(以下、ネタバレ大ありです! 作品の内容を知りたくない方は、読まないでくださいね!!)

見てきました、雪組公演♪

まずは『風の錦絵』。日本物ショー大好きな私としてはとーっても楽しみだったのですが。

35分しかなかった。

ええ、何それっ。

普通、ショーは50分くらいあるんです。それが、たったの35分。

あっという間でした。

幕開きは、「白浪五人男」。

プログラムで確かめた時は、「きゃ~、白浪五人男ぉ♪」と狂喜したんだけど、「問われて名乗るもおこがましいが」「さてどんじりにひけぇしは」というようなちゃんとした口上はなく。

さびしかった。

場面的には悪くなかったけど、でも口上のない「白浪五人男」なんて、珈琲を入れないクリープ……じゃなかった、クリープを入れない珈琲じゃございませんの。

せっかくだから、「水夏希たぁおれぇが~ことだぁ~」と大見得を切って欲しかったなぁ。

私、あーゆーの大好きなの。「知らざぁ言ってきかせやしょう」の弁天小僧なんか、超得意よ♪ 「声に出して演じたい日本語」(笑)。演じすぎて息子に白い目で見られる(爆)。

プロローグの次は「風の盆恋歌」。

松本悠里お姐様の出番です。

日本物といえば欠かせない悠里お姐様ですが。……一体、おいくつ??? うちの母によると「70歳なんかとっくに超えてるはずやで」という話なんだけど。

でも、そうよね。私が宝塚に通い始めた20年前から、既に春日野先生と並ぶ専科の大御所さん。スターファイル見ても入団年書いてないし。

レディに年を聞いてはいけないのよね。

ちなみに春日野先生は、もう90歳を超えられてるはずとか……。いやはや。

でも悠里姐さんの舞踊はほんとに美しいのよ。双眼鏡で見てもお若いし。

フィナーレのところではかなりアップテンポの激しい振りだったのに、しっかりと踊ってらっしゃった。

素晴らしいです。

でも、いつまでも悠里姐さんに頼っていてはいけないと思うんですけどね。日本物って、お芝居もショーも最近ほんとに少なくなってきて、母によると今回も「着付けがなってない」子がいたそうで。

もちろん歌劇団では「日舞」のレッスンもあるんだけど、「本番」が少ないと、色々な所作事とか、生徒のみならず、周りのスタッフの方も慣れないと思うし。

「洋楽で日舞を踊る」日本物ショーは宝塚ならではの醍醐味なんだから、きちんと継承していってほしい。

次の春日野八千代、次の悠里姐さんが育てられなかったら、宝塚の未来は暗いと思うのよ。

まぁ、今回特別出演していたトドちゃん(轟悠)は確か日舞の名取りさんだったはずだし、「次代の春日野八千代」たるべく専科に残っているのだと思うけど。

悠里姐さんの後は誰が継ぐんだ……。

で。

次がその、トドちゃんメインの「風林火山」の場面。

トドちゃん謙信と水さん信玄による、非常に麗しい「川中島」です。

このキャスティングは逆じゃないか、という気もしなくはないですが。

さすがの美々しさ、凛々しさでした、トドちゃん謙信。

Gackt謙信は青い甲冑やってんけど、トドちゃん謙信は赤で、水さんの方が青やった。謙信の衣装、すごい素敵やったよ~。

35分と短いショーではあったし、けっこう舞台が殺風景というか、そんなには凝ってなくて、衣装もわりとさびしかったんだけど(かつてのゴージャスなジュサブローさんの衣装を知っている目にはね)、この場面はなかなかお金がかかってた(笑)。

水さん信玄は、髭付けてるけど、髪はロン毛。

大河ドラマでのロン毛の謙信を「あり得ない」という方もいらしたでしょうが。

宝塚では信玄もロン毛よ~(笑)。

勘助は未来さん♪ ちゃんと眼帯。そしてちゃんと足も引きずって。

かっこよかった。

「風林火山」の次は「義経と静御前」。

義経が音月桂ちゃん。静御前が白羽ゆりちゃん。二人は同期だったのね。

桂ちゃん義経は凜として涼やかに。「この恋は雲のはてまで」を見てみたい? 「花のもとにて春」とか。桂ちゃんなら「花の業平」も良さそう♪

そして、もうラインダンス。

って、日本物でラインダンス!?

しかも、曲は「山寺の和尚さん」。楽しい場面でした。

そしてもうフィナーレ。

めっちゃJazzyでお洒落な「ソーラン節」に続き、やっぱりJazzyな「さくら」。

全体的に、かなり「洋物ショー」の色合いが強い日本物ショーだった。

「和」をテーマにした「普通のショー」というか。

「舞踊パフォーマンス」と銘打たれているのが、なるほどな感じ。

「春のおどり」じゃないから「チョンパ」もないし、若衆姿もない。

若衆姿の桂ちゃんをぜひ見たかった……。

これはこれで楽しかったんだけど、でもいわゆる普通の「日本物ショー」も見たいよぉ。去年はなかったよね。おととしはトウコちゃんの「さくら~妖しいまでに美しいおまえ~」。最近は、2年に1回ぐらいしかやってないのかな。

これじゃあ悠里姐さんの後継が育つはずないか……。

しかも35分。

せめてもう10分。もう一場面。

ああっ、ものたりな~いっ!!!

来年は「春のおどり」をお願いしたいです。