(※ネタバレあります。これからご覧になる方はご注意ください。また、記憶違い等も多いと思われますがご容赦ください)



引き続きゼロワンです。(セイバー映画の感想はこちら
ゼロワンも、いきなり敵キャラが「世界を60分で滅ぼす!」言うてるとこから始まります。

何なの、みんな世界を滅ぼすの好きすぎじゃない?

なんか、昭和の敵だと目的は「世界征服」だったりしたけど、もはや世界は征服されるものではなく――「欲しい」と思われるものではなく、逆に「いらない」「消したい」と思われるものに変わった、ってことなんですかね。

ゼロワン世界を滅ぼそうとするのは伊藤英明扮する「エス」で、彼は謎の教団の教祖っぽくて、彼が世界を滅ぼそうとすることを熱烈歓迎する大勢の信者がいる。
エスと信者がいるの、一体どこなんだよ!?って思うんだけど、教団のビル(?)の「儀式の間(ま)」にぶっ刺された剣のタイマーが破滅の時をカウントダウンしていく中、エスの変身する仮面ライダーエデンとゼロワンが熾烈な闘いを繰り広げる。

てゆーかすでに繰り広げてる。

ちょっと最初、「んんん???」ってなりました。
話が飲み込めなくて。

エスはわざわざ或人にメッセージを送って呼び出してて、それは剣にプログライズキーをセットするためかなんかで、「ゼアのキー生成能力がうんたらかんたら、そのために俺を呼んだのか!」って或人が解説してくれてたけど、もうゼロワンの世界設定をだいぶ忘れているので「ん~?どういうこと?キーがピコピコしてるの何?」とついていけない。

テレビの最終回でアズが伊藤英明にアークのベルトか何かを渡してたんだよね? もうほんっとに覚えてない(´Д`)
ともあれアズが絡んでるんだから或人やゼアのこと、プログライズキーのことも知ってて当然ではある。

で、エスと或人が戦ってる一方、外界では同時多発テロが起こっていて(日本だけじゃなく海外でも起こってた)、信者の変身する雑魚ライダー達が爆弾のようなもので人々の意識を奪っていく。
何が起こっているんだ、とどっかの屋上から刀片手に跳び降りて降下する滅が格好いい~~~~~~~!

もう滅が出て来るだけで「映画良かった!」と言ってしまう(笑)。滅を見るだけで楽しい。見に来る甲斐がある(爆)。

もちろん迅ちゃんも、ゆあちゃんも不破さんも、そしてゆあちゃんとともに働いている亡も、それぞれに世界を――人々を守るために闘って、みんなすごく格好いい。

杉原監督の絵作りがほんとに素晴らしいんだよね。
アクションシーン、めちゃめちゃ格好いい!
(語彙)

バルキリーのバイクアクションも見応えたっぷり、途中空中でストップモーションで銃を撃つとことか惚れ惚れしちゃう。

みんな適材適所という感じで、亡はコンピュータで色々解析するし、或人に頼まれてイズが持って来たツールのおかげでみんなの情報共有もバッチリ。割って入る1000%おじさんがゆあちゃんに「おまえもいたのか」ってすげなくされるところも最高。

1000%おじさん、敵の正体を暴くのに多大な貢献をするし。
1000%に対抗してアキラ100%をキャスティングする、このわかりやすい遊び心よ。
ZAIAの常務取締役でありながら情報を外部(エスのところ)に流出させ、姿を消そうとしていた100%。1000%おじさんが彼をとっ捕まえて尋問するんだけど(飛電の副社長たちも確かいた)、そこで「脅し役」として出て来るのが3人(3体?)のヒューマギア。

看護士の「白衣の天使ましろちゃん」、弁護士の「弁護士ビンゴ」、そしてお笑い芸人、我らが「腹筋崩壊太郎」!

弁護士は法律の条文を持ち出して「白状しないとこれこれの罪で懲役何年」とかって脅してたと思うけど、看護士は何言ってたんだったかな。
腹筋崩壊太郎は「パワーーーーーーっ!」で吹っ飛んだ腹筋で物理的に攻撃してたよね? 「腹筋は何度でもよみがえるさ!」とか言って。

腹筋崩壊太郎大好きなんで出してくれて嬉しかったし、ここ明らかにコメディパートなんだけど(アキラ100%はきちんと全裸芸を披露してるし)、飛電インテリジェンスのヒューマギアって、「ロボット三原則」は無視されてるのかな?
テレビ本編でも「或人社長のために!」で大同団結してしまうヒューマギア、ちょっとヤバいのではと思ったけど、社長や製造元の会社のためなら人間を傷つけることもいとわないっていうの、ロボットとしてめちゃめちゃヤバいのでは。

