒険。収録されたたくさんの美しい宇宙の写真。途中、用語や事象に関する「解説コラム」が入るスタイルは前作と同じ。

物語本文は縦書き、コラム部分は横書きで、本文の文章の途中でコラムが入ったりするので少々読みにくいですが……。

あと、今回は実在の科学者による『宇宙を知るためのガイド』というのが入っています。物語の中でジョージが読む本、という体裁がなかなか心憎い。


ちょうど、今息子(小学6年生)のクラスが理科で「月と太陽」という単元を勉強しているらしいのですが。

「え?宇宙ってどこにあるの?」とか、「太陽って動いてるの?」とか言う子どもがいるらしい。

もしかしてネタで言ってるのかもしれないけど、幼稚園の時から「宇宙」や「星と星座」という図鑑を隅々まで読んでいた息子は、授業に対するクラスメイトの反応に驚きを禁じ得ないらしく(笑)。

マジで「太陽が地球の周りを回ってる」と思ってる6年生とか、さすがにいないと思うんだけど……。

みんな、こーゆー本読もうよ(笑)。

でもこのシリーズ、「小学校高学年から」ってなってるけど、どうなんだろうね。途中のコラムとかけっこう難しいこと書いてあるし、大きな単行本でそれなりに分量あるし、「本好き」な子どもじゃないと手に取らないだろうなぁ、って気はする。

「ゴルディロックス・ゾーン」とか、大人の私も初めて聞いたもんなぁ。


3部作の第3巻は来年2011年刊行予定だそうで、次はどんな冒険になるのか楽しみです。