はい、まだまだ『オーズ』熱は続いておりますですよ。『フォーゼ』世界にもすっかり慣れてきたけど、『MOVIE大戦』の前売りも始まりましたし、予告にしっかりアンクちゃん出てるし!

あっさり復活したんじゃ興醒めなので、あれはきっと信吾さんがアンクちゃんのコスプレを……しないか…。

先日ご紹介した『キャラクターブック2』がその名の通り登場人物=キャストに焦点を当てたものだったのに比べ、こちらはより「作品世界」全体を俯瞰するものになっております。

表紙もオーズ&バースだし。

いや、オーズの公式読本だから当たり前だけど、変身前の映司くん達の写真は使われていないという意味で。

ちなみに裏表紙は4人のグリード。

これも人間じゃなくてグリード本体の方ね。

綴じ込み付録もオーズとバース。映司くんやアンクちゃん、後藤ちゃんや伊達さんではなく。

キャストの撮り下ろしグラビアというのもないですが、キャストインタビューはがっつりあります。あ、インタビューページの写真は撮り下ろしかな。

テレビ本編からの写真はけっこうあるし、オープニングにしかなかったんじゃないかと思われるグリード4人衆完全体揃い踏みショットも。これって貴重だよね、かなり。

最初に武部プロデューサーと脚本の小林さんの対談が載っているんですが、世界観の土台を作ったお二人だけに「なるほどなー」と。

最終回で落ちてくる映司くんは「神様にするつもりだったのを地上に落とした」ということだった、とか。器が大きすぎて、人々の「都合のいい神様」として自然に振る舞える映司くん。でも。

やっぱり、「人間」だからいいんだよね。

人を救うのは神様じゃなくて同じ人間だ、の方が私は好きだから、映司くんがああやって人間の世界に戻ってくる終わり方、ホントに良かったと思う。それでこそのあの最終回の感動だなぁと。

監督さん達のインタビュー、ゲスト脚本家の方へのQ&Aも面白い。

映画と違って、こういうテレビシリーズは一人の監督、一人の脚本家でやるものじゃない、複数で作ってるのに、ちゃんとまとまっててすごいなぁと思う。

特に、あの「友達」の回。映司くんの親友になりたいという欲望を持った北村くんが出てくる回。あれって映司くんが「俺もアンクを利用してる」って自覚する回で、伊達さん&後藤ちゃんが愛の巣に囚われたり、最後に「だから手伝え!」「おまえなら止められると思った」ってゆー映司くん&アンクちゃんの見事な夫婦っぷりがあって、てっきりメインライターの小林さん作だろうと思ってたら毛利さんだった。

男の人が書いたお話なのかぁ、って。

男の人でも映司くんとアンクちゃんの夫婦の会話書くんだなぁって(笑)。

「実は男は女より男の方が好きなのではないか?」と思ってたりするんだけど、そういうことなんでしょうか(どういうことだよ(爆))。

毛利さん、“「心の底からやりたいことを成すために互いの力を必要とする」というのは個人的に憧れる友情の形”と言っておられる。「なれ合い」とか、「傷のなめ合い」とか、「一人じゃ寂しいからとりあえず群れとく」とかじゃない、「友情」って実はそーゆーものなのかもしれないね。

バッタヤミーと「正義」の欲望の、「アンチ仮面ライダー」の回も毛利さんだし。

複数の監督・脚本家が参加することで、まとまりながらも広がりのある、面白い作品になるんだなぁ、と読んでて思いました。

テレビドラマって基本そーゆーものなのかもしれないけど、1年という長いスパンで物語を描くって今は大河と特撮くらいしかないから、「遊び」を入れたりちょっと冒険したり、よりそれぞれのスタッフの個性やこだわりも活かせるのかなと。

本の最後の方はデザインや合成技術のお話に割かれていて、ヤミーのデザイン画やオーズの125種フォームチェンジ一覧表は怪人好き特撮好きにはたまらないのではないかと。

いやぁ、ヤミーのデザイン画ホント素晴らしくて、たったの1話でやられちゃうとかもったいなすぎ。

デザイン画を立体に造型する人達の腕も素晴らしいと思うし。

合成のお話もね。

なんというお手間入りだろうかと。

キャラクターブックのインタビューで神尾さんがおっしゃってたけど、仮面ライダーって本当に「大人の贅沢な遊び」なんだね。すごいね。

今回「腕アンク」を永徳さんが演じてらして、合成する上でのご苦労を聞くと、「ホントに無茶させるなぁ」みたいな(笑)。「腕だけの演技」、素晴らしかったもんね。

高岩さんや永徳さんのお話読むと、『フォーゼ』見てても今まで以上に「ライダーの演技」に注目してしまいます。この間まで「オーズ」だったのに「宇宙キター!」って、ねぇ。

スーツアクターの皆さんは「終わった」という感慨に浸ることなく次のライダーが待っていて、ぱっとお芝居切り替えて「別人」にならなきゃいけないんだもんね。

これも脚本の毛利さんが書いてらっしゃることだけど、

“ただ、皆がひたむきに仮面ライダーを作ろうとしていました。この国がどんな大変な状況になったとしても、仮面ライダーはきっと健在です。みんなを守り続けるヒーローは決していなくならない。自分は実に幸福な国に生まれたのだと思いました。”

しみじみ。

いやー、ライダーって本当にいいものですね(*^_^*)


ちなみに「MOVIE大戦」はちゃんと後日談になっているという話なのだけど、一体アンクちゃんは、メダルは…!?

どんなゼータクな遊びを見せてもらえるのか、楽しみです。