1作目はテレビでしか見なかったのですが。

神木くんが宗次郎、アンクちゃん(三浦涼介)が刀狩りの張を演じるということで。

映画館まで足を運びました。

うん、面白かった。

原作ヲタの息子ちゃんは「色々納得いかん」と言ってましたが、原作そのまま京都編を映像化したら何時間かかるかわかりませんし、コミックと映像とでは見せ方が変わるのも当たり前、映画としてうまく話をまとめていたと思います。

そもそも1作目から斎藤が出てて、その代わり蒼紫様やお庭番衆は出ていなかったわけですからね。

蒼紫様の情報を聞き出そうと剣心にまとわりつく操ちゃんをどう出してくるんだ?と思ってましたがちゃんと新月村の前に出てきて。

新月村のエピソード、かなりしっかり描かれてました。

栄次の両親が吊されてるの、実写で見るとかなりエグいですね…。他の戦闘シーンもそうだけど、実写でやるとめちゃくちゃ痛そうだし強烈。

さすがに尖角は出てこなかったけど、栄次が仇を討とうとするのを剣心が諭すセリフはほぼそのままで……じーんとしてしまった。

それまで唯々諾々として志々雄一派に従っていた村人たちが掌を返して「殺せ!殺せ!」と栄次をけしかけてるところは原作以上に「人間の弱さ・なさけなさ」が出てて。

原作で斎藤が「自分の命を懸けてまで人間の誇りと尊厳を守ろうと出来る者などそうはいないもんだ」と言ってる通り、私自身あんな状況に置かれたら村人の側になってしまうだろうと思いますが……。

新月村では志々雄と剣心が出会い、宗次郎と剣心が闘って逆刃刀が折られます。

神木くんの宗次郎は実に宗次郎で。

いやー、ホントにねー。見る前からはまり役だと思ってたけど、「他に誰がやるの?」って思わされます。

欲を言えばもう2~3年若い時にやってくれてればさらに良かった。

神木くんってえーと今年21歳か。『SPEC』のテレビシリーズと映画の間でもだいぶ育っちゃってましたが、テレビのニノマエあたりの、まだ「少年」の気配が濃厚な頃に宗次郎やってくれてれば完璧だったなぁ、と。

今でも十分見事だけれど。

神木くん自身が宗次郎をやりたがって、続編が決まる前から自分で勝手に宗次郎のアクション練習して佐藤健くんに「見て見て!」と披露していたというぐらいですから(想像すると萌える(笑))。

志々雄は藤原竜也くん。

志々雄役って、役者としてはつらいですよねぇ。なんせ顔が見えない。包帯ぐるぐる巻き。わずかに覗く部分も火傷でただれてる設定。映画ではそれをラバースーツで再現しているらしく、「志々雄スーツを着ると気分がどーんよりする」とパンフで藤原くんが語っています。

そりゃあ暑いし動きは制限されるし大変だよね。耳もほとんど聞こえなくなっちゃうそう。

役者さんってホント大変だなぁ……。

表情ではほぼ演技できないわけで、その佇まいとセリフ回しで稀代の悪役「志々雄真実」を表現しなければならない。難しい役です。

が。

藤原くんのセリフ回し、すごい! びっくりした。

あんまり彼のお芝居をちゃんと見たことってないんだけど、「こんな声だったっけ?」って思うぐらいドスが効いててめちゃくちゃ巧い。

志々雄がどーんと存在していてくれなければ、京都編は成り立ちませんもんね。

前作では出てこなくて、突然今回から登場する蒼紫様は伊勢谷友介さん。見た目が大変格好良くて蒼紫様っぽいです。

原作ヲタの息子ちゃんは「蒼紫はあんなふうに吠えたりしない!あれは蒼紫じゃない!」と言ってましたが、原作の蒼紫にたいして思い入れのない私としては「まぁいいんじゃないの」(笑)。

アクションもすごかったし。

ちゃんと小太刀二刀流ですよ。ちゃんと「長剣に見えて小太刀2本」ですよ。小道具さんも頑張ってるなぁ。

翁と蒼紫のバトルはほんと見応えありました。

翁役は田中泯さん。筋肉すごいしアクションすごいし、JACの人かと思いました(JACは今はジャパンアクションエンタープライズJAEです)。

武道家ではなく舞踊家でらっしゃるんですよねぇ。恐るべしダンサーの筋肉。

操ちゃんは……イメージ的にはもうちょっと少女なんだけど別に操ちゃんにも思い入れないから土屋太鳳ちゃんで別にいいです(笑)。

斎藤以外のキャスティングはがんばってるよねぇ(爆)。

実写版斎藤にはどうしても「これじゃない感」が……。斎藤ってもっと、見た目も佇まいもとんがった人じゃないですか。まぁ、「じゃあ誰だったら良かったのか」、ちょっと思いつきませんけども。

前作でもう一人「これじゃない感」があった恵さん。なんか、慣れました(笑)。今回そんなに出番も多くないですし。

私は原作では左之助が一番のお気に入りなので、実写左之助に対しても「左之はもっと美形なんだよ!それに原作では10代なんだからっ!!!」と思うのですが、原作の左之が大好きすぎるゆえに「この左之は違うものだから」という割り切りが逆にできちゃうのか、斎藤ほどには許せなくないです。

今回安慈との絡みはまったく出て来ませんでしたが、この先も「二重の極み」はないのですかね。

あのエピソード入れようとするとけっこう長くなっちゃうでしょうし、前作で「赤報隊」の話はしてなかったと思うので、相楽総長を出さずにあの会得シーンを描くのは難しいというか、それぐらいなら描かなくていいというか。

安慈和尚との「拳の語らい」も大好きなので、下手に実写にしてもらわない方がいいかも(笑)。

原作では思いがけない(失礼な!w)左之の活躍であっさり沈んでしまう「煉獄」(志々雄の戦艦)なのですが、沈まないまま終わってしまって……。

「伝説の最期編」は原作とはずいぶん違った内容になるんでしょうか。

巷で話題の「謎の男(=福山雅治)」はおそらく比古師匠なのでしょうし、比古師匠なのだとするとなんであんたそんなとこにうまいこと居合わせるの……ですから、もう全然原作とは違います。

違っててもいいけど、「どうしてうまいこと」という部分は説明してもらえるのかなぁ。それより何より比古師匠は「脱いでもすごいんです!」なんだけど、彼でいいんでしょうか。

個人的には実写比古師匠はGACKTさん一択なんだけどなぁ。

で。

最後に。

アンクちゃんのお話です。

最後まで取っておきました(笑)、刀狩りの張。

思ったより出番多くて、久々のアンクちゃん堪能しました~。ウィンクまであった~~~!

関西の人じゃないから大阪弁テキトーやったけど、まぁ原作の張の大阪弁もテキトーやし、そこは大目に見ます。

張の連刃刀もちゃんと再現されてました。さすがに薄刃之太刀は出てこなかったけど。

衣裳に鷹だか鷲だか猛禽類の絵柄がついてたのがアンクちゃんへのオマージュみたいで嬉しかったです。

\鷹!孔雀!コンドル!/


「伝説の最期編」は9月13日公開。

どんなふうにお話が改変されてるのか楽しみです。

(「伝説の最期編」の感想はこちら