飛んだ腹筋でアキラ100%の頬にピシって切り傷ついてたと思うんだよ、確か。看護士と弁護士は精神的に追い詰めてただけ(それでもどうなんだという気はするが)だけど、物理的に肉体を傷つけることとかやっていいのか、ヒューマギア。アシモフSFなら「そんなことはできません」と命令に従わないか、意図せず傷つけてしまった場合は回路に齟齬が起きて機能停止するのでは……。

まぁ「早く情報を引き出さないと世界が滅びる!人類全体を救うためだ!」という理屈はあるんだけど、人間を尋問するためにヒューマギアを使うって……いや、しかしそんなこと言ったら弁護士ヒューマギアは人間を尋問するのが仕事みたいなもんか。常に被告だか原告だかの心を削ってそうだよなぁ。

ともあれエスの正体がわかって、エスを信奉するのはエスが開設したサイトに群がる「破滅願望のある人間」ということもわかって。

エスの正体はAIを搭載したナノマシンを研究開発していた科学者で、本人は1年前に死んでいる。今のエスはナノマシンによって再現されたコピー。
雑魚仮面ライダーに変身してるのもナノマシンによる信者のアバターで、倒しても「中身」はない。彼らがばらまく「爆弾」のようなものも「爆発」するのでなくガスのようなものを噴出するだけなんだけど、そのガスの正体がナノマシンで、人の意識をデータ化してどーのこーの。

敵として「AI搭載のナノマシン」を持ってくるアイディアはすごいな、と思いました。わざわざ人型の容れ物に搭載されてるAI(ヒューマギア)に対して、微小のAIが寄り集まって「人のコピー」を作る。

で、エス/エデンと戦ってた或人は派手にやられて儀式の間から外に吹っ飛ばされ、巧い具合に車の屋根の上に落ちて、そこで「夢」を見る。
実際には「夢の中」ではなくて、エスの婚約者がデータとして存在する「データ世界の中」で、或人はゼアの計らいでそこに意識だけ飛ばされたらしい。

エスが「世界なんか滅びろ!」をやってるのは、婚約者のためだった。もともとエスが研究していたナノマシンは病気の治療に使うためのもので、彼女はその被験者になっていたんだけど、アークによるハッキングでナノマシンが暴走、彼女は帰らぬ人に……。

エスは彼女の意識をデータ化して生かし、彼女の世界に住人を増やすために善良な人々の意識もデータ化して「そこ(どこ?)」に送りこんだ上で世界を滅ぼそうとしていた――んだよね? ちょっと、1回しか見てないしちゃんとわかんなかったとこもあるので間違ってたらごめんなさい。

エスは実のところ「破滅願望」を抱えて自分のサイトに集まってくる「悪意ある人間」をこそ滅ぼそうとしていたのだ。そういう連中の悪意こそがアークの源、彼にとっての“仇”だから。

んーーー、えーっと、めんどくさいしハタ迷惑なので、自分もデータになって婚約者の人と未来永劫データの世界で幸せに暮らしてくれないかな? 悪意ある人間に復讐したいという気持ちはわかるけれども。

ともあれその「夢」の中でエスを止めるヒントを得た或人はエスを追って廃教会のようなところにたどり着き、再びエスと闘うんだけど、その時に「みんな!ごめん!これしか思いつかなかった!」つって剣に刺さってたプログライズキーを自分のベルトに挿して暴走形態みたいのに変身。

今Wikiで調べたらあれは「ヘルライズプログライズキーで変身したヘルライジングホッパー」という形態らしい。

映画見てる時は今一つ展開がよく飲み込めなくて、あのキーをエスに使われるぐらいなら自分が!ってことなんかな、と思って見てたけど、いきなり「ごめん!」言われてもなー。
或人も感情過多というか、割と視聴者置いてけぼりで盛り上がってるとこあるよね。新しいイズが「私も行きます」って言った時、テンションマックスで「駄目だ!もう二度と危ない目に遭わせたくないんだ!!!!!」って怒鳴り返すし。

別人格なのに前のイズの思い出を投影されていきなり怒鳴られる新しいイズちゃん不憫。

テレビ本編で本来のイズちゃんが「死んじゃって」、バックアップもなくて、でもまったく同じ見た目のヒューマギア作って同じ名前つけて、秘書としてそばに置くっていうの、ちょっとどうかと思ったんだよねぇ。
(同じ見た目にしないと乃愛ちゃんの出番がアズだけになっちゃう、という制作上の都合があるのはわかる)

死んだ人間のコピーをヒューマギアとして作ってはいけない、という話がちゃんと描かれたのに、人間じゃないからいいのかっていう。腹筋崩壊太郎とか他のヒューマギアも同じタイプのものが量産されているわけで、「イズ」という名の秘書ヒューマギアがまた作られるのもおかしくはないんだろうけど、或人はあくまでヒューマギアを「人間」とはみなさないのか、みたいな。

イズちゃんの唯一無二性を思えば、「イズタイプ」は廃番にするのが――うーん、でも「ヒューマギアであるイズ」をありのまま尊重するならむしろ「また同じものを作る」方が正解なのかなぁ。人間扱いすることだけが「正義」ではない、「敬意」ではない……。

