(※以下ネタバレあります。これからご覧になる方はご注意ください)

はい、見てきました、戦隊映画。
そろそろおばちゃん1人でヒーロー映画を見に行くのがつらくなってきましたが、おばちゃん1人でプリキュア映画を見るのとどっちが世間的にはアレなんでしょうか。

戦隊ヒーロー、例年なら夏に仮面ライダー映画と同時上映で30分、そしてこの時期に新旧戦隊のVS映画が単独で公開されることが多いと思うのですが。
昨年はコロナにより夏映画はなし。
新旧戦隊が入り乱れるのでなく、リュウソウジャー、キラメイジャー、ゼンカイジャー、それぞれ独立したお話の3本立て公開となりました。

まずは『キラメイジャー THE MOVIE ビー・バップ・ドリーム』

キラメイジャーのテレビシリーズサブタイトルは基本東映映画のもじりになってるんですが(元ネタと思しき映画をまとめた一覧こちら)、この「ビー・バップ・ドリーム」も「ビー・バップ・ハイスクール」のパロディですね。映画の中身は別にヤンキーとは何の関係もないけど。

充瑠とタメ君、そして宝路をはじめ大勢の人が、眠ったまま目を覚まさなくなる事件が発生。被害者の顔には奇妙な文様が浮かび、マブシーナはそれを「誰かがドリームストーンに呪いをかけてみんなを夢の中に閉じこめている」と喝破。
しぐたん、小夜さん、瀬奈ちゃんの3人はマブシーナの力を借りて夢の世界へ飛びこんでいきます――。

予告でも紹介されている万力ならぬかき氷機に頭を挟まれるしぐたん、浴衣姿の小夜さん、瀬奈ちゃん。小夜さんはちっちゃくなって金魚すくいの「金魚」にされたり、マブシーナと瀬奈ちゃんはウェディングドレス姿もあったり。

瀬奈ちゃんのウェディングドレス姿はどう考えてもファンサービスですよねぇ。あの場面、王様がマブシーナに「お婿さん見つけたぞ!」つってラグビー邪面を紹介するのがメインで、ストーリー的には瀬奈ちゃんまでウェディングドレス姿になる必要はない。
ないけどマッハ他瀬奈お嬢さまファンのためにあえてウェディングドレスを着せたとしか。

夢の中の王様なので、現実の王様以上にハイテンション。あとから実はそれが「ガルザの夢」だとわかって、「だから王様があんなに辱められてたのか」ってなるんですが、ガルザ様「辱め方」おかしくない???
暗くするとか落ち込ませるとかじゃなく「ハイテンション芸人みたいにする」ことが「お兄ちゃんへの嫌がらせ」になるって……。むしろ王様喜んでその役引き受けそうだけどなぁ。

夢を見ているのはガルザなんだけど、その夢を操っているのは壇蜜さん扮するミンジョ。テレビ本編で倒されたヌマージョの妹という設定。
壇蜜さんは声がいいですね。

声といえば夢の中で色々ヒントをくれるドリームストーンの声を緒方恵美姐さんがやってらっしゃるんだけど、なんか、すごく色っぽかった。もっとカラッとした声でも良かった気がするけど、「夢」を司る石、妖しい雰囲気ってことなのかなぁ。なんかドキドキしましたわ。

夢の世界から脱け出すためには現実世界のガルザの目を覚まさねばならず、現実世界のガルザの居場所を夢の中のガルザから聞き出すことに成功。でもその情報をどうやって現実世界に伝えるのか?
そもそも充瑠たちは夢に囚われているし……というところで鳴り響くPPAP

マブシーナの力で夢に入り込んだしぐたん達は、充瑠たちと違って現実からの刺激で目を覚ますことができるんですね。で、「目覚まし時計」代わりに博多南さんがPPAPを歌うというか披露してくれる。

博多南さんの中の人がPPAPの中の人なので、「満を持して」って感じですが、ちょっと尺が長すぎというか。
PPAPのところだけじゃなく、テレビ本編に比べると全体にテンポが悪い感じが。テレビ本編、いつも24分に「これでもか!」って詰め込んだ神展開なので、映画はちょっとだるい感じがしてしまった。

3本立てで上映時間およそ1時間半だから全部30分ずつかな、と思ってたらキラメイはもうちょっと長かった気がするし。時計ちゃんと見られなかったけどキラメイ40分、リュウソウ15分、ゼンカイ30分ぐらいの配分だったのでは。

元気なガルザ様にお会いできて嬉しかったし、クランチュラも出てきて、そこそこ楽しめたけど、テレビ本編が最終回目前、クライマックスもクライマックスのタイミングでこんなお話を見ても、という気はしました。(※見に行ったのは最終回前の月曜日)
浴衣といいかき氷機といい、夏映画の企画だよね、これ。本来なら去年の夏にゼロワン映画とともに上映されてたお話なのでは。ヨドンナ様出てこないし。

