(※以下ネタバレあります。これからご覧になる方はご注意ください。また、記憶違い等多々あると思いますがご容赦を)



公開4日目の4月15日に見てまいりました、劇場版名探偵コナン27作目、『100万ドルの五稜星(みちしるべ)』

昨年『黒鉄の魚影』を見た時に、「来年は久々に平次のターンか!」とわくわくしたんですが、その後「ついにキッドの真実が!」という情報が出て、「あれ?平次じゃなくてキッドのターン?キッドなら見に行かなくていいか」と思っていたらやっぱり平次のターン!

予告画像でも平次と和葉が!
平次が和葉に押し倒されてる!?

金曜ロードショー『紺碧の拳』のラストでも「俺が和葉に!」と平次が叫びまくる特別映像が流れ、俺のニヤニヤが止まらない。

いやー、もうね、平次&和葉ファンには大満足の映画でしたよ。最後に「キッドの真実」も付いてたけど、あんなのおまけです。最初から最後までこれは平次の映画、剣戟シーンもたっぷりあって、平次格好いい~~~♡

お話は、幕末、土方歳三にとある刀が献上されるところから始まります。土方の声はつんちょ(津田健次郎さん)! いきなり土方の殺陣が格好良くて、「このつんちょ土方で1時間スペシャルとかやってくれないかな」と思ってしまいました。ほんの数分とかもったいない。

土方、五稜郭、金の鉱脈で財を成した豪商が隠した謎のお宝――。導入部がゴールデンカムイすぎる。

その豪商・斧江財閥も今は落ち目。財閥が保有する美術品等々は鈴木財閥が買い取ることになったのだけど、そこへキッドからの予告状。「土方ゆかりの脇差し」2本を頂戴すると。
なぜキッドが刀なんか狙うのか?――というわけで、いきなりコナンと平次はくだんの美術品がある函館に出張しています。

いくらキッド・キラーだからって警察が警戒している中に子どもが紛れ込めるわけねぇだろ、と思いますが、まぁそれを言っちゃあおしまいですよね。
テレビ電話(?)でコナンに色々情報を教えてくれる園子。ほんと、財閥のお嬢がいると色々便利だなぁ。買い取った目録の整理で忙しく、函館に来られない園子。財閥のお嬢、高校生なのにそんなにがっつり「家の仕事」してるんだね。

キッドの変装は平次によってあっさり見破られ、のっけから平次とキッドとの刀剣アクション!
「おまえだけは許さんのじゃぁぁぁぁぁ!」とバイクで階段駆け上がり、ステンドグラスを突き破ってキッドを追いつめる平次の気迫ったら。「キスの恨みは怖い」。
以前、和葉に変装したキッドにキスを迫ってしまった恨み――というか、「和葉とキスできる!」と思ったのにできなかった恨み?は根深いんじゃぁぁぁぁぁぁ。

そんなわけで二本の脇差しのうち一本は平次が取り戻し、一本はキッドが持って逃げるんだけど、その後いつものあの怪盗衣装の懐から刀を取り出すキッド、「あんなとこに仕込んだまま空飛んだりアクションしたりしてたの?」とちょっとびっくり。

キッドと平次がやりあった翌日、蘭と和葉は函館で行われる剣道の大会へ。大会に平次が出るというので、「応援しに来い」と言われてはるばるやって来たのに、会場に平次の姿はない。
代わりにいたのは平次の剣のライバルである沖田総司と、居合いの達人である大学生・福城聖。聖の鍔鳴りの音を聞いて「平次!?」と思った和葉が彼に声をかけ、聖は一目で和葉のことを気に入ってしまう。
(鍔鳴りの音の違いを聞き分けられる和葉、めっちゃ耳がいい)

『から紅』の時は平次の婚約者を名乗る紅葉が現れ、和葉と紅葉が平次を賭けてカルタ勝負をしたけど、今回は平次と聖が和葉を賭けて剣の勝負――。
聖に「君は彼女の何なんだ?」「幼なじみや!」「ああ、ただ小さい頃から親しいってだけの間柄か」みたいにあしらわれる平次、和葉のことになるとすっかりポンコツになってしまう平次、可愛えぇぇぇぇぇ。好き。

そして今回も紅葉はしっかり登場、執事の伊織とともに自家用ヘリで北海道をあちこちうろうろ。「平次くんはどこや」と絶景告白スポットを巡り、観光案内してくれます。「もし彼女に告白する気ぃやったら絶対阻止せなあかん!わかってるやろな、伊織」「もちろんです、お嬢様」。告白を邪魔するためだけに照明弾やらなんやら用意してあるの、無茶苦茶すぎる。

直接平次たちと顔を合わせることはないんだけど、推理のヒントには貢献。土方の俳句集をそらで覚えているとか、紅葉ちゃんの記憶力どんだけー。

聖とその父親も「謎のお宝」の鍵を握る人物で、クライマックスでは再び聖と平次が剣を交えます。それも飛んでるセスナの翼の上で。
いや、無理でしょ、落ちるでしょ。未来少年の方のコナンじゃないんだから。
一回落っこちて、それをキッドが助けて「これでキスの借りは返した」って言うんだけど、あんな貧弱そうなグライダーでよく落ちてくる平次を受け止められるよね、キッドの腕力&筋力も相当なもんだよね。

その「空中大決戦」の前に平次は和葉に「箱館山で待っていてくれ」って言ってて、100万ドルの夜景を前に和葉は平次が来るのを蘭と一緒に待っている。
でも何しろ平次はセスナ上で戦ってて、和葉は待ちぼうけ――と思いきや、墜落するセスナからパラシュートで降りてくる平次!

