やっと読み終わりました、ジョン・レインシリーズ第2弾『雨の影』。

読み始めるとけっこうどんどんページを繰ってしまうんだけど、読み始められないのよね~、ついついマンガの方を手に取っちゃって。

ホントに困ったもんですわ。

2作目は本当に1作目の後日譚という感じで、みどりも出てくるし、最終的な対決相手も1作目と同じ。もちろん刑事のタツさんも出てきて。

相変わらず日本の政治状況に対する皮肉な目線がなんともね。

面白いんだけど、「これ、外国の人が読んでるんだよね」ってやっぱり思っちゃう。著者が日本に住んでらっしゃるから、かなり細かいんだもん。どこの知事が誰になって、少しは日本も流れが変わっていくのか、みたいなことまで書いてある。

東京が舞台で、政治的・文化的背景もかなりしっかり書き込まれているのに、醸し出す雰囲気はやっぱりこう、お洒落な外国のハードボイルド物って感じ。

ドライというか、日本でありながらべちゃべちゃした湿気がない(笑)。

私、あんまり日本人の作家の小説読まないし、ミステリーもチャンドラーとかハメットとかパレツキーとか外国作品しか読んだことないんだけど、やっぱりこれも「外国の人が書いてるんだな」って思う。

ってゆーか、つまりは「翻訳ミステリ」の香り。

正直「舞台が日本」たって、東京の地理なんか私にはまったくピンと来ないから、ニューヨークが舞台のアメリカ作品を読んでるのと、そんなに違いはなかったりする。

青山通りとか道玄坂って言われるのも、マンハッタンのなんとかアヴェニューって言われるのも、どっちも「さっぱり風景がわからない」ってことじゃおんなじだから。

ジョン・レインは殺し屋だから、フィリップ・マーロウ以上にタフだし、なんというか、苦悩も葛藤もするけど、やっぱりすごくドライで、“強い”感じがする。マーロウの方がよほど感傷的だったというか……いや、もうマーロウを読んだのはずいぶん昔だからはっきり覚えてはいないけど。

映画のジョン・レインはもっとストイックで、センチメンタルな部分も窺えたのになぁ。原作のジョンはモテモテでしっかり美女とよろしくやってるもんなぁ。

映画はすごく「甘く」作ってあったんだな、って原作を読むと思う。今思えば映画はずいぶん乙女チックだった(笑)。

そこが好きやってんけどね。

シリーズ3作目以降が文庫化されたらきっと読むと思うけど、「すごく好き!絶対買う!!」とまでは思えない。

椎名桔平さんのジョン・レインが良すぎたわ(笑)。