全部コロナのせいとはいえ、「これは何話ぐらいの頃の話なの?」とつい思ってしまう。

でもエンディングのダンスはめっちゃ楽しかったです。王様とラグビー邪面が面白すぎた。そしてガルザ様が「ふん、俺は踊ったりしないぞ」というオーラを出しつつ足でステップを踏んだり、ちょっとずつ“振り”が増えて“ノッ”ていくところがすごくよくできてる。

ガルザ様、ほんとは音楽大好き、「俺のギターを聞けぇ♪」な人だもんね。ヨドン皇帝に操られて悪の道に堕ちただけで、ほんとはとっても可愛い才能あふれる良い子だったガルザ様。
最終回で復活してほしかったなぁ。


で、続きまして『リュウソウジャー特別編 メモリー・オブ・ソウルメイツ』

こちらは「32話と33話の間の話」とはじめから明言されています。
そう、あのナダさんの話!!!

とはいえ具体的に32話と33話がどんなだったのか、もう記憶が曖昧で、33話の最後でナダさんのビデオレターが流れ、「嘘だと言ってよ、ナダ!」となったことしか覚えてない。
あの日は出かけててリアタイできず、TLがざわついてるのだけ確認して、あとから録画で見たことは覚えてるんだけど。

でもそんな「もう本編忘れたよ!」という人にも優しい今回の特別篇。ちゃんと最初に、32話で「おまえらのそういうとこ、ほんま嫌いや」というところ、33話でコウの腕の中で息絶えるところなど振り返ってくれます。

ナダがどうしてあのビデオレターを作ったのか。どうして旅立とうとしていたのか。

ちょっと、もう映画館行ってから1週間経っちゃって、細かい順番忘れましたが、まずワイズルー様とクレオンだったのかな?
仮面ライダーアマゾンズの駆除班でおなじみ宮原華音ちゃんが「変わりたいのに変われない…」と街角の占い師に悩み相談していると、いきなり「君に決めた!」と占い師がワイズルー様に!!!

きゃーーーーーー、ワイズルー様ぁぁぁぁぁぁぁぁ♡

もちろんクレオンも出てきて、あの懐かしの緑のドロドロを飲まされ、マイナソーを生む華音ちゃん。
はぁー、ワイズルー様とクレオン出て来るだけでもう楽しいよね。アガる。

一方その頃(だったかな?)ナダさんはバンバ兄さんに頼んでディメボルケーノに会わせてもらっている。ディメボルケーノってあれね、「そもさん!」つって正解のなさそうななぞなぞ言ってくる騎士竜。
ナダさんも謎かけされて、答えて、「つまらん!」って言われちゃう。

で、マイナソーを生まされへろへろになった華音ちゃんがベンチに倒れ込んでいると、当然そこにはカナロが現れ、「なんと美しい!運命の人だ!」的ないつものアレを。
テレビ本編ではいい加減うんざりしていたカナロの婚活ネタ、しかしこうして久しぶりに見ると「これでこそリュウソウ」とほくほくしてしまう。

慣れって怖い。

「水…水を」と言われてカナロ、水を取りに行くんだけど、富士山の霊水を竹筒の水筒に入れて持ってきて、ほんとね。そういうとこだぞ、リュウソウ族。
あとカナロ普通に「マイコさん」って名前呼んでたけど、華音ちゃん名前名乗ってたっけ?なんで名前知ってるの???(私が聞き逃しただけの可能性はある)

マイコさんから生まれたマイコマイナソー、華音ちゃんがそのままゾンビメイクっぽい感じでやってて、キレッキレのアクションを見せてくれます。カッコいいわ~~~。
クレジット見るまで坂本監督だって知らなかったんだけど、なるほど納得のアクションシーンです。

メルト、アスナ、トワの3人が「ナダが仲間になって良かった」と言いながら歩いてるところにマイコマイナソー……だったかな? 「でもナダの立ち位置が問題だ」とリュウソウジャーの並び順を考えてるメルト、なんてメルトなんだ。
15分ぐらいしかなくてめっちゃ短いお話なのに、それぞれのキャラが「うんうん、カナロってこうだよね、メルトはこうだよね、バンバ兄さんは――」となるのが楽しい

って、あれ? コウはどこで出てきてコウらしさを発揮したんだっけ???

