昨日、仕事の予定がずれて時間ができたので、『どろろ』を見に行ってきた。
レディースデー1,000円。
のせいか、チケット売り場に長蛇の列。かなりの混雑。おば様多し。みんな何を見に来ていたのでしょうか。『どろろ』は客席半分も埋まってなかったけど。
『愛ルケ』とか見るのかと思ったら、「『夏物語』はもう一杯です」と前の人が言われてた。何それ?と思ったらイ・ビョンホン(合ってる?)。ああ、そーなんだー。全然わからない。

で、『どろろ』です。
(以下ネタバレ注意!)

面白かった。2時間半の長丁場だったけど、最後までしっかり楽しめた。
無国籍風時代劇アクション妖魔退散!なところが、実に私好み。まぁ、だから見に行ったんだけどね。

妻夫木くんがとてもかっこよかった。
今まで彼の出ているようなドラマを見ることがなくて(内容が趣味じゃないから)、何とも思ってなかったけど、やっぱりきれいな顔してる。
赤影ばりに目が涼しい(←わかる人にはわかる)。
百鬼丸はクールというか淡々というか、暗めというか、「普通の人間じゃない」辛い宿命を背負ったキャラで、こーゆー妻夫木くんって珍しいんじゃないの?
風に吹かれて荒野に佇んでるのがとても美しい。
そんで服がボロ。
両腕が刀。

両腕が刀のアクションって、すごいかっこいいよ。
美しい。
途中、ひたすら魔物退治してるシーンがあるんだけど、アクション好きにはたまらないシーンだった。
やっぱヒーローは男前なだけじゃなくて強くないと。
でもあの場面、きっとテレビ放映の時はばっさりカットやろな……。

柴咲コウも、別に好きじゃないけど、やっぱりうまくて、良かった。
どろろと百鬼丸のコンビが、すごーく好みだったなぁ。
魔物を退治して村人を救っても、自身も「化け物!」として石もて追われる百鬼丸。そんな彼をまったく怖がらず、同じ「人間」として向き合うどろろ。
「おまえ早く全部の魔物ぶっ倒して誰にも何にも言われない体になれ!そんであいつらみんな見返してやれ!!」

いいよね〜、こーゆーの。
ちょっと『彼方から』の天上鬼イザークとノリコのカップルを彷彿とさせるな。ノリコとどろろは全然キャラ違うけど。
どろろはそれなりに強くてちゃんと魔物と戦ったりしてるし。
いいカップルだ。
理想(!)。
ラストもすごい良かったなぁ。全然湿っぽくなくて。
「好き」だのなんだの、そんなセリフは一言もなくて、でもちゃんと心が通い合ってるのがわかる。

百鬼丸の体の不思議については、色々とツッコミたいところもあるけど(心臓もないのに生きてる赤子って何……?なんで“体”が作れるの……??)、「魔物を倒すことによって自分の本来の体を取り戻していく」っていうのは、究極の自分探しの旅っていうか。

自分の手で、勝ち取って、掴んでゆく。

それで、つかみ取った「本物の自分」は、「作り物の自分」より弱かったりする。
「作り物の体」は傷を負ってもすぐ治るけど、本物はそうはいかないし。心臓取り戻したらもう不死身じゃなくなるんだろうし。
この辺も、「作り物の体」の時のあの超人的な強さは、「自分の体」になっていくにつれてなくなっていくのではないのか、という疑問もあるんだけど……。
だんだん弱くなっていくと、だんだん魔物を倒すのが困難になっていくよねぇ。

残り二十四体倒す前に自分が死んじゃわないだろうか。

でも、肉体的には弱くなっていっても、「人間」には「それ以上のもの」がある、っていう話だよね、きっと。

(まだまだ言いたいことがあるのでたぶん明日に続く)


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