(※ネタバレあります。これからご覧になる方はご注意ください。あとセイバーファンの方、けなしててごめんなさい)

はい、今年もしつこくライダー映画観てきました。
例年なら夏がライダーと戦隊、そして冬は新旧2つのライダーが活躍する長編映画になるわけですが、今年はコロナのため夏映画が冬にずれこみ、セイバーとゼロワン、それぞれ別の作品として作られたものを併映する形。

 上映はまず「セイバー」から。

「劇場短編」と銘打たれているとおり、20分かそこらしかないんですよね。だからまぁ「ちゃんとしたストーリー」があるとは期待してなくて、仮面ライダーアマゾンズの仁さんこと谷口賢志さんが敵キャラやるのだけを楽しみにしてました。

でもせっかくの谷口さん、生身での出番はほんとにちょっとだけ。CG炎をバックにしたシーンだけで、他のキャストとは一切絡んでないような――トウマとは生身の姿で対峙してたっけ? もうすでに記憶が曖昧(見たのは12月21日)。

「不死鳥の剣士と破滅の本」というサブタイトルの「不死鳥の剣士」バハト/仮面ライダーファルシオンが谷口さんの役どころ。
バハトはいきなり世界を消滅させようとします。
公式サイトの「ゲスト」のところに「世界を消滅させようとする動機も不明」って書いてあるんだけど、なんせ尺がないのでいきなり「ガハハハ!」って感じで出てきて、いきなり「世界よ滅べ!」ってなって、ワンダーワールドと現実世界が壊れ始める。

滅ぼす方に脈絡がないなら救う方にも脈絡はなくて、「そうはさせない!俺たちが二つの世界を救ってみせる!」つってトウマ達仮面ライダーが勢揃いでバーンと見得を切って、あとはCG全開のバトルシーン。

1人1人の変身シークエンスを大画面でじっくり見られて、「セイバー」ってこんなだったのかとちょっと新鮮でした(笑)。いつも「テレビはついてるけどほとんど見てない」状態なので、どんなライダーが出てきてどんな戦い方をするのか、「プロモーションビデオ」としてはこれでいいのかな、って感じ。

Twitterに流れてきた「70分映画の最後20分を見ている感じ」っていう感想が実に言い得て妙で、話の流れがなんにもないのに「俺が救う!」「俺は諦めない!!!」ってめっちゃトウマが盛り上がってて……。

セイバーってテレビ本編もそうだよね。
なんか全然「そうなった経緯」というのが見えなくて、主人公達は常に勝手に盛り上がってて、「俺は約束を守る!!!」とか「決めぜりふのための決めぜりふ」を連発して、一向に説得力がない。

映画の冒頭、男の子が公園のベンチで「サッカーしてるみんなの中に入っていけずもじもじしている」シーンがあって、そこにトウマが現れて「君の物語の結末は君が決めろ」とか言って、いきなり知らないおじさんにそんな声かけされたらめっちゃ不審だよなと思うんだけど、すぐにバハトのせいで世界が壊れ始めてサッカーどころじゃなくなる。

で、なぜかワンダーワールドでのライダー達の戦いが本型のスクリーンに映し出されてて、なぜかあのうるさいヒロイン編集者がその男の子と一緒に戦いを見てて、「トウマは絶対諦めない!だからうちも諦めない!!!」とか言ってる。

はぁ???

テレビ本編でトウマのキャラクターが全然描かれてないと思うので(私がちゃんと見てないのもいけないんだろうが)、「トウマは諦めない」っていう言葉がほんとに軽いっちゅうか、中身がないっちゅうか……。

男の子とウザヒロインの他に、女子高生みたいな女の子とサラリーマン風のおじさん(お兄さん?)が毎回意味ありげに映って、「なんなのこの人達」と思ってたら最後に「世界を救ってくれたライダー達に感化されて人助け」みたいなちょっとした善行をしてて、やっぱり「はぁ?」みたいな。

なんせ尺が足りないので「わかりやすいパターン」になるのは仕方ないとしても、あの女子高生とおじさんのショットをちょこちょこ差し挟むカット割りはあまりに不格好に感じた。

「君がサッカーしている間も世界を守るために戦っている人がいるの、それが仮面ライダー」みたいなことをウザヒロインが言ってて、「人知れず世界を守る存在」っていうのはいいな、と思ったけど、それをあっさり「スクリーンで見れちゃう」のはどうなんだ。

まぁテレビ本編を面白いと思えなくて、「これケントだっけ?」ぐらい登場人物の顔も覚えてないので、本編が好きな人には楽しいのかもしれない、知らんけど(投げやり)。

でもケントがいるってことはこれ、テレビ本編ではだいぶ前に入るお話なのかな。まだ10話ぐらいのところでいきなり世界全体を滅ぼす敵と戦ってたってことになるの???

今年はコロナのせいで映画のスケジュールも狂って、その辺の時系列は突っ込んだら負けなのかもしれない。やっぱり「本編とはあまり関係のないプロモーションビデオ」と思って見るのが正解かも。

ただ、やっつけられたバハト/仮面ライダーファルシオンが最後に「また会おう、近いうちに」的なことを言ってて(「滅びは必ず来る、近いうちに」だったかな?)、存在が消滅したわけではなく再び本の中に封印されたっぽかったので、テレビ本編にも谷口さんが登場する可能性なくはない???
出てきてくれたらがんばってテレビ見るけどなぁ。

「脈絡なく世界を滅ぼす」って言ったけど、戦ってる最中にバハト、「人間がいるから争う、世界がある限り争いはなくならない、だから全部無に帰す」みたいなことを言ってた。それに対してトウマが「そんなことはない!」とか言って、バハトに「じゃあ今おまえがやってることはなんだ」と返されて。

戦いをやめるための戦いはありやなしや?

トウマは「俺は大切なものを守るために戦うんだ!」みたいなズレた答えをしていた気がする……。

スカパラによる映画主題歌『多重露光』はいい感じだったし、クレジットの映像はなかなか良かった。各キャラクターがそれぞれの本のページの中にミニチュアで存在してる感じの映像。

テレビ本編、見続けたら面白いと思えるようになるだろうか……。



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