ともあれ「変わりたいのに変われない」悩みを抱えていたマイコちゃんから生まれたマイナソー、敵を「変わりたいのに変身できない」状態にできる。
何それ最強では。

えーっとそれで、マイコマイナソーとは別に一般人が凶暴化してる事件があって、「憎しみならこれで吸い取ればいい」つってナダさんがガイソウルに人々の憎悪を吸収。

みんなが32話でガイソーグの呪いというか怨念からナダさんを解放した時、ガイソーグの“力”は全部消えて空っぽになってしまった。空っぽの器になったガイソウルは、いくらでも憎しみを吸い込める(あんまり吸い込んでるとまた元のガイソーグに戻ってしまうのでは、という気もするが)。

32話でナダは無事リュウソウジャーの仲間になって、でもナダの鎧“ガイソーグ”にはもう何の力もない。「やっぱりそうか」ってバンバ兄さんは言って、ナダさんは「今の俺は0からまた頑張ろうと思える」みたいなことを。

みんなに負けないよう自分も強くなりたい、そしてそれはかつてのガイソーグの鎧のような、一足飛びで手に入る「悪魔の強さ」ではなく、ちゃんと一から自分の力でつかみ取るんだと。

だから修行の旅に出るつもりで……だからあんなビデオレターを……。

そういう話をしたのはバンバ兄さんにだけで、だから「後からバンバに聞いた話」ってコウのナレーションが入って。

無事マイコマイナソーの件も片付いて、カナロは富士の霊水のお礼にマイコちゃんから卓球場の利用券を。

卓球!
たっきゅう!!!
そこ来る!

テレビ本編のラス前だっけ? みんなが「幸せな夢」を見ている時、コウはナダさんと卓球してたよね。あのエピソードをちゃんと生かしてくる!!!
本気のバンバ兄さん格好良かったし(笑)、クレジットも全部終わった最後にナダさんの「みんな、ありがとうな」って声が。
(※そもそも33話の冒頭でバンバ兄さんが卓球していたらしい。今自分のツイで確認した。いや、なんかホントすごいな、リュウソウジャー。“間の話”って最初からちゃんと構想されてたのかな)

たった15分ぐらいの映画で、「もう終わり!?もっと見せて!」ってなるんだけど、でもその15分にリュウソウらしさとスタッフの愛が詰まってて。
ほんと、自分でも「俺リュウソウのことそんなに好きだったっけ?」って思うほど楽しかった。リュウソウのとこだけもう5回ぐらい見たい。

冒頭にはういちゃんへのメッセージが出て、エンディングではテレビ本編の、元気なういちゃんの姿も見られて。

『メモリー・オブ・ソウルメイツ』。
タイトル通りの。

リュウソウジャー、コロナのおかげでファイナルライブツアーができなかったでしょ。せっかくナダさんも一緒に出るはずだったのに。
たった15分でも、ちゃんとナダさんがいるリュウソウをまたできてほんと良かったよなって。
キラメイvsリュウソウのVシネクトも発表されたけど、あれにはナダさん出てなさそうだもんね。

で、最後3本目は『ゼンカイジャーTHE MOVIE 赤い戦い!オール戦隊大集合!!』

うーん、なんか、まだまったく思い入れがない(当たり前)戦隊なので、「ふーん」という感じでした。のっけからゼンカイジャーが戦ってて、人間じゃないメンバーもすでに一般人に認知されているらしく、彼らに「早く逃げてください!」と言われても一般人の方々びっくりすることなく、「ありがとうゼンカイジャー!」という感じで。

梶くんとか、ゼンカイジャーも声優陣がそうそうたるメンバーなんだけど、やはりこの映画で楽しいのは関智一さん! 語尾に常に「わるもの」つけて喋るスーパー悪者ワルド役。最後、「トジテンドの諸君、これからがんばるのだぞ~わるもの!」とか言って爆発するの、フフってなったわ。アドリブかな、台本かな。

バスコやザミーゴといった歴代わるものもゲスト出演してるけど、まぁ全体の尺がたいして長くないので顔見せ程度。これがエスケイプ姐さんとかだと顔見せでも「キャー♡」となるんだけど、残念ながら今回のゲストキャラには特に思い入れがない。

リアルタイムでゴレンジャー見てた世代なのでアカレンジャー誠直也さんのご出演には「おおっ!」となったけど、全体的に「顔見せ」でストーリーらしいストーリーはないので、「ふーん」としか……。

アカレンジャーはじめ歴代レッドを呼び出せるセンタイギアを主人公の両親が開発してたっていうのには驚いたけども。
一体何をどう研究していたの、両親。

あと主人公カイト君が割と子どもっぽいキャラクター付けをされてるみたいで、エンディングで流れた主題歌にも児童合唱団が参加してて、いい意味での「子ども向け」を意識しているのかな、と。

そうだ、ゼンカイザー自らがボールになってゴレンジャーハリケーンする必殺技(?)がすごかった。すごいっていうか、「ええっ、主人公がボール!?」とちょっと呆気にとられたよね。映画だけじゃなくテレビ本編でも毎回ボールになるのかしら……。

戦隊としては「ゼンカイジャー」で、カイト君が変身するのは「ゼンカイザー」っていうのもちょっと混乱。
映画には郁恵ちゃんが出てこないのも残念でした。郁恵ちゃん、楽しみだわ~~~。


入場者特典はリュウソウジャーでした。


もらってもしょうがないけど、リュウソウパートが一番良かったな、と思って開けたらリュウソウステッカーだったのでちょっと嬉しかったです。

キラメイvsリュウソウが楽しみですわ。