またまた児童書のご紹介です。

これも今回図書館で借りてきたもの。去年新刊で入った時にも何冊かずつ借りて読んだのですが、今回はシリーズ10冊どーんとお借り上げ。

読みたかった子ども達、ごめんね。あと1週間したら返すから(笑)。

全10冊で取り上げられている科学者は

ガリレオ、ダーウィン、アインシュタイン、アルキメデス、エジソン、ボルタ、ニュートン、ダヴィンチ、ヒポクラテス、そしてメンデル。

ボルタさんだけあんまり知りませんでした。「ボルタ」→「ボルト」ということで、電池を発明した人。ナポレオンと同時代人。エジソンとかと違ってまったく電気を…いや、伝記を読んだことないだけに、「へー、すごい人じゃん!」と思います。

とにかくこのシリーズ、面白いんですよ。

イタリアのルカ・ノヴェッリさんが文と絵の両方を書いてらっしゃるんですけど、日本の「伝記」とは全然イメージが違う。

ふんだんにイラストが使われているけれど、「マンガ偉人伝」というのでもない。

科学者本人の1人称でその生涯をたどる形式で、3ページで一つのトピック。「1人称の本文」の3ページと、その当時の時代背景や科学に関する「解説コラム」が1ページ。

最後には「用語集」がついてます。

この用語のいちいちにまたイラストや図版がついていて、読み応えがあるうえに面白い。

イラストにはちょこちょこ「セリフ」も書いてあるんだけど、ユーモアとウィットに富んでて、日本の「教育的・道徳的な伝記物」とは違い、ホントにお洒落です。

たとえばボルタの巻の用語集の扉には「び…は「ビビッと感電」の“び”」なんて書いてあります。巻によっては奥付にまでイラストがついてる。

アインシュタインの巻では当然「相対性理論」が出てきますし、「量子力学」についての解説もあります。平易な言葉が使われているとはいえ、大人でも「えーと」と思うような濃い内容。

用語集の「質量」のところに「慣性の大きさを数値として表したもの。慣性というのは、物体がおなじ方向と速度を保ちつづけようとする性質のこと」と書いてあって、「へぇー!そうだったんだ!!」って思っちゃった(笑)。

いや、「慣性」は知ってるし、「質量」も一応わかってるつもりだったけど、「質量」と「慣性」は結びついていなかったので、「あ、そういうことなんだ」って。

ホント、大人でも勉強になります。

「逆に子どもには難しすぎるんじゃないの?」と思う人もいるかもしれないけど、それは子どもをなめた考えだと思うんですよね。相手が子どもだからって、「簡単なこと」ばかり与えてたら、一向に「その先」に進めないと思う。

この本だと、「解説コラム」の部分や「用語集」のところは「こんなのわかんないや」って思う子もいるだろうけど、「わからない」からこそ「わかりたい」と思うわけで、何も「読んだことはすべて理解しなければいけない」ってものでもないわけだから。

「なんとなく」でも「そーゆーことがある」ってゆーのを知るのは大切だと思うし、後から「なんかそれ聞いたことある」とか、「あ、あれはこーゆことだったのか」って「納得する瞬間」ってすごく楽しいものだと思う。

まぁ、そんなめんどくさい「教育的」なことを考える必要もないぐらいセンスのいいシリーズなので。

オススメです♪

(昨日の「オーパーツ」のシリーズも今日のこれも岩崎書店なんですよねー。いい仕事してるな、岩崎書店)