【あぶ刑事そのもののこと】

映画1作目から『まだまだあぶない刑事』まで全部見返しました。

私の中ではずっと映画では『もっとも』がナンバー1だったんですが、他の作品もやっぱり楽しかった。もちろん懐かしさもあるけど、お二人の掛け合いとか、初期の3作は近藤課長含め港署の面々がチームで捜査してる感じがたまらない。

私の中では「一番ダメ」の印象が強かった(笑)『リターンズ』も今回見直してみたらけっこう面白かったし。

うん、あれ、敵キャラ伊原剛志さんの造型が「変な人」すぎて引くだけで、他の部分は別に全然ダメじゃなかった。『リターンズ』っていうとあの伊原さんのM.H.D内の「なんでそんな格好で陶酔してるの」映像しか思い出せなくなってたから。

「M.H.D」って「マウント・ヘッド・ディスプレイ」のことだったけど、薫ちゃんが「マジでエッチにドレス着る」とか言ってて、あれアドリブだったのかしら。

最後のミサイルオチもまぁちょっと無茶苦茶だとは思うんだけど――。

次の『フォーエヴァー』はTVスペシャルが好き。テレビシリーズに近いお話で、テレビシリーズの音楽もいっぱい使われてて、港署内でのドンパチが楽しい。ベストにホルスターの鷹山さんが超格好いいんだ! しかも手負いでたまらないんだ!(爆)

今テレビシリーズを見るとみんな若すぎて、今の自分からすると年下すぎて、『リターンズ』や『フォーエヴァー』の頃の、40代後半ぐらいの舘さんがすごくいいなぁと思うのです。もちろん今の舘さんも素敵だけど。

映画『フォーエヴァー』の中で加藤雅也さん扮する敵キャラが鷹山さんの資料に目を通してるシーンがあって、初めて鷹山さんが12月15日生まれだと知りました。私と同じ12月の射手座! 相性がいいはず!(良くてもどうにもならない)

なんで鷹山さんだけで大下さんの資料は見てあげないの?って思いましたけども。

映画『フォーエヴァー』のラストで鷹山さん大下さんは生死不明になり、復活かと思われた『まだまだ』でも「もしかして幽霊?」という含みが最後にあって、今回『さらば』では無事生きて定年を迎えることができて本当に本当に良かったなぁ、と改めてしみじみ思いました。

無事、定年後まで生きている二人。

テレビシリーズを作る時に、「今までの刑事ドラマのような悲愴感とは無縁、だから誰も殉職しない」というコンセプトがちょっとあったみたいで(最近読み返した昔の関連本のどっかに書いてあった)、なのに主役の2人が「え、死んじゃったの?」で終わっちゃったら、ねぇ。

で、どの映画も楽しいな、と思って見てたんだけど、最後10年前の『まだまだあぶない刑事』を見たら、なんか「あれ?」って感じで。

なんだろう、物足りなかった。

これだけ地上波放送版、エンディングもばっさりカットされてるバージョンだったせいもあるのかもしれないけど、なんか見終わった後に物足りなくて引き続き別の『あぶ刑事』作品を見て「あぶ刑事成分」を補充したくなるというか。

10年前、リアルタイムで劇場で見た時は、お二人の姿が見られるだけで嬉しかったし、透くんが課長になっているのも面白く、幽霊オチ以外は満足してたと思うんだけど……。

10年前のインタビュー記事を読むと舘さんは脚本もらった時に納得できなくてプロデューサーと話し合った、とおっしゃってるし、恭兵さんも「ちょっとサービス精神が足りなかったかな」とか言ってらして、「うんうん、そうだよね」って。

で、プロデューサーさんは「今回はちょっと違うノリでいくから」とおっしゃってるんですよね。映画の1作目から続けて見るとその「ノリの違い」が歴然としちゃって、だから「あれ?」って思っちゃったんでしょう。

原点回帰でギャングをぶっ潰す『さらば』を見た後ではよけいに。

『リターンズ』でも『まだまだ』でも、港署捜査課に新人刑事がいるのってなんかこうむずむずして、ありていに言えば「邪魔だなー、こいつら」とか思っちゃうんだけど、『さらば』では捜査課の「その他の刑事達」は岸本さんが一手に引き受けてて鷹山さん大下さんとは絡まない。これホント良かったよなー、って思った。

その分港署捜査課での「チーム感」はないけど、かつてのレギュラー陣が軒並みいなくなってる以上しょうがないよね。知らない刑事さんではどのみち「チーム感」感じないんだろうし。

