2013年8月2日金曜日

月組公演『ルパン』観てきました♪

『ルパン、最後の恋』を原作とした月組公演『ルパン』観てきました。

なかなかよくまとまってたと思います。

『ルパン、最後の恋』は中編程度の長さとはいえ、1時間35分にまとめるのはやっぱり大変ですよね。色々はしょらなければならない部分も多く……。

うん、ルパンの「教育者」の側面は、そんなには出ていなかったなぁ。子ども達を監督して町作りをしている、というシーンはあったし、「国家なんて役に立たないよ!」っていうセリフはちゃんと残っていたけど。

何より「女の子のふりして育ってた」ジョゼファンが父親に「俺は男だ!」ってカミングアウトするシーンがなかった。

残念でならない。

まぁ本筋とは関係ないけど、でもあれすごく面白かったし、女装の男とかとっても宝塚的なのになぁ。

ジョゼファンとその妹のマリ・テレーズがなぜルパンの手足として働いているのか、親や社会に虐げられている子ども達の味方としてのルパンをもう少し見たかったな。

宝塚だから、「子どもの味方」としてより「美しい女性の味方」としてのルパンがクローズアップされるわけだけど、ルパンって、ものすごく「宝塚」的な男だよねぇ。脚本・演出の正塚先生はもともと「格好いい気障なセリフ」が得意でいらっしゃるけど、わざわざオリジナルのセリフを作らなくても、原作のままのルパンで十二分に気障でロマンティックだもの。

「これが私の最後の冒険になるかどうかはわからない、でも私は確信しています。これが最後の恋になると…」

こんなセリフ、宝塚の男役だからいいけど、リアルな男性が口にしたら、たとえそれがお芝居でもむず痒くなると思う。

最後の場面のヴィクトワールのセリフ、「私は結婚することにした」っていうルパンの報告に対して「遅すぎたくらいよ」って返すのも、原作通りで。「おかげで二人分の乳母になれるわ」。

原作読んでなかったら「また正塚先生がお洒落なセリフ書いてる」って思うところ(笑)。

泥棒だけど悪党ではなく、男前で強くて自信に溢れ、弱者の味方で惚れっぽい。もっともっと宝塚で取り上げられてていいキャラクターじゃないかと思うルパン。

でも。

『最後の恋』のルパンは意外に地味だったりする。

うん、格好いいんだけど、なんかちょっと、地味だったなぁ。

格闘シーンというほどのところはないし、変装もしないし、自分の名前を騙って行われた金貨強奪事件の真相を暴き、ヒロイン・カーラを守る、ってだけで、自分で宝石や何かの獲物を狙うわけじゃない。

『813』や『水晶の栓』に比べたら「謎解き」というほどのものもないし、ルパンは終始「受け身」な感じで、カーラとの愛にしても、「自分は彼女にはふさわしくない」って最後まで身を引こうとするんだから。

シルクハットにマントのポスター衣裳も、冒頭だけだったんじゃないかな。あの格好で日常過ごしてるわけないから仕方ないけど、もうちょっとあの格好見たかった。

で。

地味だけど、セリフはとても多いルパン。

何しろ主役でありながら自分で狂言回しもやってる。

「ルパンがモーリス・ルブランに自分の冒険を話している」という形で舞台が進むのよね。登場人物紹介を見た時にはルブランさんが狂言回しだと思ったんだけど、むしろルパン本人が一生懸命説明してる感じ。

特に最初の方は色々説明しなきゃならなくていっぱいしゃべってて、「よくこんな膨大なセリフ覚えたなぁ」って感心してしまいました。龍さん、少しセリフ回しに癖があるけど、長台詞を滑舌よくきちんとこなしてて立派だなと。

セリフの途中から歌になるところもけっこうあって、技術的に非常に高いものを要求される役だったと思う。龍さんトップになってから観てなかったけど、歌もなかなかうまくて良かったです。

カーラ役の愛希れいかちゃんも、すごくハマってた。カーラってなかなかしっかりした、精神的に強いお嬢さんなんだけど、「可愛いだけじゃない」自立したヒロインをよく表現してた。

なんかこう、「ドーンとした」感じだなぁ、って思ってたら、彼女入団当初は男役だったのね。なるほどそれでこう、「強さ」というか、「ドーンとした」ものを感じるのかな。背もけっこう高いし。

まだ研5くらいだよね。トップに就任した時は研4。男役から転向して4年でトップ娘役を務めるとかすごい。鮎ゆうきちゃんとかもそうだったけど、鮎ちゃんより歌もうまい(笑)。

いや、私、鮎ちゃん好きだったんですよ。彼女、公演を重ねるごとにどんどん素敵な娘役さんになって、『華麗なるギャツビー』ではまさに「大輪の花」って感じだったもの。

愛希さん、ショーではダンスも見事だったし、「あー、この子のサリー(『ME AND MY GIRL』)は観ておくべきだったんじゃないのか」と思いました。

ルブラン役は専科から北翔海莉さん。組子の時の舞台をたぶん拝見したことがないのですが、歌がうまくて安心して見ていられる感じでした。ショーでもすっかり二番手扱いで出番多くて。

うーん、月組事情に詳しくないので、今どなたが「二番手」なのかわからないのですが、凪七さん&美弥さんあたりのファンの人には「この人のおかげで出番が少ない」みたいな悔しい思いがしたのでは。

凪七さん&美弥さんはカーラの後見をする4人組のうちの2人だったけど、地味っていうか、詳しくない上に1階の最後列あたりで観ている人間にはどっちがどっちなんだか区別がつかない……。

『ロミオとジュリエット』の乳母役の時に「おっ!」と思った沙央くらまさんは悪役カーベット。彼女は雰囲気のある男役さんだよねー。一人だけ黒髪のせいもあって、ショーでもすぐそれとわかる。

退団される組長・越乃リュウさんはルパンの乳母ヴィクトワールの亭主ヘリンボーンなんだけど。

ヴィクトワールの亭主だとぉ!?

