月組公演観劇前に、4月4日にオープンしたばかりの「宝塚歌劇の殿堂」にも足を運びました。

「足を運ぶ」と言っても大劇場の建物内なので、「ついで」ですが(笑)。

入館料500円。宝塚友の会会員だと半額250円だそうですが、残念ながらもう会員ではございません。

ニュース等でもけっこう取り上げられていたのでご存知の方も多いと思いますが、第一会場「殿堂ゾーン」では「殿堂入りした宝塚歌劇団の卒業生およびスタッフ」が紹介され、ゆかりの品が展示されています。



64名の殿堂入り卒業生の方々のうち、私が実際に宝塚の舞台で拝見したことがあるのは鳳蘭さん、初風諄さん、榛名由梨さん、大浦みずきさん、葉山三千子さん、松本悠里さん、そして春日野八千代先生の7名だけ。

春日野先生は晩年に日本物ショーに特別出演されていたものだけですし、悠里お姉様もそうです。

ナツメさん(大浦みずき)は早世されたがゆえに早くも殿堂入りなさってしまっただけで、基本的には創立時から昭和が終わるまでのスターさん。

つまり、「お名前はかねがね伺っていますが直接的には知らない」スターさんばっかりです。

平成も早や26年。若いファンの皆さんには馴染みのない方々ばかりで、もしかしたら少々退屈かも(^^;)

私は母が一緒で「この人も格好良かったよぉ」と色々コメントをつけてくれたので、知らないスターさんばかりでも楽しめました。

母は寿美花代さんのファンで、「この公演は何回見たか!」などと、力説してくれます。「5時の電車に乗って並んでな。あの頃はそうしたら一番前で見られたんや」と。

……よもやその30年後くらいに自分の娘が同じことをしているとは、当時の母は夢にも思わなかったでしょう(笑)。

もっとも私の時代には始発の電車で当日券に並んでも一番前なんかで見られませんでしたが。

母は春日野先生の舞台も観ていますが、かの有名な「虞美人」は観劇できなかったらしく、「これは見てないねん」と悔しそうでした。

昔の舞台写真やブロマイドは「ドキュメント昭和」という感じで面白かったです。今でこそ当たり前のように思っていますが、戦前や戦後すぐにこの衣裳で踊ってたのか、と思うとやはり「すげぇな」と感心します。

私が初めて宝塚の舞台を見たのは「昭和のベルばら」ですが、あの当時の方が今よりさらに露出が多いというか、エロい衣裳だったような気が(笑)。

衣裳にしても作品にしても、やはり「時代の好み」というものが反映されると思うのですが、歴代スターさん達の写真パネルを見ていて、なんというかこう、「“きれい”の質が違うなぁ」と思わされました。

白黒写真なのでよけいに「雰囲気がある」のかもしれませんが、昔のスターさんってこう、なんとも言えない「色気」を感じさせるんですよねぇ。原節子さんなんかもそうですけど、今のスターさんとは品が違うというか。

きっと日本人自体の「顔」が変わってきているんでしょうね。「噛まないから顎が細くなってる」とか言いますけど、こう、全体にすっきりして、「きれい」よりも「可愛い」、「幼い」感じになっているんじゃないかしら。

今のスターさんももちろんそれぞれ“きれい”なんだけど、わりと“あっさり”というか“さっぱり”というか……。

天海祐希さんが抜擢されて出てきた時に、「ああ、もう“色気”の時代じゃないのか」みたいなことは思いましたけれど。

まぁ、好き好きではあります。

スタッフ紹介のパネルも喜多先生とか小原先生とか懐かしく。

私が見始めた時には現役バリバリだったのに、その後鬼籍に入られた先生がけっこういらっしゃるのですよね。私が見始めた時には「若手」だった先生方が、もうベテランですものね……。

それにしてもこの「殿堂入り」はどういう基準で決めてるんでしょうね。昭和のベルばらで私が見たオスカルは順みつきさんだったけど、入ってない。安奈淳さん、汀夏子さん、榛名由梨さんは入ってるのに。

スタッフさんの方も「やっぱり俺はまだ無理か」と思ってらっしゃる先生がいたりして。

野球の殿堂入りみたいに、この先も毎年(あるいは数年おきに)新しく「殿堂入り」する方が出るのでしょうか。

昔、宝塚ファミリーランドがあった頃、敷地内に「宝塚歌劇記念館」みたいなのがあって、二度ほど入ったことがありました。

あの記念館で展示していたものとか、歌劇の資料を多く所蔵している池田文庫とかから持って来て展示しているのでしょうかね。

今後どれくらい長く運営するつもりでオープンしたんだろうとか考えてしまうのですが。

「殿堂ゾーン」に関しては、そうそうリピートする内容でもないので……。

「現在の宝塚ゾーン」では羽根を背負って大階段体験とかできますが、私は時間もないのでやりませんでした。

「企画展ゾーン」では8月18日まで「白薔薇のプリンス春日野八千代展」を開催中。こじんまりした展示でしたが、昔のポスターがなんともいい味出してて面白かったです。広告がまたレトロでいいんですよね。「東芝マツダランプ」とか「近江絹糸」とか。

映像コーナーもあったのですがやはり時間がなくほとんど見られませんでした。大劇場開演前に立ち寄るつもりならもうちょっと早く行かないといけませんね。一応余裕を持って1時間半以上前に宝塚に着いたんですけど、グッズショップなんかもうろうろしてしまったので、気づけば開演20分前。やばいやばい。

8月22日からは「大浦みずき展」開催とか。

早すぎましたよね……ナツメさん……。展示内容気になるけど、しかしまた500円払って入場するかというと微妙……。

そうそう、殿堂ゾーンに展示されていた寿美花代さんのイラスト(ポスターに使われたらしいもの)がご長男(髙嶋政宏氏)にそっくりで、うわぁと思いました。お母さん似だと思ってはいたけど、あれほどとは。


宝塚100年。

色々世の中も変わって、この先どうなっていくのかなぁ、200年後にも宝塚歌劇は存在するのかしら、とちょっと心配になることもあるのですが、私が大劇場に通うようになってからでも早や30年近くが過ぎ。

150周年ぐらいは、あっという間なのかもしれません。

宝塚ファミリーランドはなくなってしまったけど、宝塚大劇場は変わらずあの場所にあり続け、夢の舞台を見せ続けてほしいなと、せつに思います。