2014年10月30日木曜日

『鳥獣戯画展』&『京へのいざない展』行ってきました



10月28日、京都国立博物館で開催中の『国宝鳥獣戯画と高山寺』展を見に行ってきました。

公式Twitterで「入場30分待ち、甲巻展示室40分待ち」みたいな情報を連日見ていたので、がんばってできるだけ早く行ったのですが、ほぼ開館時間(9時半)に着いたのにすでに「入場20分待ち」。ひぃぃ。

結局入場できたのは30分後の10時頃でした。これだけでもすでに疲れるのですが、「鳥獣戯画甲巻展示室」は本当に45分待ちでですね。

もう、待ってる途中で「これ飛ばそうかな」って思いました……。壁に拡大印刷した甲巻のパネルが貼ってあるので、もうそれだけでいいんじゃないか、みたいな。

気分悪くなって列から離れてる方もいらっしゃいました。さもありなん。

タイトルに「高山寺」とついているように、「鳥獣戯画」本体にたどりつくまでの前半は、高山寺と、高山寺の実質的な創立者である明恵上人ゆかりの文書等の展示。

経典等の文書が多くて、正直ちょっと退屈でした(^^;) 内容が理解できるわけではないので、「昔の人、めっちゃ字ぃきれいやな~」ぐらいしか感想を持てない。もちろん同じような仏典の文字に見えても書いた人によって微妙に筆跡が違ったりするし、何百年も経ってボロボロになってる料紙とか見ると「流れた時間」を感じますけども。

なので展示品説明の英訳を見て楽しむ技を発動。

お寺や神社の由来を説明する「縁起」という言葉。「信貴山縁起絵巻」とか有名ですが、今回もその手のものが出品されていて、英訳を見ると「Legend of ~」になってます。

レジェンド! 伝説!!

言われてみればそうだけど、「寺社縁起」という言葉と「Legend」という言葉のこの印象の違い。

「涅槃図」は「Death of Buddha」で、「いや、そうだけど」ってなるし、「消息」は普通に「Letter」。難しげな美術用語が英語にすると身も蓋もなくなる感じが実に面白いです。

高山寺にまつわる資料展示は比較的スムーズに鑑賞でき、肝心の「鳥獣戯画 甲巻」展示の前で突如行列になります。映画館のチケット売り場か何かのように並ぶ場所がちゃんとロープで仕切られてます。「2列でお並びください!」

そこに、45分ほど並びました。

狩野永徳展の「洛中洛外図」のところもかなり人の流れが滞って、「前の人に続いて歩きながらご覧下さい。立ち止まらないでください」と係員がアナウンスしてたけど、洛中洛外図は大きいから、まぁ遠巻きにでも「実物を見た」という気になれるんだよね。

一方絵巻は小さいものなので、ガラスケースに近づかないとなかなか「ちゃんと見る」ができない。

ガラスケースの前に人がたかって押すな押すなにならないよう、博物館側はああして並ばせているのだと思いますが。

45分並んで、見るのは2~3分みたいな(´・ω・`)

後ろが詰まってるから、やっぱり「立ち止まらないでください」って言われるの。本物をじっくり見るというのは研究者にでもならない限り無理なのでしょうか……。

まぁ、甲巻のところで流れが止められているので、その後の乙・丙・丁巻はしっかり見ることができましたが。

鳥獣戯画(正しくは「鳥獣人物戯画」)は甲乙丙丁4巻から成っており、ウサギや蛙が弓を引いたり相撲をとったりしている甲巻がもっとも有名です。

龍や麒麟といった想像上の動物も描かれている乙巻もなかなか面白かったし、丙巻には「首引き」や「腰引き」という遊びが描かれていて。

二人の人物が首に紐をひっかけて、おそらくは引っ張り合って遊んだのだろう「首引き」。

平安時代の人、売れない芸人が体を張って笑いを取るようなネタで遊んでたのか……。

巻ごとにタッチが違って、今は「鳥獣人物戯画」とひとくくりにされているけど、書いた人や書かれた年代に差があるのだろうことは素人目にもわかりました。

今回、4年がかりの修理を終えての初お披露目ということで修理過程のパネルも展示されていましたが、修理前の写真と修理後の実物を見ると、「よくまぁこんなにきれいに」と感心します。シワとか全部きれいになくなって、実に鮮やかに描線を見ることができました。

何も知らないで見たら、「800年も前のものがよくここまできれいに残ってるもんだなぁ」と単純に感心してしまったと思います。「自然に」きれいに残っているのではなく、800年受け継いできた人たちの努力のたまものなのですよねぇ。

他の、退屈に見える経典資料なども、虫食いの跡があってもちゃんと読めるだけの形で残っているというのは、そのように「残してきた」人がいるからで。

「京へのいざない展」の方でも、美しい料紙に描かれた文書や、紺地に金で書かれた「内容はわからないけど綺麗だなと思う仏典」が展示されていて、なんというかこう、「人が紙に手で書いたからこそ」だなぁ、「電子書籍はこういうふうには残らないよなぁ」と思ってしまいました。

絵でも文字でも、貴重な資料をデジタルなデータにして保存しておけばそれ以上色褪せることもない、と思うけれど、電源落ちたら終わりだしね。

電気がないと見られないし、データ自体が何かの原因で破損した場合、「地道にシワを伸ばして修復」とか「一旦裏紙を剥がしてまた丁寧に新しい紙を」みたいな修復にはならないわけで。

