「トロプリ」こと「トロピカル~ジュ!プリキュア」が終わっちゃって寂しいので、自分メモ用にちょこっと記事を。

いやぁ、ほんと楽しかったよねぇ、トロプリ。私はプリキュア歴浅くて、ハグプリを途中から、スタプリは序盤だけ、全話通して見たのはトロプリの前のヒープリが初めて、という素人なんだけど、正直ライダーよりも戦隊よりもトロプリが楽しみな日曜日だった。
映画まで見に行っちゃったもんね。

もうオープニングからして最高! 曲もいいし、アニメーションも楽しすぎる。永遠に見てられる。


最終回で最初に戻ったからまたあそこから1年やってくれよぉ。見るよぉ。

あの結末、素晴らしかったよね。グランオーシャンか、人間界(友達)か、「どっちかしか選べない」と言われて、「私はどっちも諦めないわ!」と機知で乗り切る。
ローラかっけーし、「あいつに会えるといいね」とローラが忘れたことをちゃんと話して教えてくれるエルダちゃん達も素敵

あれでうまいことエルダちゃん達の出番も作れているわけで、ほんとにスタッフ天才

エンディングではエルダちゃんが干からびたバトラーのお世話してる様子も描かれてたよね。今までこき使われてきた上司を見捨てもせず、ご飯食べさせてあげるの偉すぎる。
(しかし海の中にはグランオーシャンとはまた違う“不思議な生き物たち”の世界がいくつもあったりするのだろうか。エルダちゃん達の出自が謎)

あとまわしの魔女様&バトラーとの最終決戦は意外にあっけなかったけど、「倒すのではなく救う」という形なの、映画見てちょっと予想した通りで。
ローラとまなつの関係の相似なのかな、と思ったらだいぶ違ったけど。魔女様と伝説のプリキュアの関係。
もともと人魚で、伝説のプリキュアの相棒だったのが、「記憶を消去」されたことで魔女化したのかと考えてた。

魔女は最初から魔女で、しかも「ただそういうふうに生まれただけ」で、破壊することに理由はない。
ヒープリの時にダルイゼンに対して無茶ぶりしてたのが気になってたから、「破壊の魔女」が「そういうふうに生まれたんだから仕方ない」扱いになってたの、すごく良かった。
ウイルスというかビョーゲンズも「そういうふうに生まれただけ」で、人間にとっては「病気をもたらす悪いやつ」でも、彼らにとってはそれが普通の生き方、「だってそうしないとこっちが死んじゃう」にすぎない。

なんでもかんでも擬人化すると面倒くさいことになるよね。

で、「そういうふうに生まれた」魔女様が世界を破壊することに理由はないけど、でもだからと言って人間と友達になれないわけじゃなかった。魔女様が伝説のプリキュアと友達になれなかったのは「破壊の魔女として生まれた」からではなく、「勇気がなかった」から、としてしまうのもすごい。

勇気がなくてあとまわしにして、友達になる機会を永遠に失って、さらには何をあとまわしにしていたのかさえ忘れてしまって。

「今いちばん大事なことをする!」というまなつの信条、脳天気に見えるけど、でもあとまわしにせず「今」の問題に向き合うって、本当に勇気のいることなんだよなぁ。
よくわからない“将来”のために「今やりたいこと」を我慢したり、犠牲にする必要はなくって、でも「今」を優先したがために後から回ってくるかもしれないツケは、ちゃんと引き受ける覚悟が必要で。

まなつは最初からずっとぶれなくて、女児アニメのヒロインとは思えない顔の崩れ方で、最終回でも鼻水ぐしゅぐしゅで泣いてたけど、それが全然変じゃない、むしろ魅力(!)なのもすごかった。
昭和アニメのスポ根風描写があったり、「ビクトリー!」の時のポーズがとんでもなかったり、10本立ての回も面白かったし、すごく上質なコメディだった。下ネタとか弱い者いじりしなくても、こんなに楽しいものが作れるよ!っていう。

ファイルーズあいちゃんの声がはまりにはまったまなつも良かったし、ローラのキャラクターがほんとに素晴らしかったな。プリキュアってだいたい可愛い「ナントカの妖精」が「君こそプリキュアだ!」って感じにキーアイテムを授けてくれるけど、今回はくるるんはただのペットで、プリキュアの変身や活動にはまったく関わらない。「くるるん」しか言えないし。

「プリキュアになって○○を助けて!」っていう妖精の役割をローラが担ってて、でも次期女王を目指すローラは最初から上から目線で偉そうで、「人間なんて捨て駒」ぐらいの意識で。
それこそ昭和のアニメやマンガの「ヒロインを見くだすイヤな女王様キャラ」っぽいのに、絶妙に「イヤな奴」にならないところがほんとすごかった。全部受け止めて「すっごくトロピカってる!」で済ますまなつの存在あってこそだろうけど、2人のキャラクター造型の妙がほんとに良かった。

「人魚はプリキュアになれない」を覆し、「記憶を失う」を覆し、「どっちかしか選べない」をも覆したローラ。
トロプリってローラの成長物語だったよなぁ。

最後、「ただし人間には会わないように」って言われて、たぶん女王様自身も人間に関わる記憶(まなつ達プリキュアの記憶)を一回消したんだろうと思うんだけど、でもそこも覆しちゃったんだろうね、ローラ。もう女王様も許すしかなかったんだろう。自力で記憶を取り戻し、まなつと再会したローラを。

アクアポットからシャボンピクチャー(たくさんの思い出)があふれ出すのもすごく良かった。

これからまなつ達が年を取っていって、いずれローラだけが「若いまま」になって、それでもきっとずっと交流は続いて、女王になったローラは若い人魚たちに「伝説のプリキュア(まなつ達)」のことを語り継いでいくんだろう。

「女王様は寂しくないんですか?人間たちはもう死んでしまったのでしょう?全部忘れてしまった方が楽だったのでは?」
「そりゃあ寂しいわよ。でもまなつ達のこと、忘れてしまう方がもっと寂しいじゃないの」

映画で、「わたしが歌い継ぐわ!だからシャンティアは消えない!」って言ってたローラ。まなつ達と一緒に過ごした日々は、決して消えたりしないよね。