というところで原作ファンは引っかかってしまいます。そりゃヴィクトワールだって結婚したことはあったかもしれないけど、でも原作にはこれっぽっちも出てこないからさぁ。

これで退団だというのに出番少ないし、原作には登場しない、おまけみたいな役だし……。

ヴィクトワールは越乃さんに代わって組長さんになるらしい飛鳥さんで、どう見ても年齢差がありすぎる夫婦。飛鳥さん、私が足繁く通ってた頃すでに雪組組長さんだったわけで……さらに老けていらして……また組長に戻るのって体調その他大丈夫なんかしら、と思っちゃいました。専科さんから戻ってきてもらわないと、組子の中には組長になれるような子がいないのかなぁとか。

「ベテラン」と呼ばれる域にまで長く在団する生徒さんが少なくなってるものねぇ。専科のお姉様方も減る一方に思えて、ものすごく心配なんですけど。

えーっと、それで、越乃さんと飛鳥さんの年の差カップル。その「年の差」を巧く利用したのか、「おまえが俺をモノにしたんだろ?」っていうセリフ、面白かったです。(「俺がおまえにモノにされた」だったかも。)

あと、正塚先生らしいな、と思ったのがフラヴィ予審判事。

ガニマール警部とほぼ常に二人一組で出て来るのですが、原作では男性なのを女性にして、しかも仕事の時は男言葉でしゃべるという設定が実に楽しかった。

無駄に苦悩する大袈裟キャラのガニマールと、すっきりきっぱり一刀両断な感じの男言葉判事。

この二人の掛け合いシーンは、いいアクセントになっていました。

割と淡々と進んでいくお芝居の中の、笑えるシーン。

考えたらカーラ以外に娘役の出番がない芝居なので……そういう意味でも「女性判事」が必要だったのかな。

原作を読んでいた私には、「うまくまとめたな」って感じだったんだけど、原作を知らない母は「うーん。微妙。ちょっと引っ張りすぎじゃない?」という感想。

カーベットが悪者、ってわかってもまだその裏があって、それについて「連中の目的は実は“理(ことわり)の書”だった」って早い段階からルパンが喋っちゃうんだよね。

3回ぐらい「でもまだ真の狙いが“理の書”だとは気づかなかった」とか言ってて、気を持たせるというか、「“理の書”って何?どんなすごい代物なの?」と思わせておいて、でも割と呆気なく終わっちゃうので……。

原作にそう書いてあるし仕方ないんだけど、“理の書”がなぜそんなにイギリス国家にとって大層なものになるのか、現代日本人にはピンと来ないしなぁ。

うん。

正塚先生は原作をうまくまとめられたと思うし、意外に地味で難しいルパンを龍さんはなかなか見事に演じてらしたと思う。


一転、ショー『Fantastic Energy』は楽しく派手に賑やかに!

ショー、すごく楽しかった!!! 母も「久々に良かった。ショーはもう1回観たい」と。

やはり中村一徳先生のショーは性に会う。群舞が多いところ、音楽の選び方。

ホントに群舞ばっかりで、全場出場でヒーヒー言ってる子がいっぱいいるんじゃないかと思うけど、人数多いのは観てる分には迫力あってすごく楽しい。センターで踊ってるところに右から左から出て来て……みたいなのも楽しいし。

途中ちょっと変わった振り付けだな、と思ったところは外部の外国人の方が振り付けられたそうで。

ちょっといつもの宝塚のダンスとは違って面白かった。

今回衣裳も華やかで良かったし、夏のショーはこうでなきゃ!という素敵な作品でした。

100周年ということで一本立ての大作も多いこの頃ですが、やっぱり華やかな「レビュー」は宝塚の醍醐味だと思うので、どんどん素敵なショーを上演してほしいな。

うん。やっぱり私は、お芝居とショーの二本立てが好き。一本立ての作品にも「フィナーレ」という形で少しレビュー場面がついてるけど、あれだけじゃ物足りない。

衣裳とか、ショーはお金かかるのかもしれないけど……。

そうそう、フィナーレ間近の大階段での男役黒燕尾の格好良い場面での曲がすごく有名な奴だったんですが、「あれ?何だっけ、これ何だっけ?」って途中まで思い出せなくて。

『オリーブの首飾り』でした。

そう、あの、マジックのBGMとして超有名な、「ちゃらららららぁ~♪」というあれです。

歌詞がついてて、龍さんが格好良く歌ってくれるので、なかなかマジックと結びつかず、「これ何だっけ!?」としばらく身悶えました(笑)。

格好いい曲だったんだなぁ、『オリーブの首飾り』。

ホント、もう1回観たいです!

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