なんて揶揄ったタイトルつけてる場合じゃないんですけどね。

なんか。

昨日、だいぶTwitterにもつぶやいたんだけど、なんというかこう、ホントに「脱力感」というか、「虚脱感」というか…。

別に鳩山さんを応援していたわけでもないし、いくら何でも普天間問題は下手くそすぎたと思うし、みんながバラバラなこと言ってまとまりがないように見える民主党そのものも、そして「この期に及んでヤワラちゃんを引っ張り出してくるか!?」な小沢さんも、「なんだかな」ではあったんだけど。

でも、やっぱり「え!?辞めちゃうの?」って思った。

「また首相が替わっちゃうのか」と。

もう今や福田さんがなんで辞めたのかも思い出せないし、安倍さんに至っては首相だったことを忘れそうだし。

鳩山さんが辞意表明する前、つまり一昨日とかその前ぐらいから、「これじゃ選挙に勝てない!」で民主党内に鳩山降ろしの声が高まっているというニュースが出て、あまりにも「どこかで見た風景」で、それだけでもううんざりした。

去年、自民党内に「麻生降ろし」の声が吹き荒れたのとまったく同じ光景だよね。

結局麻生さんは辞めないで選挙に突入して惨敗しちゃったわけだけど、「首をすげ替えれば選挙に勝てる」という発想。

自民党も民主党も全然変わらない。

福田さんが辞めた時に自分で書いた記事(「福田よ、おまえもか!」)をさっき読み返してみたら、やっぱりあの時も「これで自民党は息を吹き返す」と言われていたんだよね。

「最良のタイミングで辞める」なんて言われてた。

なんか。

「首相」って何なんだよーーーーーっ!

まさしく「存在の耐えられない軽さ」

仮にも自分達の代表として、「党首」=「首相」に選んだ人間を、支えるべき立場の人間が簡単に「おまえじゃ選挙に勝てない」で辞めさせようとする。

それって無責任じゃないんだろうか。

自民党が同じことをするのを、民主党は批判してたんじゃないの?

今回のことを自民党が批判しても、何の説得力もないし。

そりゃ、「選挙に勝たなければ」法案は通らない。具体的に国政を動かしていくことはできない。

そして、支持率は下がっている。

「国民が聞く耳を持たない」。

まぁ、私だって街角や電話で世論調査されたら「支持する」とは答えない。でも「支持しない」=「早く辞めろ」というわけでもない。

辞める辞めないより、「とにかくちゃんとやってくれ」だもの。

辞めたってしょうがないでしょう、問題は辞めることじゃなくて、どう挽回するかでしょう、と思う。

普天間の問題自体は、誰が総理になってもそうそうたやすく解決できることじゃないだろう。鳩山さんのやり方はあまりにもまずかったけれども、「沖縄に基地を押しつけていること」「米軍基地そのものの是非」「日本の防衛のあり方」について、国民全体が考えなきゃいけないことは確かで、「このままでは良くない」と思うなら、行動していかなければならない。

沖縄の負担は軽減してあげたい、でもうちの近所に基地が来るのはイヤ。

「国民が聞く耳を持たない」の一つは、「どこも基地を受け入れてくれなかったじゃないか!」とも聞こえる。

「基地」に来てほしい自治体なんかはなくて、本当は「移転」じゃなくて「なくす」がいいんだけれども、アメリカが「うん」とは言ってくれない。

内田センセのblogの「さよならアメリカ、さよなら日本」という記事。

アメリカに出て行ってくれと言いたいなら、アメリカなしの日本の防衛をどうするのか、それを先にはっきりさせなくちゃならない。そうでなければアメリカを納得させられないし、そもそも日本自体が困る。

のんきな素人としては、「日本がアメリカの属国であることをやめたら、北朝鮮だって日本を攻撃することはないんじゃないの?」と思ったりもするんだけど。

日本が自前で武装すれば、当然中国や北朝鮮は「すわ日本軍国主義の再来!」と身構えるんだろうけど、「非武装中立」だったら、ほっといてくれたりしないのかな。

アメリカの核の傘もない、自前の核もない、まぁ自衛隊はいるんですけどたいした軍備はないです、という「日本」を、中国は攻めてくるのか。「よっしゃ!」とばかりに北朝鮮はロケットを打ってくるのか。

……北朝鮮は理屈じゃないから打ってきてもおかしくない気はするけど……。

無防備になればたちまちミサイルが飛んできて、領海侵犯されまくり、好き放題にやられちゃうの???

市場としての価値もだいぶ下がってきたことだし、「アメリカの属国じゃない日本なんて“使えない”からうっちゃっとけ」でほっといてくれないのかなぁ。

うーん……。


普天間問題で迷走したこと。そしてそのことで社民党を切り、連立政権の一角が崩れてしまったこと。

「辺野古じゃダメ!」と言う社民党は「アメリカが出て行った後の日本の国防」についてしっかりしたビジョンがあるんだろうか。

もしも鳩山さんが最初から「現行案通り」で「県外移転」の道を探らなかったら、その場合社民党はやっぱり連立を離脱したんじゃないの?

社民党がいてくれないと、参院で過半数が取れないから法案が通らない。

だから困る。

困るけど、でもそもそも違う党なんだから、すべての政策について「同じ意見」なわけないし、そもそも「数合わせ」で連立ってどーなのよ、と亀井静香さんを見るたび思う。

私は国民新党には投票してないぞ!郵政民営化をひっくり返して限度額2000万円なんて、そんなことちっとも望んでないけど!!

私にとっては、むしろそっちの方が大きな「民主党への失望」だなぁ。

小沢さんとのツートップ体制と。

今回、小沢さんをも辞めさせた、ということでは評価するんだけど、でも「幹事長」を辞めたからって小沢さんの影響力がゼロになるわけでもないんだろうし、その辺が。

その辺が、本当に。

小泉さんがぶっ壊してしまったので、今の自民党はもはや「自民党」ではなく、小沢さんが一人で「自民党」をやっているようなもの。

小沢さんさえいなくなればうまくいく、というものでもないだろうけど、小沢さんがいる限り「旧態依然」の感は否めない。

「数合わせ」にしても、「首のすげ替えで選挙を乗り切る」という発想にしても、なんか根本的に政党政治とか議院内閣制とかが「もううまくいかない」になってるんじゃないかという気がする。

自民党から民主党に変わっても、やっぱり首相はコロコロ替わるし、鳩山さんが辞めて次が誰になっても、やっぱり長くは保たないんじゃないかと思ってしまう。

「すぐ辞める」つもりはなくても、「いつ辞めさせられてもおかしくない」雰囲気の中では、腰を据えた政治なんかできないだろうし。

長期的なビジョンを持つことが馬鹿馬鹿しいもんね。

それは国民が「聞く耳を持たない」からなのか、内田センセのおっしゃる“抵抗勢力”のせいなのか(「首相辞任について」)、はたまたシステム自体の制度疲労なのか。

国民以上に、マスコミや議員さんに「こらえ性がない」気がする。


次の首相にはもうちょっと長く務めてほしいものだけれど、そのためには次の参院選で民主党が勝たなくちゃならないし、でもそれで民主党が勝っちゃうと「ほら、首をすげ替えれば選挙に勝てる!」ってことになっちゃうし……。

なんだかなぁ…………。