先週のジュリーに引き続いて。

今週のBS蔵出し劇場「ビッグショー」は桜田淳子だった。

桜田淳子といえば、「統一協会の合同結婚式」という話が出てきて、その後芸能活動を引退したのか遠ざかっているだけなのか、ともかく最近の若い子は知らないかもしんないなぁ、なんだけれども、かつての大アイドルである。

「スター誕生」でデビューし、森昌子、山口百恵とともに「花の中三トリオ」と呼ばれた。

百恵ちゃんの印象があまりに強烈で、淳子ちゃんの方はあんまり思い出さなかったりするんだけれども、彼女達がバリバリのアイドルだった当時に、私は淳子ちゃんの歌も百恵ちゃんの歌と同じように好きだった。

それは、今回「ビッグショー」を見て、ほとんどの曲を「ああ、知ってる」と歌えてしまったことからも明らかだ。

「ようこそここへ クッククック 私の青い鳥~♪」(『わたしの青い鳥』)

同世代の人なら、このフレーズは絶対知ってるでしょ。

「去年のトマトは青くてかたかったわ~♪」(『気まぐれヴィーナス』)

『リップスティック』とか、今回なかったけど『サンタモニカの風』とか『追いかけてヨコハマ』とか。

ああ、知ってる知ってる。

よく歌ってたよぉ。


1978年、30年前のジュリーは30歳で、1979年2月の桜田淳子は20歳。デビューして6年。

デビューが14歳って、やっぱりすごいよね。中学生だもんね。

6年も歌手やって、まだやっと20歳だよ。

百恵ちゃんの映像に比べると、淳子ちゃんの映像はあんまり出てこないものだから、ものすごーく久しぶりに全盛期の淳子ちゃんを見て。

わぁ、ぴちぴちだなぁ。細いなぁ。こんな顔だったんだなぁ。

三段フリルの水色のミニドレス。ダンサー従えて踊っちゃったりして。

百恵ちゃんは、アイドルといっても「可愛い」という感じではなく、「かっこいい」というか「斜に構えた」感じだったから、淳子ちゃんの方が「正統派の可愛いアイドル」だったんだろうと思うんだけど、でもなんか、「今の20歳の芸能人」よりはずっと大人びた感じに見えた。

もう『しあわせ芝居』はリリースされていたし。

『しあわせ芝居』は1977年のリリースだったそうだ。

私はこの曲が、とっても好きだった。

中島みゆきの作品で、せつない片思いの曲。(歌詞はこちら

今回の「ビッグショー」では『しあわせ芝居』の前に『化粧』があって、これも中島みゆき。

『化粧』を淳子ちゃんがシングルとして出すのは1981年の元旦だそうだけれど、私はこの『化粧』も大好きだった。

淳子ちゃんのあのビブラートのかかった声で歌われると、せつなくって泣けてしまう。(歌詞はこちら

『気まぐれヴィーナス』のようなノリの良い曲より、こーゆーバラード系の曲の方が、淳子ちゃんの歌手としての本領が発揮されていたような気がするなぁ。

淳子ちゃんはお芝居の才能も早くから開花させていたそうで、初舞台で長谷川一夫の相手役を務めたのだそうだ。ひょお~、そりゃすごい。

私が知っている「芝居の淳子ちゃん」は「8時だよ!全員集合」でのコントしかないけど、「ビッグショー」見てて、「ああ、淳子ちゃんも役者系の人だな」っていうのはホントに思った。

っていうか、昔の歌手の皆さんは普通に「芝居っけがあった」んだろうけれども。むしろ「芝居っけがなかったら歌なんか歌えないでしょ」というか。

そして淳子ちゃんは歌手から女優さんになる。

なるほど。



しかし中島みゆき作品である切ない失恋ソング『しあわせ芝居』に『化粧』。

この曲を淳子ちゃんが歌っていた当時、私は小学校の3年生とかである。(『化粧』は6年生)

3年生で、「この歌詞すごいな、いいな」と思って、一緒に歌いながらうるうるしていた。

……3年生や4年生で、「失恋」はおろか「まともな恋」をしているわけもないと思うんだが。

でも『しあわせ芝居』の歌詞は「小学○年生」とかいう雑誌の巻頭に淳子ちゃんのグラビアと一緒に載っていたりして、私だけじゃなく他の小学生女子だってきっと歌っていたはずなのだ。まぁ、泣きはしないまでも、あの歌を好きだという女の子はいくらでもいたはず。

自分で経験したことしかわからない、想像できない、ってことはないもんね。自分ではまだ経験したことのない「ハッピーエンドな恋愛マンガ」を夢中で読んでいた小学生の女の子には、「ハッピーエンドにならない切ない恋」だって、ちゃんとわかった。

わかって、憧れたりもしていたんだ。

ハッピーな恋だけじゃなく、せつなくて苦しい恋ってものにも。

……今ドキの小学生の女の子はどんな歌に共感してるのかな。もう浜崎あゆみは古いんだろうか。ああ、今の音楽シーンがよくわからない……。