(※以下ネタバレあります。これからご覧になる方はご注意ください!)



実は、見ようかどうしようか、ちょっと迷ったんですよね。

神谷さんはじめオリジナルキャストが大集合というのには心惹かれたし、特に小山茉美さんの久々の美樹役には大いにそそられたんだけど、予告映像で香が生きて動いてるのを見た時に、なんとも不思議な感じがしてしまって。

もうすっかり『エンジェル・ハート』の方がメインになっちゃってるんですよ、私の中では。どうせなら『エンジェル・ハート』をもう一度アニメ化してほしかったなぁ、と思うぐらい。

なので、「わざわざ映画館行くほどでもないか」と思っていたのですが。

映画公開の少し前から「『エンジェル・ハート2ndシーズン』第16巻(完結)」という記事にやたらにアクセスがあり(今も増え続けてる)、「なんかよくわからないけど映画関連で増えてるのは間違いないから、やはり映画の感想も書かなきゃいけないのではないか」という謎の義務感に襲われ。

観てきました。


うーん。

なんだろう。もちろん懐かしくはあったんだけど。
いきなりPSY・Sの「Angel Night」が流れて、「おおーっ」と思ったけど。

お話としてはあんまりワクワクしなかった……。

なんかテンポがトロいというか、後ろにトンボが飛ぶ「いつものアレ」とか獠ちゃんの裸踊りとかがめんどくさくて、「そういうのいいからさっさと話進めて」と思っちゃったし、格好いい歌の最後にいちいち「もっこり」入るのとか、いや、それこそがシティハンターだろ!それなしで作ってどうすんだよ、とも思うんだけど、でもそーゆー諸々のせいで話のテンポが悪くなってる感じがして、途中退屈してしまった。

セリフも皆さんすごくゆっくり喋ってるように感じた。
ゆっくりだし、重いし、こう、すごく力入れて喋ってるように聞こえてしまって。

今のアニメが早口なのかな?
テンポも、今は1クールで終わっちゃうから、展開速いもんね。
それに慣れてるから、「遅い」って思っちゃうのかな。

美女からのXYZ、依頼人を守るための調査と戦い。事件は予想外に大きなものになって、その中で獠と香の関係が揺らぐように見えて実は全然強固で、海坊主さんや冴子もいい感じに絡んで、最後は圧倒的シティハンター勝利で終わる。

シティハンターのストーリーは基本これで、今回のお話もしっかりとこれで、前述した通り獠ちゃんのもっこりも裸踊りも香のハンマーも、そしてもちろん格好いいアクションもたっぷり描かれて、ふんだんに使われる昔のテーマ曲たちといい、隅から隅までシティハンター、「ああ、シティハンターってこうだったなぁ」と懐かしくはあったんだけど。

懐かしい要素の一覧を確認しただけ、みたいな。
もしかして私、『シティハンター』たいして好きじゃなかったのかな……。


もうない伝言板の代わりに「AR」で「XYZ」を送れる、っていうの「なるほど!」だったし、最後獠ちゃんが戦うのが「遠隔操作された無人兵器」っていうのも大変「今どき」で。

街に放たれ、行進していく無人兵器を見た女の子たちが「何の撮影?」「可愛い~」とスマホを向けるシーン、「21世紀ではシティハンターもSFアニメに片足突っ込むか」って絵面だったけど、もうこの程度はSFじゃなくてもありえる、ってことなんだよなぁ。

ドローン兵器にあれだけ囲まれてもマグナム一つで突破しちゃう獠ちゃんすごいし、「どう戦うか」という頭脳戦的な要素も含め、戦闘シーンは見応えあったけど。

チャンバラ好き生身アクション好きとしては、機械相手は無粋な気も。

同じ新宿が戦場になるなら……新宿の一画を封鎖して戦うなら……とつい『エンジェル・ハート』の新宿抗争パートを思い出してしまうしなぁ。

香のウエディングドレス姿もね、『エンジェル・ハート』読者としては大いにムズムズするものがあり、最後の最後に「Still Love Her」が流れてくると、「やっぱりこれは昔の、“香が生きていた頃のエピソード”か」という気にもなって。

Still Love Her=まだ彼女を愛してる、死んじゃったけど、みたいな……。

「あれ?海坊主さん、目が見えてる」とか「キャッツアイの窓ガラスは防弾だから平気平気……じゃない!?」とか、いちいち『エンジェル・ハート』知識が邪魔をしてくる。

最後、めちゃくちゃになったキャッツアイを再建する時に新たに防弾仕様にしてて、「ここで防弾になったのか」と納得したり。

『エンジェル・ハート』の世界線だと美樹ちゃんの存在が抹消されてしまうから、あくまでパラレルワールドで繋がらないはずなんだけど、つい繋げずには。

キャッツアイ(お店)の大家さんとして登場するキャッツアイ(怪盗)、香が彼女たちに「皆さん、いつもこの格好でお仕事されてるんですか?」って言うの笑っちゃった。

「意外と目立たないのよ」って答えがまた。

目立つとか目立たないとかそーゆー話じゃなくてぇぇぇ。レオタードになる必要性ぇぇぇ。

昔見ていた時には「そういうもの」と思ってたような気もするけど、改めて今見ると「なんなんだこの人達」感が。

真冬にあの格好で屋上からグライダーとかどんだけ……。

坂本千夏さんのお声懐かしかったし、亡くなられた藤田淑子さんの代わりに戸田恵子さんが泪さんの声もやってるの、とても感慨深かったものの、「キャッツアイ要る?」と思わないこともなかった。

依頼人のアイ役飯豊まりえちゃん、声優初挑戦だと思うけどなかなか上手だった。錚々たるメンバーの中で弥生ちゃん(※キョウリュウジャーでの役名)ががんばってるの、キョウリュウジャーファンとしてなんか嬉しかった(笑)。
特撮ヒロインは戦闘シーンのアフレコもやらなくちゃだからその辺鍛えられてるのかしらね。


冒頭の『Angel Night』から最後の『Still Love Her』まで、TVシリーズの懐かしい曲たちがこれでもかと流れ、「あの頃のサントラがまた売れるんだろうな」と思ったらちゃんと新しく発売されていて。



サントラまで再販。ファン心理衝いてくるなぁ。


私は『CITY HUNTER 3』と『ドラマティック・マスター』のカセットテープサルベージ音源を持っているので、『SUPER GIRL』や『SARA』『PARTY DOWN』といった曲は懐かしいと言いつつよく聞いてる曲だったり。



映画見た後GYAO!で『エンジェル・ハート』のアニメ見てたら、獠の「タバコの吸い口を噛む癖」っていうのが出てきたんだけど、そういえば今回の映画では獠ちゃんまったくタバコ吸ってなかったような。

アイちゃんと二人、香が帰ってくるのを待つ間、ビールの空き缶ばかり増えて、そこに灰皿はなかった気がする。昔だったら「たくさんの吸い殻」も描写されそうなところ。

『あぶ刑事』もテレビではあんなにタバコ吸ってたのが『さらば』の時にすっかりなくなってしまってたもんね。

タバコはNGになっても裸踊りはNGじゃないんだなー、と思ったりもしました。