ベストセラー『日本人の知らない日本語』第3弾♪ (第2弾の感想はこちら

3冊目ともなるとマンネリじゃない?同じような話ばかりで飽きてくるんじゃない?と思ってしまいますが。

全然そんなことはありません!

今回も楽しく、そして「ふむふむなるほど」と勉強しつつ、あっという間に読了。

「祝!卒業編」とあるように、最後はお馴染みの楽しい学生さん達が卒業していってしまうので、読んでるこちらもなんだか寂しい…。私のお気に入りジャックさんやマリーさんはそもそももうほとんど出てきてはいなかったけど…。

1冊目からそうですが、ただ「言葉」だけじゃなく、その背後にある「文化」の違いが本当に面白いと思います。

「日本語」の中の色々な使い分け、私たち日本人が日本人であるがゆえに普段気にしていない「差異」や「背景」はもちろん、何を疑問に思うかにはやはりそれぞれの「お国柄」が反映されていて。

他の国のこと、何にも知らないなー、ってホント勉強になります。

クリスマスなんか「外国」が本場のはずで、日本人は外国を真似してると思ってるのに、それぞれの国で実はクリスマスも多様。

すっかり「日本オリジナルの行事」になってしまっているんですねぇ、クリスマス。

一口に「外国」と言っても、キリスト教圏だけじゃないわけですし、キリスト教でもロシア正教だとクリスマスは1月…。

“「外国人=英語が話せる」ではないことも知ってほしいです”っていうのもね。

いわゆる「白人」、西洋人っぽい人に話しかけられると、つい「おーのー!あいきゃんのっとすぴーくいんぐりっしゅ!!」と身構えてしまいますが、「みーとぅー。私も英語は話せません(←ロシア人)」。

ははははは。

グローバルグローバル、これからは日本の企業でも英語で会議!みたいに言われて「英語=世界共通語」とつい思ってしまいますが、必ずしもそんなことはないんですよね。

滋賀にはブラジルの方が大勢いらっしゃいますが、ブラジルはポルトガル語。学校や市役所では英語よりポルトガル語の説明が必要とされます。

作中のジャックさんのように、日本人より日本語が達者な方もいらっしゃるし、“外国人にも「まずは日本語で」を心がけてみて下さい”という凪子先生のお話、勉強になります。

とはいえ。

その際「外国人にわかりやすい日本語」を意識して、というのがまたなるほど。

日本語学校の生徒が具合を悪くして救急車で運ばれて、学校の先生が付き添うんですけど、生徒と先生の会話は日本語なんですよね。それでお医者さんが「なんだ、この患者日本語通じるのか。だったらあなたいなくていいよ」と自分で直接「どうされましたか?」と聞くんだけど、お医者さんの日本語は残念ながら通じない。

「日本語が通じる」と言っても程度があるわけで、ネイティブ日本人のようにぺらぺら空気読みつつ受け答えできるわけじゃない。

考えたら当たり前の話で、日本人だって「おーのー、あいきゃんとすぴーくいんぐりっしゅ!」と言いながらも中学校で習う程度の語彙・文法なら、だいたい理解できる人が多いんじゃないでしょうか。

ゆっくり、簡単な語彙と短い文章で話してくれたら、当意即妙に答えるのは難しくても相手の言ってることはきっとなんとなくわかる。

日本語を習っている外国人の方も同じなわけです。

まぁ作中の生徒さんは私の英語よりずうっとしっかり日本語で受け答えなさっていて尊敬しますが(^^;)

「○○人が日本で初めて見たもの」という一枚絵のコーナーもすごく面白い。「えーっ、そうなんだ!」とびっくりすることもあれば、「それは確かにそうだろうな」と思うこともあり。

「面白くってためになる」という言葉はまさにこの本のためにあるような♪

次回からは少し趣向を変えた新シリーズになるということで、予告編が「袋とじ」でついています。これ、別に「袋とじ」じゃなくてもいいと思うんだけど。切るの失敗して汚くなっちゃったよ(汗)。

書店では全体がシュリンク包装された状態で売っていて、わざわざ「袋とじ」しなくても立ち読みはできないのに。

ともあれ。

新シリーズも楽しみです。