「ミニコンポ」と呼んでいいのかどうか自信がないけれども、とにかく「レコードプレイヤー」と「ラジオチューナー」と「Wカセットデッキ」が一体になった代物(本当に四角い一体成形であった)が我が家のリビングに登場した。
中学生の終わり頃だろうか?
古いレコードプレイヤーの調子が悪くなったのか、私が「Wデッキ」を欲しいと言ったのか、よく覚えていないけれど、とにかくこれでレコードからテープへのダビングも、テープ同士のダビングも簡単になって、私のカセットテープの山がどんどんと増えていったわけである。
高校生の時、尾崎豊や渡辺美里をダビングしたのも全部この「コンポ」だった。
リビングに置いてあるので、私が聞くと母親も聞く。そして母親も尾崎のファンになったのだ。
このコンポのメーカーは覚えていないけど、AIWAやったんちゃうかなぁ。SONYとかではなかった気がする。
高校の修学旅行では、友達が「ウォークマン」を持ってきていた。SONY製ではなかったかもしれないが、「携帯用カセットレコーダー」は全部「ウォークマン」と呼ばれていたのである(ホントか?)。
私は持ってなかった。
高校には自転車で通っていたので、「携帯」する必要がなかったし、お金もなかった。
そして。
世の中にCDというものが登場する。
『ガンダム シングルズ ヒストリー』というCDを私は勢いで買ってしまったが、うちにはCDプレイヤーがまだなかった。
なので友達に頼んでテープに録ってもらって、テープで聴いていた。
「CDプレイヤーが欲しい!」というのが高校3年生ぐらいの時の悲願で(大げさ)、大学に入学してわりとすぐ、「CDの聴けるミニコンポ」を買った。確か、自分のお年玉で。
これはVictor製。
CD、ラジオチューナー、Wカセット、そしてまだレコードプレイヤーもついていた。
結婚するまでこのコンポはずっと活躍する。
大学の3年ぐらいの時に、「ウォークマン」も買った。SONY製ではなく、AIWA製。「携帯して聴く」ためというより、「録音する」ために買った機械だった。
本体はもうないけど、リモコン付きヘッドホンとステレオマイクはまだ持っている。

ロゴがAIWAである。1991年以前のものだということがわかる。
このステレオマイクは他の機器につないで現在も時々使用中。役に立ってます。
結婚する時、Victorのミニコンポは実家に置いていった(もちろん今はもう実家にもない)。
結婚する前から1人暮らしをしていた夫はPanasonicのでかいCDラジカセ(バブルラジカセというらしい。むやみにサイズがでかいのが流行った時期のもの)を持っていたが、カセットの調子があまりよろしくなく、私が「やっぱりちゃんとしたステレオが欲しい!」と主張して、ミニコンポを買う。
今もリビングに鎮座ましますDENONのステレオ。

上からアンプ、ラジオチューナー、CD、そしてフロントローディングのカセットデッキ。
「同じ価格帯ならどれが一番音がいいですか?」と、お店の人に聞いたような気がする。別に音質の違いが自分にわかるとも思えないんだけれど。
最終的には玄人っぽい見た目が気に入って買ったような。
MDがついていないので、MDウォークマン(SONY製ではなくKENWOOD製)を外付け。

一時期せっせとカセットテープをMD化していたが、途中でめんどくさくなってやめた。カセットテープのままよりもMDの方がかさばらないし、保存性も良いと思っての「MD化」だったけれど、なんだか「MD」って、とっても中途半端なメディアになってしまったよね。
車にはMDがついてないから聞けないし、もはやCDを借りてきてもパソコンで丸ごとコピーしてCDにしちゃうし。
しかし、今の家に引っ越す時はまだ「パソコンで音楽」なんてやっていなかったので(だってCD-ROMしか使えないパソコンやったし)、「パソコンの部屋で音楽を聴くためにラジカセが欲しい!」と言って「CDラジMD」を買った。
きっと私も「音楽好き」以上に「機械好き」なんだな。新しい電気製品買うのって、むしょうに嬉しいもんでしょ。

これもKENWOOD。CDとラジオとMDと、そしてカセットもついてなきゃ嫌、値段もリーズナブルで!という条件を満たしてくれるのがたぶんこれしかなかった。
しかしカセットデッキがすごい音を立てるし、リモコンでしかできない機能が多く、実はとても使いにくい。ラジオも入んないし。
デジタル表示のチューナーって、使いにくいよね。絶対昔の、ダイヤル合わせる奴の方がいいよ。自分の手で微妙に合わせる方が。
最後に。
数年前、夫が買ったMDウォークマン。やっと純正SONY(笑)。

通勤時に聞きたかったのと、会議等の録音に使いたかったらしい。
でも最近はほとんど使われていない。
なんでかというと、「MD」に入っている音楽が「微妙な年代」のものだから。
夫がせっせと自分でエアチェックしたテープは山ほどあるが、そんなのは当然MD化されていないし、ここ数年はもうMDよりもCDにコピーされたものが多くて、「MDに入っている音楽」はとっても時代が限定されている。しかもそのほとんどは夫の趣味ではなく私の趣味でダビングされたものだし。
まぁ、それでも買った当初はせっせとCDをMDにダビングしてがんばっていたんだけど、あんまり長続きしなかった。「MD化」が面倒なのもあるし、いちいちMDを入れ替えなきゃならないのも、きっと面倒だったんだろう。
パソコンで曲を入れるのが面倒でも――そして音質も悪くても――ケータイだと「MD」を複数持ち歩いて入れ替えるってことはしなくていい。何よりわざわざ「ウォークマン」を持ち運ぶ必要がない。ケータイは、音楽を聴く必要がない時でも持っているんだもの。
「ケータイでコミックが読めると、本を持ち運ばなくていいから便利」ってこの間ニュースで言ってる人がいて、私には驚きだったけど、「ウォークマン」のことを考えると、「なるほど」と思わなくもない。
重量感たっぷりの「アクタス・パラボラ」が我が家に来た時には、思いもよらなかった未来だ。
レコードもカセットテープも、「A面」と「B面」があって、ひっくり返さなきゃいけなかったんだよ。「A面」にはどこまで入るって、一生懸命計算したりしてね。
今の方が便利には決まってるんだろうけど、テープやレコードには「時間の流れ」があったな、と思ったりはする。
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