事情を知らない蘭が、「服部くんすごい!すごい演出だよ!!王子様みたいだよ!!!」と感涙にむせぶのがウケる。蘭の目には(和葉の目にも?)降りて来る平次がキラキラモードで映ってるし。

今回蘭ねーちゃんは平次の背中をめっちゃ押してくれてて、この場面でも降り立った平次からサクッと聖を受け取って平次と和葉を二人きりにしてくれる。グッジョブすぎる。

そうして。
いよいよ。
いよいよ!!!

告白ターイム!!!!!

いきなり平次が「どんな行動にも動機が云々」言い出した時は「は?何言ってんの?緊張で台詞飛んだ?」と思ってヒヤヒヤしたけど、続く「告白」はとっても良かった! そう、人を好きになるのに動機はいらないんだよ、「どこが好き」なんて逐一説明できるようなのは恋じゃない。
「探偵のくせにどうしてもわからんのや、それぐらい和葉、おまえのことが好きや!」

きゃーーーーーーーーーーーー、言ったーーーーーーーーーーーー!

ああそれなのにそれなのに。
紅葉&伊織がうっかり落とした照明弾(?)の衝撃のせいで和葉には何も聞こえていなかった……。「こんな大騒ぎじゃもう告白どころじゃないわね」とせっかく紅葉も邪魔するのを諦めてくれていたのに、うっかり、うっかり落としちゃって。

一世一代の素敵な告白だったし、和葉にとってもずっとずっと聞きたかった言葉だったろうに、スタッフひどい。
平次がんばったのに。
超がんばったのに。


端から見てれば二人が両思いなのは一目瞭然、お互いだけがそれを知らない――だからこそ見ていてもどかしく、キュンキュンしてしまう関係性ではあるんだけど、しかしそろそろ堂々と「和葉は俺の女や!」と言いたいよね、平次。言ってほしいよね、和葉。

あー、もう、ほんと平次がんばったのにぃぃぃ。

そんなわけで、お宝の謎もキッドの秘密も私にはどうでも良かったんですが()、お宝として隠された当時は「戦況を一変させる兵器」と言われていたものが、現代では……というオチ、よくできてると思いました。

キッドの秘密――なんであんなに新一にそっくりなのか、という謎解きには「えー」と思いました。そんなんありか。
じゃあ青子ちゃんと蘭が似てるのはなんでなのよ。

キッドの幼なじみの青子ちゃん出てきた時、「あれ?蘭ねーちゃん?」って一瞬混乱しちゃったもん。
青子ちゃんの名字、中森だったんだねぇ、そうか。(『マジック快斗』は漫画もアニメも未見)

聖の声は松岡禎丞さん
北海道警の川添刑事役は大泉洋さん。川添刑事、ところどころ素振りが怪しいのでそっちが気になって、声の方はあんまり聞いてなかった。クレジット見て「あ、そうか」と思いました(^^;)

同じくクレジットを見て「あれ、池田秀一さんのお名前が」と。赤井さん出てこなかったのになぁ、と思ったけど、あの人の声か…。「フッ」ぐらいしか言ってなかった気がするけど、あれがわざわざ池田さんだったのね。

阿笠博士と少年探偵団の面々もラスト近くで函館にやってくるけど、いつもながら歩ちゃんたちの親、どうしてるんだろう。阿笠博士という引率がいるとはいえ、近所の遊園地に連れていってもらうのとは違うよねぇ。そもそも彼等の交通費は一体誰が。
五稜郭に桜が咲いてたから、ゴールデンウィークだったのかな。みんな学校サボってるわけじゃないよね?
あと、なんで阿笠博士は気球を自分の顔にするの。どんだけ自分が好きなの。

いつもならコナンに頼まれ色々調べてくれる哀ちゃん、今回その役は園子が肩代わりしてた感じ。哀ちゃんは去年がっつりヒロインだったから今年はお休みのターンだったね。

あ、そうだ、つんちょ、最初の土方だけじゃなくて、最後沖田が「強そうな人いたから連れてきた」っていう、謎の坊主頭剣士の声もしてて、どうも土方の生まれ変わり(子孫?)っぽかった。コナン達からも「誰!?」って言われててワロタ。
キッドに変装されるためだけにいたような沖田くん、でも土方絡みなら出さないわけにいかないか。

来年の予告は「風林火山」だったので、次作は長野県警、大和勘助刑事たちがメインゲストになるのかな。また平次出てくるといいなぁ。そして次こそ和葉にちゃんと想いが伝えられますように!