2017年6月21日水曜日

『ケルン市警オド』第2巻/青池保子



(1巻の感想はこちら

『修道士ファルコ』の良き相棒、兄弟オドの市警時代を描いたスピンオフ作品、待望の第2巻が出ました♪

1巻も面白かったですが…2巻も楽しかったです。山奥の僧院に秘められた謎を解き明かしに行った1巻とは違って、2巻ではお膝元ケルンが舞台。

貧しい平民の少年が変死体で発見され、「食中毒」として片付けられそうだったところ、オドはその死体の状況に疑問を感じます。「これは事故ではなく事件では?」

「貧しいレンガ工の子どものためにわざわざ捜査するのか?」と上司に言われながらも、部下フリートとともに捜査を始めるオド。

貴族たちのいさかいによる傷害事件で少年の死が忘れられそうになっても、オドは逆に「そちらに気を取られている今がチャンス」と真相解明に突き進みます。

やっぱりすごく“少佐”なんだけど、少佐よりは立場がだいぶ弱くて礼儀正しいし(笑)、死んだ少年とその家族のことを気にかけるオドの優しさがとてもいいです。

最後、少年のことを忘れていない人が他にもいた、っていう終わり方がホントにね~。青池先生ご自身の優しさですよね。

1巻のお話よりわかりやすい感じがするし、1巻の最後で修道士ペトルスが紹介した「薬草に詳しい修道士カイ」も登場。

「師とか弟子とかは面倒臭い 「友」でよかろう 友で」ってセリフに痺れます、カイ修道士。

「修道士の頭巾」という異名を持つ有名な毒草トリカブトが出てくるところといい、修道士カドフェルのシリーズをやっぱり思い出してしまいますね~。(カドフェルの3巻目、ずばり『修道士の頭巾』というタイトルでした)

カドフェルシリーズ、全部読み終わっちゃうのがもったいなくて中断したままなんですが、『ファルコ』や『オド』を読んでるとまた読みたくなってきます。

オドは14世紀の治安役人。貴族と平民の格差は激しいし、司法も現代とは違って、さほど“正義”や“真実”は追求されない。オドが不審に思わなければ少年もあっさり「食中毒、事故死」として処理されてしまっていた。そんな中奮闘するオドの姿がいいし、今とは違うからこその温かみがあって、楽しいです。

『エロイカ』の続きも読みたいけど、このシリーズも長く続いてほしいなぁ。オドが修道士になったきっかけまで描いてくださるかな……。

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