『まだまだ』の時に定年間近だった鑑識の安田さん、当時のインタビューを見ると「もし次があるなら出られるといいと思う」「最後まで乗せておいてほしい」っておっしゃっているんだけど、残念ながら『さらば』には出ていらっしゃらない。残念だなぁ。

今10年前のインタビュー読むと、脚本の柏原さんが「もう一度おちゃらけなしの『あぶ刑事』も作りたい」とおっしゃっていて、それが今回実現したのかな、とか。

ちなみに恭兵さんは「次回作ではユージの妻を紹介しますから」とかおっしゃってたんですけど、結局ユージは女運ないままでしたね。「妻となる女」を紹介したのはタカさんの方だった……。

恭兵さんは「ユージはタカを喜ばせたくていろんなことやってるんですよ」ともおっしゃっていて、なるほどというか腐女子脳が刺激されるというか(笑)。何しろ「大下さんの夢」は「子どもをダンディーな刑事に育てる(=タカを育てる?)」だもんね。

映画のお約束でタカさんがハーレー乗って現れる時に、ユージは「真打ち登場!」とか「It's Show Time!」とか言って画面を譲る。ユージにはユージで見せ場があるし、『あぶ刑事』は二人揃ってこそだから、どっちが「より主役」とかないんだけど、あーゆー風にユージが自然にタカさんを立てる感じになるのがなんとも「愛」だなぁ、と思います。

テレビ始まった頃はやっぱりお互いライバル意識があったのが、次第に信頼と尊敬の関係に変わって、20年目には「僕は舘さんただひとりを喜ばせるために大下勇次をやってたみたいです」になる。

愛だろ、愛。


今10年前のを読み返すと色々面白いです。(読み返したのはこの2冊↓)

30周年の『ヒストリーブック』にもテレビシリーズ全話紹介が入ってますけど、20周年の『スクラップブック』の方は全話カラー写真付き。すっかり忘れていたので「おおお、こっちのがいいじゃん!」と思ってしまいました。

映画全部見終わってテレビシリーズを見返し始めましたが、薫ちゃんがほんま可愛くて、ちゃんと捜査の手伝いとかもしてて、「どこで道を誤ったんだ……」と思います(笑)。透くんと同期だった制服警官の武田君も懐かしく。

そしてやはり近藤課長の存在感がっ!

近藤課長というお釈迦様の掌の上だからこそ好き勝手に暴れられた鷹山と大下……。それが、もうあの頃の近藤課長の年を追い越してしまったんだなぁ……。



【もしもガルシア役がGACKTさんだったら】

『さらば』見てる時にふと思ったんですよ。「ガルシア、GACKTさんでも面白かったんじゃないの」と。いや、まぁ、私が楽しいだけで世間一般の人にとっては吉川晃司の方が色々と良かったんだろうとは思うんですけども。

でもGACKTさんだってライダーだったんだしさー(別に仮面ライダースカルだったから吉川さんがキャスティングされたわけでは)。

ギャングのボスだって『MOON CHILD』でやってる。



白いコートの内側は武器だらけ、っていうの、良かったよねぇ。『MOON CHILD』のドンパチ、好きだったなぁ。前半はけっこう笑えるところもあるヤンキーで、後半はボスになるけど「俺も親バカになっちまってよぉ」みたいに言うのが実に可愛かった。

『MOON CHILD』を見た当時、あの映画の前半のノリでちょっとコミカルでバンバン銃を撃ちまくる刑事役とかやったら面白いのに、「あぶ刑事」みたいな、って思ってた。怖い役とか狂ってそうな役とか人間じゃなさそうな役とかじゃなく、GACKTさんにはもっと可愛いくて馬鹿な役もやらせるべきだったよ、30代のうちに。



ガルシアは英語、スペイン語、中国語喋ってたけど、GACKTさんも英語と中国語は大丈夫、台詞だけならきっとスペイン語もすぐ喋っちゃうだろうし、バイクアクションもきっと合宿してできるようになっちゃうよね。テコンドーとかやってるから生身のアクションは問題ないし。

舘さんとGACKTさんの闘いとか超私得やってんけどなーーーーー。

色々と日本人離れ&一般人離れしてるところも似ているお二人。かたや筋トレマニア、かたや「体力維持のためにしてること? 何にも。バイクは体力使わないから大丈夫」とか言っちゃう人。性格は真逆っぽいところがまた面白い。

いつか何かで共演してくださらないかなぁ。