全50巻、文字は2段組で挿絵は少なく、
1冊に長編が2つ3つ入っていた。
ということは単純に計算して100篇以上
の作品が入っていたことになる。

もちろん全巻読破なんかはしなかった。
半分どころか、3分の1も読まなかった
かもしれない。今考えるともったいない
ことしたなぁ、と思うけど、全集を読破
する小学生なんて、奇人以外の何者でも
ないでしょう。

1巻目は、確かギリシア神話が入って
いた。2巻目が『ホメロス・オデュッ
セイア』だったかな。
(↑『イリアス・オデュッセイア』の
間違いです。ホメロスは作者だわ。12/12追記)
イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ
など国毎の編成になっていて、最後が
日本だった。
「坊っちゃん」とか入ってたけど、
読まなかったなぁ。「小僧の神様」とか、
西脇順三郎や室尾犀星(こんな字だっけ?)
なんかが入った「近代詩集」は高校生
ぐらいになって読んだ。

大好きだったのは『十五少年漂流記』
『ロビンソン・クルーソー』といった
冒険もの。『不思議な島のフローネ』の
原作である『スイスのロビンソン(又は
「家族ロビンソン」という題で翻訳
されている)』も面白かった。

もちろん『アルプスの少女ハイジ』とか
『フランダースの犬』、『若草物語』に
『あしながおじさん』といった定番物
も入っていたし、アニメで有名になった
『ニルスのふしぎな旅』もあった。
きつねのレックスが「ずるこう」という
名前になってたのがいかにも古めかし
かったなぁ。

『小公子』は大好きだったけれど、
『小公女』は読めなかった。
一応挑戦してみるんだけど、もう
3ページぐらいで挫折してしまう。
他にも『ドン・キホーテ』とか
『アンクル・トムの小屋』とか、
どうしても読み進めなくて諦めた作品
があった。

『ホームズ』は「緋色の研究」と
「まだらの紐」が入っていたし、
シェークスピアの『ヴェニスの商人』
や『十二夜』もあった。

読まなかったけど『巌窟王』『にんじん』。
それからえーと……。

『クオレ』!!
大好きだった。めちゃめちゃ泣いた。
あれはほんとにいいお話だったなぁ。
かの有名な「母をたずねて三千里」も
『クオレ』の中で語られるお話なんだ
けど、『クオレ』本体の方はあまり
知られてないような気がする。
もったいない。
うん、もう一度読みたいな、『クオレ』。

もう一度読み返したい作品、いっぱい
ありすぎて手に負えないけど。


あと、覚えてるのが『ニーベルンゲン
の歌』
。これ、池田理代子のマンガ
『オルフェウスの窓』の中でユリウスが
ヒロインを演じるんだよね。文化祭の
演劇で。
それでたまたま全集に入ってたから
読んだら面白かった。
王妃クリームヒルトの復讐劇。
もともとは叙事詩だけど、「詩」では
なく「物語」として語り直されていた
のでとても読みやすかった。
…これももっかい読みたい…。

思うに、私の「翻訳もの好き」
この全集から来ているんだろう。
近所に公共の図書館ができたのは
小学校の5年生の時だから、それまで
は「本」といえばこの全集か学校の
図書室にあるものしか読んでいない。
学研の『ひみつシリーズ』はたくさん
買ってもらってたけど、「物語」の
本はこれだけだ。

「これだけ」が50巻100篇なんだから、
ほんとに贅沢な環境で育ったもんだよ
なぁ。
生きていた時には言えなかったけど、
おじいちゃん、ありがとう。