京都市動物園近くのおうどん屋さんのうどんが食べたい~、という企画(笑)で、まずは蹴上駅に降り立ちます。
蹴上と言えばやはり南禅寺。
なんといっても桜と紅葉の時期が賑わう南禅寺ですが、新緑の季節も素敵でした。

特にこの日は前日が雨で、当日も朝から雨が降ったりやんだり。天気のいい日の緑とはまた違った趣き。しっとりと濡れた苔がたまりません。

いつ来てもいいところだなぁ、南禅寺。
平日で天気もあまり良くなくトップシーズンでもないので人が少なく、静かで落ち着きます。

水路閣も何度見ても飽きませんねぇ。いつ見ても格好いい。何度来てもシャッターを切らずにはいられない。
修学旅行のグループがいくつかいて、そのうちの一つで先生らしき人が「京都の人はこーゆーのを邪魔に思わずむしろ大事にしてるんだ」みたいなことを説明してはりましたが。
邪魔どころか!
自慢じゃないでしょうか。
というか、水路としてバリバリ現役なわけですし。
お友だちに「これ、水流れてるんだよぉ」って見せに行ったら「え、そうなんだ!」って喜ばれました。私も初めて見た時は「今も使ってるんだ!」ってけっこう感動しました。今も……って、できたの1888年(明治21年)です。そんな古代ローマの遺跡じゃないんだから、そりゃ使ってますよね。たった100年とちょっと。
で。
南禅寺には何回も来ているものの、たいてい「無料」のところばかりで、有料拝観はめったにしないのですが。
今回は南禅院の庭園を見学。
まず入り口を入ると。

おおーっ!という感じ。微妙に陽も照ってきて、さらに緑が美しい。
方丈の縁から向こうの庭を額縁のように切り取って眺めるのがまた素晴らしいのですけど、方丈の中には上がれないので写真は撮れず。残念。
回遊式庭園を散策。

緑が凄すぎてなんかジャングルみたいに映ってますね。瀧の水音、濡れた苔の艶っぽい緑。非常に心地よいです。

水面に映る新緑も美しく。
雨上がりなので風が吹くと梢から雨が落ち、それがまた水面に輪を描きさらに趣きが。いやぁ、なんか、雨上がりっていいなぁ(笑)。
と喜んでいると、住職さんらしき方に「どちらから?」と声をかけられました。
「ちょっとこっち来てごらん。モリアオガエルがいるから」と呼ばれて行ってみると。

おおおおおお、可愛いーーーーーーっ!
なんというきれいな緑色。
本当だったら「立ち入り禁止」になっている場所だったのですが、「いいよ、特別特別」と入れていただきました。
さらに。

カップルでしょうか?
まめに見回っている住職さんでも、そんなにしょっちゅうはモリアオガエルを見つけられないらしく、まして2匹いっぺんにいるのを見られるのは珍しいとのこと。
How Lucky We Are!
特に「カエル大好き!」ってわけでもないのですが、本当にきれいな色をしていて、間近でカメラを構えてもじーっと大人しくしていてくれるので、すっかり見入ってしまいました。
このモリアオガエル、樹上に産卵するのが特徴らしく。
お庭の池に張りだした木の枝に、いくつも卵塊がありました。

ちょっとわかりにくいですが、○で囲んだところ。白っぽい大きな泡状の塊がわかるかしら。
“孵化したオタマジャクシは泡の塊の中で雨を待ち、雨で溶け崩れる泡の塊とともに下の水面へ次々と落下する。” そうです。(Wikipedia先生による)
もう少しすると、お庭の池にはオタマジャクシがうようよ……ということになるのですね。
近年は生息数が減って、県によっては絶滅危惧種に指定されているらしいモリアオガエル。なんか、ものすごく得した気分でした(笑)。
南禅院では毎月15日に写経会を行っていて、その時は方丈内に上がれるそうです。方丈の内側から庭を眺めることができる上に、お茶席もあるとか。惹かれるけど……写経かぁ……。
南禅寺をあとにし、昼食に向かいます。
京うどん岡北さん。
11時40分頃に到着したのですが、すでに満席で2~3組ほど待っておられました。私たちも待ちます。
食べたのは「天ぷらけいらん」。

生姜の効いたあんかけだしに、絶妙にとじられた玉子。熱々すぎて口の中を火傷しましたが、大変美味しかったです♪
大満足で外に出ると雨が降ってきていました。あまり強い降りではないものの、あまりうろうろするには適さない。しかもおうどん食べるのに20分ほど待ったので予定より時間が押している。
というわけで当初散策予定だった哲学の道は諦め、琵琶湖疎水記念館へ。
水路閣に水が流れてるのを見たせいもあって、ちょっと興味が湧いていたのですね。
私は以前にもここに入ったことがあり、また、元バスガイドの母親から疎水やインクラインの話を聞いてもいたのですが、ろくに覚えていなくてお友だちに「インクラインって?」と訊かれて「これだよ」「鉄道?」「えーっと…(何だっけ)」というありさま。
「ちょっと入って勉強してみる?」という軽い気持ちで(記念館の入館、タダだし)入ったら、ものすごく勉強する羽目に。
なんか、職員の方が私たちのあまりにテキトーな会話に業を煮やして解説に現れてくださったんです。
琵琶湖疎水がどんなにすごい事業だったか、力一杯熱心に解説してくださって、なんか、「雨宿りぐらいの気持ちで入ってきてごめんなさい」みたいな(笑)。
いやぁ、でも、本当に勉強になりました。琵琶湖疎水ってそんなに大変な事業だったのか!って。
いや、そりゃ、琵琶湖から京都に水を引くんだから、大変じゃないわけないけど。
測量だけでも大変ですもの。
蹴上の発電所が日本初の水力発電所だったとか、浄水場も「日本最初の急速ろ過式浄水場」だったとか……知らなかった。
インクラインも、あの、船溜まりだった場所も、何回となく訪れているのに。そして、一応以前にも聞いたことがあるはずなのに……。人間、いくつになっても勉強ですなぁ。
最後に茶房チェカさんでお茶。
シュークリームとコーヒーをいただきました。

シュークリームは注文してからクリームを詰めてくださいます。シュー生地がカリッとしていて美味。そしてコーヒーは茶釜のお湯で淹れてくださいます。
コーヒーカップではなく茶碗というところも、カフェというより「お茶席」の風情。
Facebookを見るとこの器、店主さんのお兄様が手作りしてらっしゃる感じ。取っ手がないのでちょっと持つのが熱いですが、「茶碗でいただくコーヒー」ってなんだか新鮮でした。
思いがけずカエルさんに会えたり、思いがけず疎水について勉強できたり(笑)、雨季の京都もおつなもの。
楽しい1日でした♪
(※ちなみに写真はすべてIS17SHで撮ったもの。サイズを小さくした以外は無加工です)
2 Comments
水路って現役なんですね。
返信削除それにしても緑が美しい・・・
モリアオガエルとその卵塊を見れたのはラッキーでしたね。
一度オタマジャクシの孵るところを見てみたいものです。
��ちゃんちゃん様
返信削除「水路って現役なんですね。」
そうなんですよ!
滋賀県民としては「これが琵琶湖から流れてきてる水か!」とちょっと感慨深かったです(笑)。
モリアオガエルは本当にラッキーでした。
あまり天気が良くなかったので出かける時は「残念だなぁ」と思っていたのが、大満足で帰ってきました。
ちゃんちゃんさんも機会があれば是非一度行ってみてください。
親ガエルには会えなくても、この時期なら卵塊は見ることができると思いますよ~。
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