新しいイズが脳内(?)で前のイズの声を聞く描写もあるんだけど、あれはゼアに残っていたイズのデータが流入してるとかなんだろうか。新しいイズが前のイズの「心」を受け継ぐのって感動的なように見えて、「前のイズと同じに育たなくてもあなたは愛してくれるの?」みたいなことを考えてしまうのだけど。

ともあれ新しいイズちゃん、滅に「おまえはどうしたいんだ?」って背中を押されて或人のあとを追い、ゼロツーに変身して或人を助けます。

ゼロワンとゼロツーの共闘は見応えあったし、仮面ライダーに変身しても手が「秘書ポーズ」なのがおかしくて、こんな仮面ライダー見たことない的な。

あ、そういえばイズちゃんだけじゃなくシエスタも戦ってた。別に変身はしないけど、アキラ100%を捕まえた時かな、もっと別のシーンだっけ? 忘れたけど、涼しい顔で4の字固めみたいなことしてた。
シエスタちゃんいいよね、好き
(でも相手が雑魚ライダーでなくアキラ100%だったらやっぱり「ヒューマギアはどこまで人間を攻撃してよい設計になっているのか?」問題が出て来るよね)

あと迅ちゃんと不破さんがコンビ組んでるのも楽しかった。仮面ライダー迅は飛べるけど、バルカンは飛べなくて、飛べないけど根性で爆撃機に取りついて、でもやっぱり振り落とされちゃって、迅ちゃん「ま、いっか」ってほったらかし(笑)。

その後バルカンが地上から爆撃機を撃って、「よっしゃ!」と思ったらそのまんま爆撃機、バルカンの方に墜落してきて、「ぎゃー、もうよけられない、無理!」ってなったとこで迅ちゃんが「ったく、世話の焼ける」とバルカン蹴っ飛ばして助けてくれる。

もちろん2人とも爆発に巻き込まれてボロボロになっちゃうんだけど、2人肩を貸し合いながら「ごめん、遅くなった」って滅たちのところに現れるの、すごくいい。
滅、迅ちゃん、不破さん、ゆあちゃん、そして1000%おじさん、みんな揃って変身するのも胸熱

「楽園を作るのだ」という敵に対して滅が「楽園? 知らないのか、この世界は――悪くない」って答えるのがもう!もう!!!

或人とイズが別行動になってる構成、めっちゃいいよね(爆)。心おきなく滅の勇姿を堪能できる。
無事敵を倒して世界を救って、最後に1000%おじさんが調子乗って「みんなサウザー課に来ないか」とか言って総スカンくらうとこまでお約束、楽しい♪ そこで不破さんがまだ無職ってこともわかるし。

不破さん毎日何して生活してるの、貯金取り崩してるの(笑)。

滅と迅ちゃん見るだけでほんとに楽しかったけど、滅亡迅雷の中で雷の兄貴だけ出番が寂しくて……或人のためにトレーラーでバイク持ってきてくれるだけなんだよ。その1シーンだけ。今度のVシネではもっと活躍できるといいねぇ、兄貴。



えーっと、あとは……そうそう、エスの部下というか、信者の中でもリーダークラスの人間として福士誠治くんが出てて、福士くん、ドラマでは真面目な役が多い印象なので、あの髪型といい、信者だったのにあっさり手のひら返すところといい、なんか面白かった。

エスが彼ら信者をこそ滅ぼそうとしてた、ってわかって、福士くんがラスボスキャラになるんだよね。さすが伊藤英明というか、エスは最後ちょっといい人みたいな感じで終わっちゃって。理由はどうあれ世界を滅ぼそうとしたものすごい迷惑な人だったのに。いや、人じゃなくてもうナノマシンなんだっけ。

エスって名前、精神分析用語の「エス」なんでしょうかね。或人とか「イズ(is)」とか「ふわ(Who are)」「ゆあ(You are)」とか存在に絡めたネーミングは面白かった。福士くんの「ベル」はどういう意味でつけたんだろう。

夏映画だったのが冬になったおかげできっちり後日譚になって、キャラクターとの再会が楽しかった。夏映画はいつも本編クライマックスとの兼ね合いが難しくなっちゃうでしょ。エグゼイドみたいに「テレビの後の話です」って言い切って作ってたやつもあったけど。

キャスト陣によるクリスマス特番動画によると、実はバルカンもランペイジなら飛べるのに飛ばせてもらえなかったらしい。ネタとして飛べずに振り落とされたと。不破さんの扱いwww

映画観てこの動画見たら、「あれ?私、ゼロワンのこと好きだったのかな?」って気がしてきた(笑)。滅亡迅雷と不破さんゆあちゃんのパートは好きだったんだな、うん。

滅亡迅雷のVシネが楽しみです。