実体のあるものは燃えたり壊れたりしても断片だけでも残れば少しは雰囲気がわかるけど、データの場合一部が壊れたらそのデータ全部が読めなくなったりする。

500年とか1000年経ったあとに見られる形で残っているのはどっちだろう……。

展示を見終え、ミュージアムショップで絵はがきを買って外へ出ると、もう12時半でした。入場したのが10時頃だったので、2時間半観ていたことになります。そのうち45分は行列していたわけですが。

ミュージアムショップでは「並べると鳥獣戯画甲巻が完成する」という特製トランプが売っていてちょっと惹かれましたが(七並べやるの楽しそう)、無駄な出費は控えました。

昼食も持参のお弁当です。引き続き新館(この9月にオープンしたばかりの平成知新館)の展示も見たかったので、博物館のお庭でお弁当もぐもぐ。いい天気でしたが風が強く冷たかったのでちょっと寒かった(^^;)

そして、「お庭でボクたちを見つけてね」ということで(冒頭の画像参照)お庭の散策。

西の庭に、蛙やウサギのパネルが置かれ、ちょっとしたスタンプラリーができるようになっていました。


別にスタンプを集めたからといってどうということはないのですが、おかげで庭にも色々展示されているのを知ることができました。これまで国立博物館には何度も行っているのですけど、いつも展覧会鑑賞だけでいっぱいいっぱいで、庭を楽しんだことなんてなかったのですよね。

石仏があったり、五条大橋の橋桁があったり。


何よりびっくりしたのが「馬町十三重石塔」。

「源義経家人、佐藤嗣信・忠信兄弟の墓と伝えられていた」

なんだってーっ!

GACKTさんの「義経秘伝」でいい味出してる佐藤兄弟、そのお墓がこんなところに……。と言っても塔自体は修理中とかで、「南塔のみレストラン西側に展示」って書いてあったんですがどこにあるのかわからなかった……。

このバラバラにされて置いてある石板のようなものが「修理中の北塔」だったのでしょうか。今度京都国立博物館に行く時にはちゃんと「十三重塔」になってる姿を拝みたいものです。

東の庭の方も平成知新館オープンに合わせて整備し直したらしいのですが、もう一つ庭があることに当日は気づいておらず。

時間もなく。

13時すぎに平成知新館「京へのいざない展」に入場。

これ、すごかったです。

「鳥獣戯画展」よりこっちの方がずっと楽しかった(笑)。

だっていきなり金剛力士像がばーんと立ってて、大きな仏像が部屋の中ほどにどーんと鎮座ましましているのですよ。

思わず「うぉーーーーーーっ!」と声を上げそうになりました。

展示室ごとにテーマが設定されていて、「彫刻」の部屋のテーマが今回「京都の平安・鎌倉彫刻」だったのですね。1階だけで「絵巻」「書跡」「染織」「金工」「漆工」と他に5つもテーマがあって、そのどれもが見応えありすぎて、1階を見て回るだけで45分もかかり、「えー、まだ2階も3階もあるのー?」状態。

「鳥獣戯画展」ですでにくたびれている足に鞭打ってがんばりましたが、3階は駆け足で通り過ぎた感じ。

2階の中世絵画と近世絵画のところには雪舟や等伯の名品が展示されていて、これもうぉーっ!となりました。

1階の高台寺蒔絵や刀剣も楽しかったぁ♪

中に「斬るふりをするだけで相手の骨まで砕くということから“骨喰(ほねばみ)藤四郎”と呼ばれる」と解説が書いてある刀があって。

何そのマンガみたいなの。

ググると「骨喰」というのは「平安の昔から切れ味鋭い剛刀につけられた」仇名だそうです(→こちらの記事参照)

いやぁ、面白いですねぇ。

1階から3階まで、すべての展示が見どころいっぱい。国宝も多く出品され、これがたった520円で見られるなんてあなた!!!!!

行かなきゃ損です。

高校生以下はなんと無料ですよ!!!!! お子さん連れて是非行くべし!

当日も校外学習らしい小学生がノート片手に見学していましたが、小さい頃からこういう本物に触れるって大切なことだと思うんですよね。難しいことはわかんなくていいんですよ。「仏像でけー!」「刀かっけー!」「何この絵、変なの」とかでいいんです。

何百年という時間をくぐって遺ってきた「逸品」を、写真でなく生で観る。

意識的に思い出すことはないかもしれないけど、すぐに忘れてしまうかもしれないけど、でもそういう積み重ねが感性を育んでいくのじゃないかな。

オープン記念の「京へのいざない」展は11月16日までとなっていますが、その後もおそらく「名品ギャラリー」として常設展示が行われるのでしょうから、私も今回鑑賞できなかった「佐藤兄弟の墓」や東の庭のリベンジに、また行ってみたいです。

来春は狩野派を展望する特別展がありますし、うーむ、楽しみだ。

最後は正門から退場。

この、大和大路側の正門は長い間閉じられていて、通行することができなかったのですが。

平成知新館のオープンに合わせ、団体さんの入退場口及び一般客の退場口として解放されることになりました。

この日は天気がよく、青い空に重厚な煉瓦造りの姿がよく映えます。

美しい。

10月31日から11月9日までは「京都非公開文化財特別公開」の一貫で、入館料を払わなくてもこの正門と平成知新館が鑑賞できるようです。

すぐお向かいの三十三間堂の妙法院も特別公開ラインナップに入ってますし、9日までにもう1回行くのもありかも!?(……しかしスタミナが……)

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